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稲城市議会6月議会一般質問報告3~新型コロナと市長の政治姿勢~ [市議会]

市議会一般質問の報告の3回目は、「新型コロナから市民を守る市長の政治姿勢について」報告します。

3.新型コロナ感染症から市民のいのち、暮らし、営業を守る市長の政治姿勢について
(1)情報発信の在り方について
①新型コロナ感染症に関する市としての広報や情報発信の基本的な考え方について聞きます。
→様々な情報媒体を活用し、仁俗な情報発信に努めています。
→これらの情報媒体に、市長のSNSは含まれておりません。
②市の広報や情報発信の中で、市長のSNSをどのように位置づけているのかを聞きます。
→市長のフェイスブックを始めとするSNSを活用した情報発信については、市の公式な広報広聴機能を補完するものとして、市長自らの責任において取り組んでいるものです。
→市長のSNSは市の広報広聴機能の中には位置付けられていませんが、補完的な役割を果たすものです。
③市長は全ての市民に対して公平に情報が届くように十分に配慮すべきと考えますが認識を聞きます。
→市政に関する情報をすべての市民に届けることは、市の基本的な責任であると認識しています。一方、市の公式的な広報は、予定や変更の生じる可能性のあるものなどを速報することが今年であり、情報にタイムラグが生じますので、私の判断でSNSを使用しています。情報の内容については、あくまでも非公式の内容であり訂正や修正も起こりうるものですので、そういった点もふまえた情報発信としてご理解いただきたいと思います。
<解説>
 新型コロナ感染症がもたらす影響が中長期におよぶなかで、政治も変化が求められます。経済成長と生産性向上第一の政治から、ひとりひとりの暮らしといのちを大切にする政治への転換を求める立場から質問しました。
 市は新型コロナ感染症にかかわる情報発信について、様々な情報媒体を活用して、迅速な情報発信をしているということです。それでは、その「さまざまな情報媒体」の中には市長のSNSも含まれているのでしょうか。答えは「市長のSNSは公式の情報発信には含まれていないが、市の広報広聴機能を補完する役割」というわかりにくいものでした。
 今回の新型コロナ感染症の対応にあたって、市長はSNS、特にフェイスブックに積極的に登校をされています。しかし、フェイスブックはあくまでも市長のアカウントをフォローしている人だけに届く、基本的には限定をされたものではないでしょうか。市長がご自分のSNSアカウントに様々な市政情報を投稿されたり、発信されたりすることは否定しません。しかし、それは市の広報機能のメインなのか、そうではないのか、ということです。
 市の答弁で広報機能の補完だということでしたが、内容的には補完を超えてかなり詳細な内容が掲載されています。補完だというのなら、メインの広報も同じくらいの内容にしてもらう必要はあるのではないでしょうか。市民の中には切実な思いとして市の補正予算や定額給付金がどうなるのか知りたい方や、PCR検査センターに期待をされている方がいらっしゃいます。そういった方々へどのように情報を届けるのか、それが問われているのではないでしょうか。すべての市民を対象にした丁寧な情報発信を求めました。

