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稲城市議会9月議会一般質問報告4~大規模高盛土工事の見直しと安全なまちづくり~ [市議会]

一般質問報告の最後は、「大規模盛土工事」について報告します。

〇.危険な大規模盛土工事の点検と見直しによる安全なまちづくりに向けて
(1)市内の大規模盛土造成地の全容について
①国の「大規模盛土造成地の滑動崩落対策」に基づく変動予測調査の内容について聞きます。
→既存の宅地について、大規模盛土造成地の有無とそれらの安全性の確認をする調査です。この調査のうち、大規模盛土造成地の抽出を行う調査を「第一次スクリーニング」、対象地が地震時に崩落を起こすかどうかを計算等により確認する調査を「第二次スクリーニング」としています。
②第一次スクリーニングの実施状況と市内の大規模盛土の状況について聞きます。
→東京都が調査を行い、平成26年に大規模盛土造成地マップを公表しています。それによる、市内の大規模盛土造成地は76か所となっています。
→これら既存の大規模盛土造成地において、崩落や土砂崩れなどの事故が起きたことはありません。
③第二次スクリーニングの実施状況および今後の予定について聞きます。
→現在、第二次スクリーニングを行うべき盛土造成地を抽出するための評価手法について、検討を進めていると発表されています。第二次スクリーニングに着手している自治体は多摩地域には未だありません。
<解説>
 熱海市伊豆山で起きた土石流災害は甚大な被害となっています。その大きな原因としてあまりに杜撰な盛土工事であったことが指摘されています。市内の盛土造成地の現状について総点検を行うこと、危険な盛土工事は見直すことを求める立場から質問しました。
 まず前提として熱海で起きた災害については、その工事内容も含めてあまりにも杜撰すぎるもので、市内で過去に行われた、またこれから行われる盛土工事について同じ状況のものであるとは思っていません。ただ同時に、こんどの熱海での災害は盛土工事が終了して11年たってから起きています。盛土というのはできた直後は何ともなくても、10年、20年、50年経つ中で事故や災害が起きてくるということです。これは、盛土工事に根本から存在している問題ではないでしょうか。それにどう向き合っていくのか、そこが問われていくのだと思います。
 この間、国の方針を受けて東京都が都内の大規模盛土の状況調査を進めてきました。それによる、面積3000平方メートル、高さ5メートル以上のものを大規模盛土造成地として定義しているとのことです。分布状況調査(第一次スクリーニング)と安全性確認調査(第二次スクリーニング)の2段階に分けながら2009年から開始されているということです。
 第一次スクリーニング調査によると、市内の大規模盛土造成地は76か所あり、主にはニュータウンや区画整理の地域で行われています。本来は、ここから安全性を確認する第二次スクリーニング調査に入らなければならいのですが、第二次スクリーニングについてはどれを調査すべきかどうかの基準が定まっていないので、そもそも調査に入れていないということです。これまで、既存の大規模盛土で崩落等の事故が起きたことはないとのことですが、第二次スクリーニングまで行って調査としては完了するので、早期な着手を求めました。
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※東京都が公表している大規模盛土造成地マップ。データはこちからから

(2)「根方谷戸高盛土工事」・「ランド谷戸高盛土工事」について
①それぞれの工事の概要について聞きます。
→以下の表の通りです。
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→盛土造成については学識経験者による「造成工事検討委員会」の答申に基づき、雨水を堤体内部に滞水させないように盛土内に排水シートや砕石層などによる排水施設や、計測機器として挿入式傾斜計、層別沈下計、間隙水圧系を設置しています。
→排水施設として盛土内の地下水を集水して盛土から排除する集水ドレーンや、盛土内に地下水等の侵入を防ぐため地山からの浸透水を集水して排除する暗渠排水を設置しています。
②平成19年6月12日付「造成工事検討委員会答申書」における「雨水、湧水排水処理対策」および「施工に対する要請事項」の審議結果の主な内容について聞きます。
→雨水排水処理については、盛土内に排水施設を設置し、堤体内部に滞水させないように十分配慮すること。また盛土施工期間だけではなく、完成後も沈下、安定に関する懸念が無くなるまで十分長期に渡る観測を実施することとなっています。
→盛土造成の計測については、公園・緑地として組合から市に移管された後は、関係部署とも連携しながら、公園・緑地を所管する部署が安定性を継続的に把握していきます。
③「根方谷戸高盛土」について、区画整理組合解散後の監視・保全・補修を市の責任で行うことについて市長の認識を聞きます。
→根方谷戸の盛土造成後については、公園として組合から市に移管されましたら、市が適切に管理を行っていきます。
④「ランド谷戸高盛土工事」について、最新の知見や気象環境を取り入れた見直しが必要ではないかと考えるが認識を聞きます。
→盛土造成工事については、最新の法令・基準に基づくとともに、盛土災害対策の専門家による技術的知見を取り入れ、最善の工事計画とされています。この工事計画に基づき、東京都の許可を得ており、高盛土造成として十分な安全性が確保さています。
<解説>
 南山区画整理工事の一部である、2つの高盛土工事についてはこれまでも何度も一般質問で取り上げてきました。2つの高盛土の1つである根方谷戸高盛土は完成をして、ランド谷戸高盛土は今年の11月から工事が開始をされます。
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※南山区画整理の全体図(赤線)と高盛土工事個所(青線)

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※完成した根方谷戸高盛土と、ランド谷戸高盛土の工事予定箇所

 東京都は盛土の高さ5メートル以上を「大規模盛土造成地」として定義していますが、この高盛土は48メートルや38メートルと5メートルどころではない高さとなっています。
 根方谷戸高盛土はすでに完成をしています。工事そのものに反対をしてきましたが、これから必要なことは何か。それは、今後長期間にわたってこの盛土が崩れないに管理していくことです。盛土工事にお墨付きを出した「造成工事検討委員会答申書」で繰り返し指摘されているのは、「盛土の中に水を溜めないようにすること」と「盛土完成後も雨水や地下水がすぐに排水できるようにすること」です。そのために、この盛土の中には莫大な数の排水シートがひかれていて、パイプや溝が縦横に通っています。こういった排水管や排水溝が目詰まりしないように整備していくことも重要です。
 区画整理は工事が終われば、その主体者である区画整理組合は解散をしてしまいます。そうなったら、盛土の管理責任は稲城市が果たしていくしかありません。市長は「適切に管理をしていく」と答えましたが、この盛土が存在していくかぎり管理責任がずっと問われるということです。ランド谷戸の工事はこれからです。危険な工事の中止、完成した盛土の責任もって管理・監視体制の構築をこれからも求めていきます。


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