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稲城市9月市議会一般質問報告3~第四保育園民営化と市長の教育への姿勢~ [市議会]

一般質問の最後は、「都営大丸跡地の福祉利用(第四保育園民営化)」と「市長の教育に関する姿勢」について報告します。

5.都営大丸跡地の福祉利用で誰もが集える福祉のまちづくりについて
(1)大丸都営跡地の新保育園について
①新保育園の歳児別の定員について聞きます。
→0歳児が22人、1歳児および2歳児がそれぞれ30人、3歳児が46人、4歳児および5歳児がそれぞれ47人で合計222人を想定しています。
→現在の第四保育園の定員との差は0歳児が13人、1歳児が15人、2歳児が10人、3歳児が26人、4歳児および5歳児が22人、それぞれ増を想定しています。
②第4保育園で実施された保護者説明会で出された声について聞きます。
→8月3日と21日に開催した保護者説明会と意見募集で出された意見等につては、駐車場の設置や駐輪場の屋根の設置、主任保育士の人数増など、施設面や運営面に関する意見がありました。また、民営化の心配はないという意見もありました。
→今後は9月19日に保護者説明会を開催する予定です。
③「公募条件」と「民営化ガイドライン」の関係制について聞きます。
→民営化ガイドラインで事業者の選定方法や選定基準など民営化に向けての方向性を定め、これを基に公募要項で公募条件を詳細に定めるものです。
→8月3日と21日の保護者説明会にて「第四保育園民営化ガイドライン(案)」を基に保護者から意見を集約し、さらに9月19日に予定している保護者会でも意見を集約して作成する予定です。
(3)都営跡地の福祉利用について
①地域住民の声を聞いて、さらなる跡地利用として高齢者や障がい者(児)のための施設づくりを決断すべきと考えるが認識を聞きます。
→高齢者や障がい者のための福祉利用も含めた構想提案について、包括的な視点から庁内で検討し、東京都へ要望しています。
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現在の第四保育園