(2)不要不急の事業見直しと市民の負担軽減について
①市役所駐車場の有料化は年内の実施は行うべきではないと考えるが認識を聞きます。
→工事の進捗状況や物品の調達など、現時点での様々な状況を総合的に勘案して適切な時期を検討しています。工事については6月から開始し、8月末に終了の予定です。
→公民館登録団体等との話し合いの予定はありませんが、意向を把握することはしていきたいと思います。
②4月に一斉値上げをされた使用料・利用料・国保税の値下げを行うべきと考えるが認識を聞きます。
→市議会での議決を受け適切に対応していることから、現時点において使用料・手数料の見直しを行うことは考えていません。「利用する方と利用しない方の負担の適正化」等を図っていることから、適正な負担をしていただいているものと認識しています。
→国民健康保険税については、賦課決定通知書に新型コロナ感染症にかかわる減額や免除についての案内文を掲載する予定です。
③外部環境が変化した事業については大胆に見直して、市民生活を支える分野へ予算を振り分けるべきと考えるが認識を聞きます。
→新型コロナ感染症の影響で事業環境が変化したことは確かですが、市の行政サービスの提供はそのほとんどが義務的経費であり大規模な組み替えは困難です。歳入については、市税等の減収が想定される状況下において、財源の根拠に乏しいと考えます。歳出については、義務的経費の大半が扶助費であり、これらを変更することは却って市民生活に混乱をきたすおそれもあることから、実施すべきではないと考えます。
→投資的事業については、補助金や市債など多くの特定財源を活用する予算となっており、見直しによる一般財源確保は困難です。
<解説>
 4月からゴミ袋代など使用料・利用料が一斉に値上げをされました。新型コロナ感染症による家庭の収入減や支出増の中で、4月から実施された値上げがさらなる負担となっているという認識を市が持っているのかどうかが問われるのではないでしょうか。
 しかし、市の答弁は「利用する方と利用しない方の負担の適正化」ということを強調したのみでした。先の3月市議会で日本共産党稲城市議団は市民クラブの皆さんと共同で予算組み替え動議を提出しました。その時に述べたのが、「新型コロナ感染症の影響で値上げが大きな負担になるのだから、値上げは行うべきではない」ということでした。まさしく、指摘した状況になっているのではないでしょうか。
 また国保税についてですが、国は4月8日に事務連絡を出して、新型コロナの影響で国保税について減額したり免除した場合にはその分を財政支援するとしました。その中では、「事業等の廃止や失業の場合には、前年の合計所得金額にかかわらず、保険税額の全部を免除すること」としています。これらの減額や免除について、丁寧に説明をして、対象となるのに減額や免除が受けられないような状況とならないように対応することを求めました。
 今後の予算の見通しについては、歳入について「市税の減収が考えられる」という認識が出されました。これは重要です。私は先の3月議会の予算特別委員会総括質疑において、個人市民税や法人市民税は現状の予算のままで済むのか。特に法人市民税についてはコロナ不況が予想される中で予定通りいかない状況が起きると思われるし、個人市民税も一人当たり税額が減ってきている状況があるのではないか、と質問をしました。その時に、個人市民税は例年通りの状況で計上している、法人市民税は国などの様々な対策を注視したいという答弁でした。しかし、現状において市としては市税の減収を考えざるを得ない状況になっているわけです。
 尚の事、予算の在り方、使い方を考えるときではないでしょうか。まさしく市民生活に混乱を起こさないように市民の暮らしに密着した行政サービスを維持していくことが求められると思います。もう一点は、歳入不足を理由にしたさらなる値上げや負担増は、ただでさえ傷ついた家計や地域経済への致命傷となってしまうということです。質問の表題で「不要不急の事業の見直し」と述べました。これは歳出の見直しということですし、不要不急の値上げも見直しという意味でもあります。
 今後、予算の在り方が本当に問われてくると思います。日本共産党稲城市議団はこれまでも開発のための開発になっている区画整理事業への補助金の見直しや、民間のトンネル工事を市が肩代わりするかのような開発予算について問題点を指摘して反対をしてきました。そういった開発事業にお金を使いながら、利用料や手数料、国保税の値上げをしてきた。今、この予算の在り方、使い方を大きく見直していく時だと思います。まさしく「不要不急の事業の見直し」をすべきであると指摘しました。


