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稲城市議会3月議会一般質問報告2~地域猫活動~

一般質問の報告の2回目は「地域猫活動」について報告します。

〇地域に暮らす住民と猫が共生できるまちづくりの支援について
(1)まちづくりとしての地域猫活動とその支援について
①TNR活動の定義について聞きます。
→TNR活動の定義につきましては、飼い主のいない猫の命を大切にし、一代限りの命を全うさせるため、地域の理解を得た中で、地域のボランティア団体の方々が捕獲を行い、不妊去勢手術をして元の場所に戻し、適正に管理する活動であると認識しています。
→TNRM活動の「M」が意味することにつきましては、手術を終えて地域に戻った猫を、ボランティア団体の方々が周辺の環境に配慮しながら管理し、最期まで見守るマネジメントの「M」であると認識しています。
②TNR活動への市としての支援内容について聞きます。
→「TNR活動」に対する市の支援につきましては、与えた餌を放置せず、排泄物の掃除を行って、地域の環境に配慮する「適切な餌やり」により、去勢手術を終えた猫が命を全うするまでを見守る、ボランティアの方々の活動内容を、市広報紙や市ホームページに掲載し、市民への周知をしております。また、周辺住民の理解を得るためにポスター掲示を行うなど、ボランティアの方々の活動をサポートしています。
→ボランティア団体の方々と地域住民との相互理解を促すための橋渡しとしての市の役割といたしましては、現在でも猫に関する相談や苦情などがボランティア団体の方々、あるいは地域住民から寄せられた際には、双方の意見を聞きながら、課題解決に向けて取り組んでいます。今後も引き続き同様に取り組んでいきます。

<解説>
 これまでも地域猫活動の支援と、人にも猫にも優しいまちづくりを求めてきました。ボランティア、行政、地域住民が協力しあいながら、人と猫が共生できるまちづくりのさらなる推進を求める立場から質問しました。
「TNR活動」については、これまでも何度か質問してきました。世間的にもだんだんと知られてきたと思います。T捕獲し、N避妊・去勢処置をして、R元の場所に戻すという考え方です。このTNRがちゃんとされた猫を地域猫とよびます。
 今、市内の動物愛護ボランティア団体などはTNR活動をさらに進めた考えとして、「TNRM活動」を呼びかけています。「M」とは、マネジメント(管理)するということです。実際問題としては捕まえて手術して元の場所に戻したら、その後の付き合いの方が長くなります。外で暮らす猫の寿命は4年~5年と言われていますが、年単位で関わる必要があります。
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私も定期的に朝夕で餌やりをしている2匹の地域猫がいますが、付き合いはもう3年くらいになります。地域猫活動として、ちゃんと管理をする。当然、餌やりは周りの人に迷惑をかけないようにするし、場合によっては最後の見取りまで行う。周辺の環境に配慮をしながら、地域猫活動をどう続けていくのか、このMが今大事になってきています。
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※私が朝夕餌やりをしている猫たち

 市がこれまでも様々な形で支援をされてきたことは、私も理解をしています。特に市広報にTNRの活動を掲載してほしいというのは、私も何度か一般質問でも提案をしてきました。広報へ掲載もしてもらい、市民の中での理解も少しずつ広がっているのではないでしょうか。そのうえで、TNRMのMに関連した市の役割も重要になってきていると思います。
 地域猫の餌やりボランティアをしている人の中には一部ですが、地域住民との共存や周辺環境への配慮よりもご自分の思いや気持ちを優先させてしまい、軋轢やトラブルとなってしまう事例があります。猫がかわいそうだからの一点突破で強引に進めることで、結果として周辺の住民にとって猫が悪者や邪魔者みたいになってしまうのは残念です。
 住民の皆さんのご理解やご協力は必要ですが、同時にボランティアの側も周りの環境に配慮をして一緒になって解決策を考えていくことが重要です。その橋渡しを行政が行っていくことが求められます。これまでも言われてきましたが、ボランティア・地域住民・行政が一緒になって、どうしたら人にも猫にも住みやすい街にしていくのかを考えることが、TNRMの実践ではないでしょうか。

