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稲城市議会12月議会一般質問報告1~介護保険制度~ [市議会]

12月1日に一般質問を行いました。今回も3回にわけてご報告します。
1回目の報告は「介護保険制度」についてです。

1.社会全体で高齢者の暮らしを支える介護保険制度の実現に向けて
(1)令和2年度東京都福祉保健基礎調査「高齢者の生活実態」について
①この調査の結果概要の「第4章-2-(2)介護の状況」の内容について聞きます。
→「介護を受けている」割合は73.7%520人、「介護をうけていない」割合は20.0%141人でした。介護を受けている人のうち、介護者が「子供」である割合が54.2%で最も高いという結果でした。
→平成27年度と令和2年度の調査との比較については、「対象者本人の介護をしている人」の回答割合が増加したのは「子供」及び「ホームヘルパーなどの介護職員」で、減少したのは「配偶者」です。「最も介護をしている時間が長い人」の回答割合が増加したのは「子供」で、減少したのは「配偶者」及び「ホームヘルパーなどの介護職員」です。
②同調査の結果概要の「第6章-2介護が必要になったときの高齢期の住まい」の内容について聞きます。
→上位の回答として「現在の住宅に住み続けたい」は44.5%、「介護保険で入居できる施設に入所したい」は19.1%、「わからない」は11.9%、「高齢者向け住宅に入居したい」は11.3%でした。
→「介護保険で入居できる施設に入所したい」と回答した人の世帯構成別では単身世帯では22.0%、配偶者と2人暮らしでは19.9%、二世代では17.4%、三世代では14.3%でした。また、「現在の住宅に住み続けたい」と回答した人の割合については、配偶者ありでは48.3%、配偶者なしでは38.3%です。
③同調査の結果概要の「第11-1高齢者に対する必要な施策や支援」の内容について聞きます。
→上位の回答として「年金や医療など国の社会保障制度」が54.2%、「ひとり暮らし高齢者に対する支援」が52.0%、「特別養護老人ホームなどの施設の充実」が49.3%でした。
→平成27年度と令和2年度の調査との比較については、回答割合が増加したのは「年金や医療など国の社会保障制度」及び「ひとり暮らし高齢者に対する支援」、減少したのは「特別養護老人ホームなどの施設の充実」及び「夜間の訪問介護や訪問看護などの、介護者が自宅を訪問する形態の在宅サービス」です。
④今回の調査結果は、今後の稲城市の介護保険事業にも反映をさせていくべきではないかと考えるが認識を聞きます。
→本調査は、東京都全域の傾向を知るものとして重要ではございますが、市の介護保険事業におきましては、市内高齢者を対象とした「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」結果等を踏まえ策定した、稲城市介護保険事業計画に基づき推進してまいります。
<解説>
 東京都が5年毎に行っている「高齢者の生活実態」調査の結果が明らかになりました。「介護の社会化」という介護保険制度の理念の実現のために、市としてもこれらの調査結果を検証、反映させていくことを求める立場から質問しました。
 今回の調査で最もクローズアップされているのが、介護を受けている人のうち介護者が「子供」である割合が54%で最も高いということです。夫や妻などの配偶者や、ヘルパーなどの介護職員ではなく、子供が介護をしているということです。
 5年前の調査との比較でも、介護者が子供である割合は前回の47.8%から54.2%と6ポイントの増です。逆に配偶者は38%から30%へと8ポイント減っています。最も介護している時間が長い人は、子供がプラス5ポイント、配偶者がマイナス10ポイント、介護職員はマイナス5ポイントです。前回調査では介護者は子供が一番高く、介護時間が長い人は配偶者でしたが、今回調査はどちらも子供が一番高い割合を示しました。
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 これまで国を挙げて「介護離職ゼロ」だと言われてきました。「親の介護で、子供が離職するようなことはあってはならない、そのための対策が必要」だと言われてきましが、実態はこういう状況です。
 もう一つ深刻なのは、最も介護をしている時間が長い人の割合で介護職員が5ポイントも減少しているということです。この間、介護報酬が改訂されるたびに訪問介護等でサービスにあたる時間がどんどん細切れにされてきています。生活援助や身体介護をもっと時間をかけて関わりたいのに、それがやりづらくなっているという介護現場からの声がずっと出されていますが、その実態がここに反映されているのではないでしょうか。
 住居の問題では、約半分の人が今の家にそのまま住みたいと思い、約2割の人が介護保険で入居できる施設に住みたいと回答されています。ただ世帯別や配偶者の有無別でみると、単身の人ほど今の家ではなく介護施設などの入居を望む傾向が高いということです。今後、この傾向はますます増えてくるのではないでしょうか。
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 政治や行政に求めるものとしては、「社会保障制度」「一人暮らし高齢者の支援」「特養ホームなどの施設の充実」が上位3つの回答となっています。やはり社会保障制度全般を何とかしてほしいという、その意識が表れているとみるべきではないでしょうか。
 今回の都の調査は東京都全域の傾向を知るものとしては十分な役割を持っているのではないでしょうか。これまでの一般質問で指摘をしてきましたが、介護保険制度の改定がされるたびに利用に制約がかかり、負担が増えていき、ますます使いづらくなっている現状があります。社会全体で介護を支えるという最初の介護保険制度の理念がだんだん遠くなり、家族介護に回帰をしているかのような気さえします。
 必要な人が必要なサービスを受けられる介護保険制度にしていくことがますます求められているのではないでしょうか。これからも、介護保険制度の改善を求めていきます。


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