(3)「自助・共助」から「公助」中心の政治への転換について
①秋・冬に想定される「第2波」に向けて医療や介護の分野で、万全の対策を準備すべきと考えるが認識を聞きます。
→「稲城市新型コロナウイルス感染症連絡協議会」を設置して、医療体制の確保につとめてきました。今後も国が定める基本的対処方針に基づき、医師会と連携を図りながら適切に対策を講じていきます。
②地域経済を守るための取り組みについて認識を聞きます。
→新型コロナ感染症の影響を受けて、市では国や東京都による施策をふまえつつ、地域を経済を守るための対策が必要であるとの認識のもと、稲城市商工会等の関係団体と連携を図りながら経済対策事業に積極的に取り組んでいるところです。また、制度の周知を図ることにより、適切かつ迅速な制度の利用につなげていく事が大切であると考えています。
③「民営化」と「自助」の路線から、「公立」と「公助」を中心にした路線へと変えるべきと考えるが認識を聞きます。
→これまでも民営化を計画的に推進し、一定の生活をあげてきました。今後も民間の力を効果的かつ適切に活用していきたいと考えています。また、今後のまちづくりとして市民、地域、行政がそれぞれの立場で役割を果たすと同時に、連携を深めていく「自助」「共助」「公助」がバランスよく機能したまちづくりを進めつつ、持続可能な行政運営に努めていきます。
<解説>
 市長は答弁で「民営化を推進する」と言い、そして「自助・共助・公助をバランスよく」とも言いました。この点を大きく変えていく事が、本当に今求められていると思います。
 日本共産党の志位和夫委員長は「今回のコロナ危機で新自由主義の破綻が明らかになった。すべてを市場原理にまかせて、あらゆるものを民営化していこうという流れが、今度のパンデミックによって破たんがはっきりした」と述べました。
 また、立憲民主党の枝野代表は「新型コロナ感染症が突き付けたのは『小さすぎる行政』と『新自由主義的社会』の脆弱さであり、過度な自己責任論や目先の効率性、行き過ぎた小さな行政と政治不信を変える」必要があると述べられています。
 さらに、東京都知事選挙に立候補している、宇都宮けんじさんは「行き過ぎた自己責任論は自分にも跳ね返ってくるし、個人の問題にしているうちは本当の解決はできない。それは政治の責任を免れさせることにもつながる」と訴えています。
 まさしく、これまでのような経済成長第一、経済効率第一、生産性第一の政治から、社会保障や福祉によってどんな状況になってもひとりひとりの暮らしを支えられるようにする。一部の大企業やグローバル企業の利益のためではなく地域経済や中小企業に利益が回るようにする。なんでもかんでも民営化するのではなく公の責任と役割を明確にする、政治の転換が求められます。
 私たち日本共産党稲城市議団は、市民の皆さん、他党他会派の皆さんとも力を合わせて、この新型コロナ感染症による危機を乗り越えて、新しい政治を作っていくためにこれからも奮闘し、その役割を果たしていく事を求めました。

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※雨上がりの初夏の空です。
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稲城市議会6月議会一般質問報告2~iバス・路線バスの充実~

市議会一般質問の報告の2回目は、iバスや路線バスについて報告します。

2.街の中を気軽に行き来できるバス路線の充実について
(1)iバスについて
①iバスの直近の月別の乗車実績(コース別)と前年同月の乗車実績(コース別)およびそれに対する認識について聞きます。
→5月の乗車実績は以下の通りです。
Aコース5,900人(前年同月14,675)
Bコース7,692人( 〃  16,216)
Cコース4,492人( 〃  10,798)
DEコース1,184人( 〃 3,363)
→緊急事態宣言の解除前と解除後の乗客数を比較すると、1週間で約15.6%の増となりました。
②iバスの乗客と運転手への感染防止のための対策について聞きます。
→運転手のマスク着用、ビニールカーテンの設置、窓を開けるなどの対策をとっています。
→iバスは市民の生活に欠かせない公共交通であることから、緊急事態宣言の中においても市からの要請を受け小田急バスでは減便することなく通常運行を継続しました。今後も感染防止対策を行い、運行の維持をしていきます。
<解説>
 バス路線の増便や新設による、交通不便の解消を願う市民の声が寄せられています。公共交通機関は新型コロナ感染症の影響を最も受けた分野のひとつですが、市民生活を支える大事なライフラインでもあります。誰もが街の中を気軽に移動することのできる公共交通の充実を求める立場から質問しました。
 感染症への不安から電車やバスなどの公共交通機関などから、マイカーや自転車などの交通手段に切り替えた方も多くいます。しかし、様々な事情で公共交通機関が頼りの方もいます。こういった自転車やマイカーのない市民にとって大事な足であるiバスについて、感染対策を行いながらもしっかりと路線を維持していくことが重要であると考えます。
 いくつかの自治体では、乗客数の減少や感染症対策からバス路線などを減便したところもあるようです。しかし、iバスについては減便しないで、路線や便数を維持して運行がされました。担当部署の判断と、運行委託されている小田急バスのご努力に敬意を表します。ぜひ、これからも大事な市民の足であるiバスの路線を維持してほしいと求めました。