(2)「適切な餌やり活動」の推進と啓発について
①猫の餌やり活動として「不適切な餌やり」の内容について聞きます。
→「不適切な餌やり」の内容については、一般的な定義づけはございませんが、周辺の理解を得ずに餌をやる行為や、他人が迷惑に感じている中で餌やりを続けているケース、いつでも食べられるように常時餌を置いておく置き餌や、猫が食べ終わった後に清掃をしない事などが該当されると思われます。
→不適切な餌やり活動に関して、令和3年度に寄せられた苦情件数は5件です。内容につきましては、駐車場で不適切な餌やりをしており、その猫が車に乗って傷を付けて困るというものや、近所で餌をもらった猫が庭に糞尿をするので困るというものでございました。この様な苦情を受けた際は、苦情者と相談した上で、近隣でお困りの方がおられることを周知するポスターを提示するほか、変動超音波式ネコ被害軽減器を貸し出すなど、必要に応じた対応を行っています。
②猫の餌やり場所に掲示している看板の内容とその位置づけについて聞きます。
→市が餌やり場所に掲示する看板の内容につきましては、ボランティア団体が見守っている猫への「適切な餌やり活動」であることをご理解いただくための看板や、ボランティア団体が関わっていない猫への餌やりに対して、やめるように注意喚起するもの、「適切な餌やり」をお願いする内容のものなどがあります。どちらの看板につきましても、環境に配慮し、不幸な猫を増やさないボランティア団体の活動をサポートする位置づけとなっております。
→看板を掲示している場所につきましては、不適切な餌やりに関する苦情が寄せられた公園や道路、民有地に、適切な餌やりを周知する内容の看板を掲示する場合や、ボランティア団体の方々が適切な餌やりを行っている場所に、ボランティア団体の活動を地域住民にご理解頂くための看板を掲示する場合がございます。看板の掲示に関して明確な判断基準は定めておりませんが、看板を掲示する場合は、ボランティア団体の方々とよく相談し、地域の環境保全に配慮した掲示を行っております。
③適切な餌やり活動を広げていくための地域のボランティア団体との協力連携体制について聞きます。
→地域のボランティア団体との協力連携体制につきましては、猫の餌やりに関する苦情や相談が市に寄せられた際に、ボランティア団体へ情報を共有し、係わりを確認した上で、近隣の方々に向けた「適切な餌やり」などを周知する看板の掲示を行うことや、市広報紙や市ホームページでボランティア団体の活動を掲載し、市民の理解を得られるように協力しています。また、ボランティア団体が係わっていない、不適切な餌やりに対しては、ボランティア活動の妨げになる行為を控えるよう、注意喚起の看板を設置するなどの体制をとっております。
→看板の文面等につきましては、以前、ボランティア団体の方々に相談したものを使用しており、看板の設置個所につきましても、ボランティア団体の方々にご意見を伺いながら対応しているところでございます。
④適切な餌やり活動を広げていくための広報啓発活動について聞きます。
→適切な餌やり活動を広げていくための広報啓発活動につきましては、不適切な餌やりを抑制するためにも、引き続き、市広報紙への定期的な掲載や、市ホームページで案内をしてまいります。
→「餌やりボランティア登録制度」につきましては、他自治体の事例なども参考に研究してまいります。

<解説>
 地域猫の餌やりについては、「不適切な餌やり」をちゃんと定義づけできるかどうかが重要であると思います。
 以前は餌やり場所に掲示している看板の文面は一種類だったのですが、今は場所によって複数の文面の看板を使い分けています。適切な餌やりがされている場所では「地域の人の理解を促す」看板を、不適切な餌やりだと思われる場所では「適切な餌やりをお願いする」看板をということです。
 餌やりについては、TNRM活動のMの活動をどのように支援をしていくのかという点が問われます。答弁で「不適切な餌やりの定義が無い」と答えていますが、稲城市として「これが不適切な餌やりです」という確たる定義がされていない状況があります。私はこの点はもう少し明確にして、不適切な餌やりを減らしていくための踏み込んだ対策が必要ではないかと考えます。
 いくつかの自治体では「餌やりボランティア登録制度」を設けることで、適切な餌やりと不適切な餌やりを明確にしている自治体もあります。稲城市でも導入について検討が必要ではないかと提案しました。
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※調布市の「ボランティア届出制度」

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※川崎市の「サポーター登録制度」

 地域猫活動への支援ということでは、TNRMのNの「避妊・去勢手術への補助」というのがよく注目されますし、それは私も求めるところです。けれど、ただ手術だけすればいいということではなく、その後にM管理も含めて考えていくことが必要です。
 猫を間に挟みながら、人にとっても猫にとっても暮らしやすいまちづくりを進めていくことが重要ではないでしょうか。私自身もボランティアの皆さんと一緒に実践を続けながら、市としてのさらなる施策の推進をこれからも求めていきます。



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