<解説>
 大丸都営跡地への新保育園建設に伴い、第四保育園の民営化について保護者説明会などが行われました。第四保育園の民営化については、7月30日のブログ記事にて紹介しましたが、さらに詳細が明らかになっています。
 第四保育園と大丸新保育園の定員の差は0歳が9人から2.4倍の22人、1歳と2歳は2倍に、3歳から5歳は1.8倍の定員数になります。4歳児と5歳児は47人です。小中学校の1クラス分よりも大きくなります。第四保育園の保護者や園児にとってはいきなり巨大な保育園に移行することになります。
 私の手元には、8月3日と21日に市が行った説明会で配られた資料があります。ここではこういった保護者の声が載っています。
「他の公立保育園の民営化と比べてスケジュールが短くないのか。選定までの時間が短いように感じる。いきなり説明会をして2週間で意見を募集、一か月あまりで公募開始とは保護者の意見を精査する時間が短い」
「200人越えの保育園を稲城市では運営していない。移管に問わず人数が多いことでのリスクの抽出と対応をまとめてほしい」
「いきなり200人超えはしてほしくない。段階をおって人数を増やすようにしてほしい」
「第四保育園のアットホームな雰囲気が好きなのでできる限り少人数の保育園にしてほしい」「説明会や懇談会の開催のお知らせから実施までの日数が少ない」
「クラスの人数について、40人で1クラスになるのか、20人で1クラスになるのかによっても、変わってくる。実際にどのような運営方法で行うか」 等々です。
 8月3日に配られた資料では今後のスケジュールについて、8月3日に保護者説明会、8月4日の土曜日に資料配布と意見募集、8月16日に意見を締切、8月21日に説明会。9月22日には近隣説明会を行って、9月下旬に公募を開始するというものです。つまり9月19日の説明会で民営化ガイドラインを決定して、公募に向けて段取りを取りたいということでしょう。
 今回の第四保育園の民営化についてですが、私はそのプロセスや内容に大きな問題があると考えています。
 問題点の1は、そもそも「民営化をしなくても、大丸都営跡地に新保育園を作ることはできる」ということです。都営跡地に作る新しい保育園については、東京都は「公募を行って民間の事業者を決定してください」と求めているだけです。現在の公立保育園を民営化することは条件にはふくまれていません。第四保育園を民営化しなくても、公募を行って新しい民間保育園を作れば東京都との関係ではなんの問題もありません。基本的に、「第四保育園の民営化」と「都営跡地の新保育園の建設」はまったく別物の話だということです。
 問題点の2は、「過去の保育園民営化、第一保育園や第二保育園に比べて保護者への説明が短すぎる」ということです。第2保育園の建替と民営化では、「2014年8月と9月に市からの説明会」「9月に保護者会内に園舎建設推進委員会設置」「10月に保護者会から市に要望書を提出」「12月に民営化ガイドライン作成懇談会を3回開催」「11月~12月に全保護者へ民営化ガイドラインの賛成反対を聞くアンケート実施」「翌年1月に民営化ガイドライン完成」という、約半年近い段取りを踏んで民営化について検討がされました。
 ところが、今回の第四保育園は「8月3日と21日に市から説明会」「9月下旬民営化ガイドライン完成」というほぼ1ヶ月半で決定をしようとしています。第二保育園は定員が約110人から民営化後150人になりましたが、第四保育園は112人が222人以上と2倍になります。たったこれだけの期間で議論で進めていいのでしょうか?
 そして問題点の3は、「第四保育園民営化の本当の理由はなんなのか?」ということです。第四保育園が民営化された後に、空になった園舎を第6保育園の園児が使うことが予定されています。第六保育園は建物の耐震が基準以下だということが以前から判明しており、建物の耐震工事を行う必要がある。工事期間中は第六保育園が使えないので、代わりに第四保育園の園舎を仮園舎にするという計画です。
手元にある東京都の資料よれば、2012年の時点で第六保育園の耐震基準がNGであることが、市に報告されていました。しかし、市は「市長判断により第六保育園の耐震工事を行う場合の工事中仮園舎費用を鑑みて建設実施せず」として、耐震工事を先送りしてきました。そして、今回の話です。
 たまたま第四保育園が空くので、渡りに船で第六保育園の仮園舎に使おうということではなくて、そもそも第六保育園の仮園舎として第四保育園を使いたいがために第四保育園を民営化してカラにする必要があったということではないでしょうか。実際に委員会答弁でも、第四保育園を仮園舎にすることで費用が安くなるという説明がされています。
 東京都は方針で2020年度中にすべての都所有の建物の耐震工事を終わらせることを決めています。そのためには、とうしでも第四保育園を2020年度にカラにしなくてはいけない。逆算すると、ここで公募を始めなければ民営化できなくなる。第六保育園の耐震工事のための仮園舎費用を出したくないために、なんとしても第四保育園を民営化し、園舎をカラにして第六保育園の仮園舎にすることが今回の大きな目的なのではないでしょうか。だからこそ、ここまで短期間で強引とも思えるやり方で民営化を実施させようとしているのではないでしょうか。とても園児や保護者、働いている職員の事を第一に考えたやり方とは私は思えません。
 日本共産党は基本的に公立施設の民営化については反対の立場です。しかし、同時に保護者の思いや考えなども大事にして、仮に民営化されるにしても丁寧な説明と対応を求めてきました。少なくとも第二保育園などは民営化されるまでの対応については、だいぶ気を使って丁寧に要望なども聞いてもらったと思います。
 しかし、今回の第四保育園の民営化については、これまでの民営化とは異質なやり方だと言わざるを得ません。あまりにも「期日ありき」で強引に進めようとしています。こういったやり方について私たちは断固反対です。待機児童対策として都営跡地に新保育園を建てるのはおおいに賛成です。どうぞ、第四保育園の民営化と切り離して作ってください。第六保育園の耐震工事については、仮園舎を建てるために東京都にも財政支援をお願いして、やはり第四保育園の民営化とは切り離して早急に工事を進めてください。今後、第四保育園の民営化問題については地域の皆さんや保護者の皆さんに情報提供をしながら、しっかりと声を集めていきたいと思います。


6.髙橋市長の教育に関する姿勢について
(1)「教育再生首長会議」の目指す目的や理念について聞きます。
→教育再生首長会議については、「教育再生こそ地域再生、日本再生の根本」という理念のもと、義務教育をあずかる基礎自治体が連携し、地域の特性を活かした教育施策を展開していくことを目的としております。
(2)市長が「教育再生首長会議」に参加する理由について聞きます。
→同会議の理念が私個人の考えと一致していることから、参加しています。
(3)政治による教育への介入は行うべきではないと考えるが市長の認識を聞きます。
→教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、市長は教育委員会と十分な意思疎通を図り、地域の教育の課題やあるべき姿を共有して、より一層民意を反映した教育行政の推進を図るものと認識しています。