(2)京王バス[メ01]路線について
①同路線の詳細と運行が開始された経緯について聞きます。
→稲城長沼駅と稲城府中メモリアルパークを起終点として稲城駅を経由し、春秋の彼岸およびお盆の期間中に運行される路線として認可を受けました。
→令和2年3月の運行については、3月20日・21日・22日の3日間、運行本数は1日14件往復28便、乗車実績は延58人でした。
→市は稲城府中メモリアルパークへの利用があることから、路線バスの運行について稲城市地域公共交通会議にて要請をしてきました。
②同路線のバス停の設置について道路占用許可の基準内容も踏まえた経緯について聞きます。
→京王バスより道路占用許可申請を受けて、許可しています。
→本路線はスポーツイベント等の臨時運行ではなく運輸局より認可を受けた定期路線ですので、バス停を常設しているとのことです。なお、バス停における運行表記については、利用者にわかりやすい表記となるよう、バス事業所に要請していきます。
③同路線の今後の運行方針について聞きます。
→現在の運行を継続していくとのことです。
→市としてはお盆や彼岸期間以外でも需要が見込まれることから、運行事業者に対して定期運行を要請しております。
<解説>
 今年の3月から運行が開始された京王バス[メ01]路線ですが、稲城長沼駅を出発して、稲城駅を経由して南山の上でまで上る路線ですが、運行はお彼岸とお盆のみだということです。3月に3日間の運行がされましたが、3日間限定ですが、一定の乗車数はあったということでした。
 この路線については、それぞれの停留所にバス停が設置されています。例えば、稲城駅だと駅の西側にバス停が設置をされていますが、その表記は「季節運行のため、運行日にご注意ください」となっていて、よく近づいてみると3月の3日間分の臨時運行のダイヤが載っています。ずいぶん立派なバス停で、ここにもバスが停まるかなと思っていくと、ぜんぜん普段は動いていません。これでは、紛らわしいのではないでしょうか。せっかく運行を始めてくれたものです。こういった点については、ぜひ丁寧に進めてほしいと思います。市も「わかりやすい表記を要請する」と答弁しました。
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※稲城駅に設置されているバス停

 また季節運行をそのまま続けるのではなく、市としても定期運行を求めていくことを確認しました。南山への路線だけなく、稲城駅と稲城長沼駅を結ぶ路線というのも、要望は強いと思います。引き続き、バス会社との話し合いを進めてほしいと対応を求めました。


(3)小規模コミュニティ交通について
①ワゴン車による小規模コミュニティ交通実証実験の実績と評価について聞きます。
→ひらお苑を運営する社会福祉法人が毎週火曜日に施設のワゴン車を利用して、2019年7月2日から12月24日までの期間、平尾の美望会および向山会から平尾団地商店街への買い物等を支援するために運行しました。実績としては1日あたり平均13人程度の利用があり、好評であったことから、3月末まで継続して運行してもらいました。
→地域にねざした福祉施設が、社会貢献事業として無料で地域を循環する交通手段として好評であったと聞いています。
②タクシーによる小規模コミュニティ交通実証実験の実績と評価について聞きます。
→令和2年1月22日から3月13日までの水曜日と金曜日の16日間に1日4往復8便、合計128便をタクシー車両による乗合事業として実施しました。実績として期間中、延11日の利用がありました。
③今年度の計画と現在の運行実績について聞きます。
→社会福祉法人によるワゴン車の運行について、現在は新型コロナ感染症予防のため運行を休止していますが、収束後に再び運行を検討していると聞いています。
<解説>
 この小規模コミュニティ交通については、日本共産党として交通不便地域の困難解消の手段の一つとして長年求めてきたものです。特に「下平尾地域」の急傾斜地での小規模ワゴンバスの運行は以前より住民の方々からも要望として出されていました。
 昨年、社会福祉法人によるワゴン車の交通実証実験が行われ、一定の需要があり好評だったということです。タクシーについては、全体として11人の利用に留まりなかなか厳しかったようです。
 今年度はまだ具体的に動いていないということですが、ワゴン車の運行を検討しているとのことです。引き続き、ワゴン車の定期運行を求めていきます。


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稲城市議会6月議会一般質問報告1~“介護崩壊”を防ぐ支援について~ [市議会]

 6月17日に市議会一般質問を行いました。今議会の一般質問は、新型コロナ感染症から市民の暮らしをどう守っていくのか、市がどのような役割を果たしていくべきか、積極的な面は認めながらも、課題や不足点については指摘をする内容となりました。全部で3つの大項目に分けて質問をしたので、それぞれ分けて報告します。

