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スケジュールも決まっていない海外視察!? [市議会]

第2回稲城市議会定例会が6月11日から始まっています。
各議員による一般質問や委員会での委員会審議に先立って、本日は補正予算特別委員会が開かれました。
日本共産党稲城市議団では、私が補正予算特別委員会の担当として委員会に参加をします。

補正予算は、「年度初めに決めた予算計画を実行している最中に、様々な事情で計画変更が起きたために途中で予算を変更するもの」です。
一般的には公共事業に使用する材料が値上がりしたために、建設予算を上乗せしたりすることに使われます。

今回の委員会でも、最初の段階では中学校の建て替え費用の増額や観光拠点整備のための建設費の計上など、概ね必要と思われる内容が中心でした。
しかし、6月11日の本会議終了後の12日に、突然追加の補正予算議案が提出をされて、それについても補正予算委員会で審議をすることになったのです。

追加議案の内容とは、「海外との姉妹都市提携を結ぶことを目的に、候補予定地(アメリカ合衆国カリフォルニア州サンテマテオ群フォスターシティ市)に高橋市長が 視察するための経費として約288万円を計上」するものです。
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補正予算とは、もともと予定されていた計画に関して計画の見直しに伴って計上するものです。
もし計画外の内容を補正予算に計上するのであれば、よほど政策的に重要な内容でなければなりません。
最初に議案を見た時に「わざわざ補正予算の、さらに追加議案にする内容なのか?」と疑問を感じ、そのことを中心に委員会で質問をすることとしました。

本日の委員会審議で明らかになった点は以下の点です。
①フォスターシティ市が候補手予定地に選ばれた経緯
フォスターシティ市が日本の都市との姉妹提携先を探していて、たまたま外務省でカリフォルニアの領事館に勤めていた人が稲城在住で、稲城を紹介をしたのが始まり。
自民党の伊藤達也衆議院議員からもフォスターシティ市についてすすめられた。
2014年6月から検討を始めていたが、市民への情報提供や議会への報告などはしてこなかった。
髙橋市長は市長選挙の公約に海外都市との姉妹提携を掲げていた。

②視察の内容について
具体的なスケジュールや内容は決まっていない(!)
主には街の中をみたり、姉妹提携を結んだときにお互いに望むものを意見交換する。
街の様子全体を見てくる。

③費用の内訳
市長と職員3人の4人で行き、往復飛行機代140万円(一人当たり35万円)と、現地2泊のホテル代58万円(一人当たり約14万円)、その他の諸経費合わせて288万円の予定。
具体的なホテル名などは決まっていなくて、業者の見積もりを計上しているだけ(!)

④今後の進め方
視察はあくまでも「候補の予定地」の視察であり、姉妹提携そのものが決まったわけではない。
今後は既に設置している友好都市提携市民会議を拡充して、その中で検討を進めていく。

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審議を通して、今回の提案内容の大きな問題点は以下の4点だと思います。
①姉妹都市提携の目的がはっきりしないまま進められようとしている
日本共産党は姉妹都市提携を結ぶことそのものを否定はしません。
しかし、今回の計画は市民にも議会にも情報提供をしないまますすめられていて、「まずは結ぶことありき」で目的や意義を後からつけようとしているように見えて仕方ありません。
しかも自民党の国会議員の名前が出てくるなど、ある意味個人的なやり取りの中で物事が進められているように感じます。
「ただ結べばよい」ということではなくて、理由や目的をちゃんと論議をしてから進めるべきです。

②具体的な視察計画や宿泊場所も示さずに予算計上している
288万円もの公金を支出しようとしながら、視察の計画や内容、宿泊場所も示せないのは、あまりにも計画が大雑把すぎます。
しかも、現地2泊で4人で宿泊費58万円。1人あたり1泊7万円(!)という、一般的な常識からみてもとても高い旅費となっています。
このような公金の使い方はとても認められないのではないでしょうか。

③わざわざ市長が行く必要性あるとはとても思えない
視察の内容は、街の見学や意見交換が中心となっているとのことです。
とても、市長が行く必要がある視察とは思えません。
「顔を合わせることが大事なんだ」という意見もありましたが、お見合いをするわけではないのであって、IT機器を使えば十分顔を合わせて意見交換をすることは可能です。
しかもこちらは市長が視察に行くのに、アメリカの方からは来る予定はないという、とても対等とは思えない状況です。

④情報収集のための視察にはとてもならない
市の説明では今回の視察は「候補予定地の情報収集のための視察」であって、姉妹都市提携をするかどうかはまだ決まっていない、と言っています。
しかし実態的には市長が行けば、相手も十分期待をしますし、ほぼ姉妹都市提携は既成事実になってしまいます。
言っていることと、実際にやっていることが矛盾をしています。これでは、物事の進め方が逆転をしています。

以上の4点を理由に、日本共産党市議団として委員会では反対をいたしました。
委員の賛否については以下の通りです。
賛成:村上(生活ネット)、佐々木(民主)、池田(新政会)、中田(起風会)、市瀬(公明)、大久保(公明)
反対:岩佐(維新)、藤原(市民)、山岸(共産) ※敬称略、()内は会派名

この議案は7月1日の本会議でも審議をされ、その際には私も反対討論を行う予定です。
その際には、引き続き議案の問題点や矛盾点について市民の皆さんにわかるように述べていきます。
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コメント 2

山本 博

初仕事お疲れ様です。新選で貪欲な取り組みに期待しています。ご指摘の姉妹都市の件、撤回が妥当です。目的がありません。稲城市とは全く関係の無い海洋都市にリゾート気分で行かれては困ります、”重税”を払う市民として、ガンダム同様、使い道を誤っているとしか思えません。昨年、機会あって神奈川県座間市を訪問し、市の職員と意見交換しました。座間は日産の開発拠点があり、今、利用者にやさしいロンドンタクシーのような車体の開発をしています。他市の手本として老人用交通システムへの取り組みをお願いしました。姉妹都市は国内で充分です。有益な目的を持たせて下さい。
by 山本 博 (2015-06-16 16:24) 

YaMa

ありがとうございます!
それこそ山の多い当市では、気軽に街を行き来できる交通システムが必要ですよね。
引き続き、問題点を追及していきます!!
by YaMa (2015-06-16 16:46) 

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