<解説>
 髙橋市長が幹事の一人となっている教育再生首長会議について、会費が特定の教科書支援団体に使われていることが新聞報道で報じられるなど、組織の在り方や目的について疑念が生じています。こういった組織に参加をすべきではないという立場から質問しました。
〇教育再生首長会議の成り立ち
 教育再生首長会議は2014年6月に山口県防府市の松浦市長を会長にして設立されました。今年の6月4日現在で会員数131人、東京では6人の区長・市長が会員になっています。高橋市長は昨年度から会の運営側である幹事になっており、熱心に参加をしています。規約に明記されている事業内容は「1.教育基本法の理念・目標を実現するための事業」「2.ふるさと教育、偉人教育に関する調査研究」「3.先進的な教育の取り組み事例に関する調査研究」「4.道徳・歴史・公民教育に資する調査研究」「5.適正かつ公正な教科書採択に関する調査研究」「6.本会からの広く関係機関等への情報発信・政策提言」となっています。
〇教育再生首長会議の実態
 この間、教育再生首長会議の運営について新聞報道がされています。教育再生首長会議の会員から集められた会費の中から約1200万円のお金が日本教育再生機構という組織に事務局委託金という名目で支出されていたというのです。
 日本教育再生機構というのは2006年に「新しい歴史教科書をつくる会」が分裂してできた団体のひとつで、歴史教科書の育鵬社教科書の執筆者や編集関係者が役員として複数参加をしており、この育鵬社教科書の採択拡大を活動の柱に位置付けています。理事長は八木英次さんという大学教授で、安倍晋三首相の政策ブレーンとして知られています。
 この間、教育再生首長会議に首長が参加をしている自治体で公費の支出などについて情報が公開がされています。幸い高橋市長は私費で参加をされているようですが、例えば九州・沖縄地区から参加している21人の首長の皆さんは全員年会費等を公費から支出していました。そういった形で支出された公費が、教育再生首長会議を経由して、結果として特定の教科書採択を目指す団体に還流をしていたというわけです。そもそも、八木英次さんは教育再生首長会議の設立を目指す第1回準備会から参加をしていて、設立趣意書や規約の作成に密接に関わっています。この教育再生首長会議のそもそもの出発点や組織の在り様からしてちょっと通常とは違うという感じがします。
〇市長と教育委員会の在り方
 政治と教育の関わりがどうあるべきなのか、私たち政治に携わる者は本当に慎重にならなくてはいけないと思います。学校の課題などについて質問することもたくさんありますが、それは教育環境の問題として聞くのであって、学校運営や教育内容について質問するときは慎重に行うように心がけています。
 2012年に先ほど紹介した日本教育再生機構の地方組織である日本教育再生機構大坂がシンポジウムを開催し、八木英次さんを司会に安倍晋三さん~当時は民主党政権時代だったのでまだ自民党は野党でした~と、松井大坂府知事が対談をしています。教育再生機構ですから、育鵬社の教科書採択の拡大を目指す組織としてその進め方などについて議論する中で、安倍氏は「首長が教育について強い信念をもっていれば、その信念に基づいて教育委員を変えていくんですよ」「そうすればそういった教育委員によって育鵬社の採択ができる」と語っています。特定の教科書を採択させるために首長が自分の意に沿う教育委員を選べいいんだと、堂々と言っています。
 もう一点、昨年ある歴史の教科書を採択して私立の中学校に対して県議会議員や国会議員、自治体の首長なども含めた200枚以上の抗議のハガキが送り付けられたということが大きな話題になりました。中学校の校長はこれをふりかえって「政治的圧力と感じざる得ない」と見解を公表しています。そのハガキの差出人の中に、先ほど紹介した教育再生首長会議の初代会長で現在は顧問になっている山口県防府市の松浦市長もいるというのです。ちなみに当該の私立中学校は兵庫県にあります。山口県ではありませんが、なぜか松浦市長は実名で「防府市長」とか「教育再生首長会議会長」などの肩書をつけて送ったことが明らかになっています。報道番組のインタビューで松浦市長はこの教科書については「読んだことはなくて、見たことはある」「20~30通はおくった」「もし政治的圧力と感じたのならごめんなさいね」と話されています。
 教育再生首長会議について調べるとこういった話しが様々出てきます。市長が参加する団体として適切なのでしょうか。疑念を持たれるような組織には参加をすべきではないと思います。これからも、市長がどういった姿勢で教育にのぞんでいくのかを注視していきます。

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稲城市9月市議会一般質問報告2~地域猫活動とブロック塀~ [市議会]