1.“介護崩壊”を防ぐための介護事業者と助け合いボランティアへの支援について
(1)介護事業者の状況と支援について
①新型コロナ感染症による市内の介護事業者への影響について聞きます。
→市内の介護事業者から新型コロナウイルス感染症に感染したとの報告が無く、市内では東京都による休業や規模縮小等の要請を受けた事業者はありません。
→個々の事業者の経営状態については把握していません。
→介護報酬の請求件数は施設サービスは2月と4月で大きな変化はありません。居宅サービスは2月と比べて4月は3.6%減少していますが、新型コロナ感染症の影響かどうかは不明です。
②国や東京都による介護事業者への支援内容について聞きます。
→国は介護施設等の従事者および利用者に対して1枚ずつの布製マスクの配布や、人員基準の臨時的取扱等を行っています。東京都もマスクの提供等を行いました。
→収入が減少した事業者への経営補償については、「持続化給付金」があります。今後、介護施設や事業所に勤務する職員に対する慰労金の支給が予定されており、その実施主体は都道府県とされています。
③稲城市による介護事業者への支援内容について聞きます。
→2月からマスクや消毒用アルコールの配布や情報提供などを行っています。
→収入が減少した介護事業者への直接の経営補償などの財政的支援は、介護保険は全国一律の制度あることから国により対応するべきものと考えています。
→介護報酬の「概算払い」については震災や台風による被災などの際の対応として行われるものであり、収入が減少した介護事業者への経営補償を目的としたものではないと考えます。
→今後も国や都と連携しながら、介護事業者に対して適切に支援していきます。

<解説>
 新型コロナ感染症による様々な影響は、介護事業や高齢者の助け合い活動の分野にも大きな困難をもたらしています。経営の悪化による事業の閉鎖や、担い手の疲弊により助け合い活動が活動停止をしてしまえば、地域の中で連鎖的な介護崩壊が起きてしまいます。介護崩壊を起こさないための支援策を求める立場から質問しました。
 まず幸いなことに、市内の介護事業所において新型コロナの感染は起きなかったということは良かったです。感染対策を行いながら、介護サービスを継続された介護事業所と従事者の皆さんのご苦労は本当に大変だったと思います。
 それでは、実際の介護事業所の経営状況はどうなっているのか?と質問しましたが、市は「個別の状況は把握していない」という答弁でした。施設系はほとんど減っていないし、居宅系についても2月に比べて4月は約4%の減少だということです。それでは、あまり影響はないのでしょうか?決してはそうではないと思います。
 私は市内のある事業者の方にお話しを伺ったので、その一部を紹介をしたいと思います。
 ・新型コロナ禍が事業に与えた影響では、デイサービスが一番影響を受けている。
 ・蜜を避けるとなると、定員として認可されている広さでは利用者間のフィジカルディスタンスを保てないので、定員よりも人数を減らして受けざるをえない。
 ・緊急事態宣言下では利用回数や1日の上限人数も制限した。
 ・利用を制限したために、一部の業者への委託を止めることになった。これまで協力をしてくれた業者をお断りするのは苦渋の決断だった。
 ・送迎も密をさけるために何度も往復しながらの送迎が大きな負担となった。

 新型コロナの影響は市内の事業者にも、大きく出ていることがよくわかります。平成31年度の介護保険特別会計の繰り越し、つまり黒字額は約1億8千万円になるとのことです。それでは、今年度はどうなるでしょうか。現状のまま推移すれば今年度の介護保険会計は多額な繰り越し金が発生するのではないでしょうか。
 今、介護事業者の全国団体や労働組合の皆さんから、前年度の実績に基づいた介護報酬の「概算払い」について検討してほしいという要望が出されています。市は「概算払いについては経営補償を目的としたものはではない」という答えでした。しかし、すでにこれを実施した自治体があります。名古屋市は2月に感染予防の観点から、市内の介護事業所に対して休業要請を行い、その休業補償として前年度の実績に基づいた介護報酬を概算払いという形式で給付をしました。災害対応以外でも自治体の判断で経営支援のために概算払いを行うことができるのです。
 今こそ、新型コロナ感染症の影響で介護事業所の閉鎖や事業停止が起きないように、現場の実態をつかみながら、市としても必要な支援を行うべきであると対応を求めました。

