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稲城市議会6月議会一般質問報告1~介護保険制度~ [市議会]

本日、市議会一般質問を行いましたので、3回にわけて報告します。
今回は「介護保険制度」についてです。

また質問に入る前に今の戦争と平和をめぐる問題について一言述べたので、それについても掲載します。

〇平和をつくっていく決意表明
 ロシアがウクライナに侵略を始めてから100日以上が経過しました。いまだにウクライナでは戦火が広がり、女性や子どもたち、民間人の被害が出続けています。このロシアの蛮行に強い憤りを覚えます。国連憲章と国際法に基づき、今すぐに侵略行為をやめ、ウクライナから撤兵することを強く求めます。
 今度のウクライナ侵略で明らかになったのは武力による侵略行為や戦争によって得るものはなにもないという事です。ロシアは世界中で孤立し、地位や名誉を失い、経済的にも大きな打撃を受けています。
 軍事対軍事では紛争や諸問題を解決することはできません。必要なのは対話と国際協調による外交努力です。軍拡競争による緊張関係の増大ではなく、憲法9条と国連憲章に基づいた外交に力を尽くすことこそが、今こそ必要です。
 私はこれからも稲城平和都市宣言にうたわれている日本国憲法の平和の精神と非核三原則の遵守による世界平和の実現に向けて、市民の皆さんと一緒に力を合わせていく決意です。


〇負担増と給付制限をやめ、誰もが利用できる介護保険制度に向けて
(1)財務省による「介護保険制度改革」について
①4月13日付「財務省財政制度分科会」の「資料1.社会保障-4.介護・障害―ケアマネジメントの利用者負担の導入等」の中で主に述べられている内容について聞きます。
→介護保険制度創設から20年を超え、サービス利用が定着し、他のサービスでは利用者負担があることも踏まえれば、利用者負担を導入することは当然である等と述べられています。
→4月のひと月のケアマネジャーによるケアプランの作成数は1,135件でした。
→ケアマネジャ―を通さずに利用者や家族が直接ケアプランを作成することは可能です。その場合の手続きは市への関係書類の提出や介護サービス事業者との連絡・調整等は全て利用者や家族が行うこととなります。過去において、そうした事例はこれまでありません。
②同資料の「軽度者へのサービスの地域支援事業への移行等」の中で主に述べられている内容について聞きます。
→要介護1・2への訪問介護、通所介護についても地域支援事業への移行を検討し、全国一律の基準ではなく地域の実情に合せた多様な人材・多様な資源を活用したサービス提供を可能にすることが効果的・効率的である等と述べられています。
→4月のサービス利用者のうちの要介護1は374人、要介護2は335人で、全体1,135件に占める割合は、要介護1および2で62.5%です。
③稲城市介護保険事業計画第9期を作成するにあたっては、これ以上の負担増や給付制限を行わず、必要な人が必要なサービスを利用できる介護保険制度にしていくことが必要だと考えるが認識を聞きます。
→第9期介護保険事業計画を作成するにあたりましても、必要な人が必要なサービスを利用できるよう、介護給付等対象サービス量やニーズ、被保険者数の推移などを的確に推計し、適切に対応してまいります。

<解説>
 2024年度からの新たな介護保険事業計画に向けて、財務省などがさらなる利用者の負担増や利用制限を打ち出しています。すでに様々な団体から批判の声や撤回を求める声明が出されています。これらの制度改悪に反対し、誰もが利用できる介護保険制度にしていくことを求める立場から質問します。
 今回、質問の土台にしたのが4月に行われた財務省財政制度審議会財務制度分科会の資料です。様々な論点がありましたが、1つはケアマネによるケアプラン作成についてです。
 現在、ケアマネジャーがケアプランを作成する行為、一般的にはケアマネジメント、制度上では居宅介護支援について利用者負担は発生していません。これを財務省は自己負担を導入するように求めています。
 この資料の中でこれまでは介護サービスを積極的に利用してもらうようにするために、ケアプランの作成については自己負担を求めてこなかった。しかし、20年経って制度も定着したので他のサービスと同様に自己負担を導入すべきであると記載しています。
 しかし、ケアマネの職能団体である日本介護支援専門員協会が見解を公表しています。その中では、そもそも居宅介護支援はただ計画書を作るというだけの役割ではない。個々の利用者の状況と様々なサービスの内容を組み合わせて、総合的かつ効率的にサービスが提供されるように実施されているものである。その役割は介護保険制度開始時から現在まで重要性は変わっていないと述べています。
 そして、訪問介護や通所介護などは利用者や家族の意向を確認しながらサービスを選択していくことができるが、ケアプランの作成はそもそも選択の余地のない行為である。サービスを選択するための行為にまで自己負担を求めれば、すべての利用者が公平に過不足なく支援を受けることのできる環境が維持できなくなってしまうとも述べています。これらの指摘はとても重要だと思います。現在、稲城市ではひと月で一千件を超えるケアプランが作成をされています。自己負担が導入されれば大きな影響がでるのではないでしょうか。
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 もう1つの問題は、要介護1・2の人の介護サービスの総合事業への移行です。これまでも要介護1・2の訪問介護のうち生活援助については総合事業に移すことが言われてきましたが、今回は要介護1・2の人の訪問介護と通所介護のサービス全体を総合事業に移すことを求めています。
 稲城市でいえば要介護1・2の人を合わせると700人を超えて、全体の利用者の6割以上を占めています。この人たちを一気に介護給付から総合事業に移していく、制度上は介護保険制度から外していくことになってしまいます。利用者の6割が介護保険サービスを使えない介護保険制度とは、制度として成り立っているのでしょうか。
 そもそも介護保険1・2の方を「軽度者」とひとくくりにする認識が間違っていると思います。私の知り合いにも要介護1や2の方がいらっしゃいます。それぞれ皆さん状況が異なっており、一定は自立した生活をされていますが家の中では車いすでないと生活できない方もいらっしゃいます。とても十把一絡げに「軽度者」とみなせる状況ではないのではないでしょうか。私はこれをそのまま進めてしまうのは、とても危険なものだと思います。
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 市も答弁で「必要な人が必要なサービスを利用できるように適切に対応していく」と答えました。国の圧力、財政上の課題、様々な状況があることは私も理解しています。しかし、だからこそ今回述べたような介護保険制度の土台が崩れしまうような負担増と給付制限は行うべきではないと考えます。
第9期計画については、これからも国の動きもありますし、市としても今年度と来年度の2年間かけて議論検討がされていきます。高齢者の生活と人権が守られる本来の介護保険制度にしていくために、これからもこの課題については取り上げていきます。


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