(2)助け合いボランティア団体の状況と支援について
①新型コロナ感染症による市内の助け合いボランティア団体への影響について聞きます。
→新型コロナ感染症による外出の自粛に伴い、通いの場などの会場に集まって実施する活動のほとんどは休止されていたものと思われます。
→市に対する問い合わせは、事業の休止や再開状況に関するものが5件、また活動場所の賃貸料を補助する制度に関するものが1件ありました。
②国や東京都による助け合いボランティア団体への支援内容について聞きます。
→国は取り組みに対する留意事項を、東京都は対策ガイドを出して、新しい生活様式を踏まえた通いの場の運営と実践の考え方のヒントを示しています。
→「東京都感染拡大防止協力金」については、高齢者を対象とした介護予防等を目的とした自主グループ活動については協力金の対象とはならないものと考えます。
③稲城市による助け合いボランティア団体への支援内容について聞きます。
→市では国や東京都が示した留意事項を基に、グループ活動の再開の手引きを作成しています。
→「通いの場支援補助金:については、補助の対象として新たに新型コロナ感染症予防のための資材等の購入費や人と人の距離を確保するための会場費などを追加することを検討しています。

<解説>
 高齢者を対象としたボランティア団体もほとんどが活動を休止されたということです。その中で、市に対しては家賃補助を求める要望も寄せられているということです。
国の緊急事態宣言や都の自粛要請に応じて活動を休止したのはいいけれど、参加費がまったく入ってこなくて、様々な経費を維持するのが大変だというボランティア団体の声を聞いています。そういった皆さんが、藁を掴む気持ちで都の協力金に申請を出している現状があります。
 これまで市はボランティア団体の活動支援として「通いの場支援補助金」制度を設けてきました。一定の役割を果たしていると思います。そこで、「さらなる活動支援のために、『通いの場支援補助金』の対象や内容の拡大、金額の増額などを行うべきではないか」と質問したら、思いがけず「新型コロナ対策として対象の追加を検討している」という答えでした。これは、大変重要なことだと思います。ぜひ早急な追加策の決定と、多くの団体への広報や周知をして、積極的に活用をしてほしいと思います。
 介護事業所とボランティア団体、高齢者の暮らしと健康を支える大事な両輪です。最前線で奮闘されている介護事業所、介護従事者と、地域で下支えをしてくれているボランティア団体の両方が、今回の新型コロナ感染症の影響で危機的な状況になっています。これらの活動を支えていく必要があります。そのために、市が役割を果たしていく事をこれからも求めていきます。

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※市役所から見える梅雨の曇り空です。
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稲城市議会6月議会が始まります。 [市議会]

 6月12日から、稲城市議会6月議会が始まります。今回の大きな議案は、新型コロナ対策として計上された約10億円の補正予算案についてです。市民の暮らしや営業、子どもたちの学びや保育などをどのように支援をしていくのかが問われます。補正予算の詳細については、後ほどご報告します。
 一般質問でも新型コロナ感染症を受けて、それへの対策や対応についての質問が多く出されています。私も一般質問の半分以上が新型コロナの対策や今度の対応について質問します。感染症対策で議場での傍聴は不可となりましたが、PCやタブレット、スマートフォンを使ったネット視聴はできます。実態をしっかりつかみながら、市民の声を市政に届けるために準備をしていきます。どうぞ、ご視聴をください。
※議会中継はこちらから。

<6月議会の主な日程>
6月12日(金)
  16日(月) 議案の付託(午前)/補正予算委員会(午後)
  17日(火) 一般質問 ※山岸は17日の9時半からの予定です
 ~22日(月)  〃
  23日(火) 総務委員会
  24日(水) 福祉文教委員会
  25日(木) 建設環境委員会
  30日(火) 本会議最終日(討論と採決)

<一般質問の項目>
1.“介護崩壊”を防ぐための介護事業者と助け合いボランティアへの支援について
 新型コロナ感染症による様々な影響は、介護事業や高齢者の助け合い活動の分野にも大きな困難をもたらしています。事業や活動が継続できなくなり、地域の中で連鎖的な介護崩壊を起こさないための支援策を求める立場から質問します。

2.街の中を気軽に行き来できるバス路線の充実について
 バス路線の増便や新設による、交通不便の解消を願う市民の声が寄せられています。誰もが街の中を気軽に移動することのできる公共交通の充実を求める立場から質問します。

3.新型コロナ感染症から市民のいのち、暮らし、営業を守る市長の政治姿勢について
 新型コロナ感染症がもたらす影響が中長期におよぶなかで、政治も変化が求められます。経済成長と生産性向上第一の政治から、ひとりひとりの暮らしといのちを大切にする政治への転換を求める立場から質問します。

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※三沢川の緑も濃くなってきました。
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