稲城市議会一般質問の報告の2回目は「動物愛護と地域猫活動」と「危険なブロック塀の撤去」についてです。

3.猫や犬が大切にされる地域づくりについて
(1)「地域猫活動」の理解促進と支援について
①「地域猫」とそれを支援する活動について認識を聞きます。
→「地域猫」については、環境省のガイドラインにおいては「地域の理解と協力を得て、地域住民の認知と合意が得られている、特定の飼い主のいない猫」であるとされています。地域猫を支援する活動については「これ以上猫をふやさない」「エサやりによる迷惑を防止する」などを目的とした活動であると認識しています。
→これまでも飼い主のいない猫への無責任な餌やりやふん害についての苦情・相談が寄せられた際は、市内のボランティア団体と情報を共有しながら、職員が現場に出向いて飼養三原則のチラシを配布するなどの対策に努めています。地域猫活動も飼い主のいない猫対策の一つとして認識しています。
②市内における飼い主のいない猫への餌やり活動の現状と課題について聞きます。
→市で把握している餌やり活動の現状は、ボランティア団体が27か所で餌やりを実施していると聞いています。課題としては、住民の中には猫が嫌いな人やアレルギーで近寄れない人もいることから、地域の合意形成が困難な場合があることなどです。
→市の役割としては、これまでも苦情や相談が寄せられた際は、市内のボランティア団体と情報を共有しながら対策に努めています。
③近隣自治体で実施されている地域猫活動をするボランティア等の登録制度の概要について聞きます。
→飼い主のいない猫の世話をするボランティアグループの登録制度を実施し、登録グループに対して行政が支援を行うとともに、地域の猫問題について、行政とグループが協力しながら対応している事例などがあると聞いています。
→飼い主のいない猫については、適切な管理を行うことにより、自然と猫が減少していくとされています。このことから、地域特性を踏まえた上で登録制度だけでなく、様々な手法について他自治体の先進事例なども参考に研究していきます。
→すでに市では、無責任な餌やりやふん害などについての苦情・相談が寄せられた際は、市内のボランティア団体と情報を共有しながら、対応しているところです。
④「地域猫活動」の市民理解を広げ、啓発していくことについて認識を聞きます。
→「地域猫活動」については、将来的に飼い主のいない猫をなくしていくための取り組みであり、市としては飼い主が責任ある飼い方をする終生飼養の理解を進めていくことが大切であると考えており、引き続き飼養三原則について啓発していきます。
→具体的な取り組みについては、市ホームページやチラシ等により周知を行っているほか、市内のペットショップに協力してもらい、新たにペットを購入される方に終生飼養や飼養三原則が記載されたリーフレットを配布してもらっています。
<解説>
 これまでも、飼い主のいない猫と地域が共生できる街づくりを求めてきました。市としてより一層の支援を求めるとともに、高齢の飼い主に対する施策の実施を求める立場から質問しました。
 地域猫活動のボランティア登録制度の根幹は、登録したボランティアに対して行政が支援をしながら、一緒に協力しながら対応をしていくということです。適切な餌やりを行うことで、結果として猫が減少していくことになります。そうすることで、それこそ猫が苦手な人にとってもプラスな状況が生まれるわけです。そういう意味では適切な餌やり、つまり地域猫活動を行う人たちを市が支援し、一緒に協力をしていくということがとても重要になってくるのではないでしょうか。
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※川崎市のサポーター登録制度のパンフレット

 これまでのやり取りで、現在の市の立場は「ボランティア団体と情報共有をする」ということまでは実施しますが、「ボランティアの人たちと一緒に協力して活動を進める」とか「支援をする」という立場にはまだなっていないわけです。ここに矛盾が出てきています。以前は情報共有もなかなかできていなかったから、その頃に比べれば一定の前進はしています。しかし、情報の共有はしていても、実際に物事を進める段になるとギャップが生まれています。
 この間、餌やりや避妊・去勢のための猫の保護に関して地域住民とボランティア団体との間でトラブルが起きる事例が何件か起きています。私自身も関りをもった事例もあります。そういった時に市がどういう対応をするのか、どちらの立場につくのかが、今問われています。
 私が関わった事例でも住民の人の方が飼養3原則を無視していて、飼い猫に避妊や去勢の手術をしないで自由に放し飼いにしていました。結果としてその猫が、地域の野良猫と交配して子猫が生まれて、その地域の中で飼い主のいない猫が増えてしまっています。ボランティアの皆さんが猫を保護して避妊や去勢手術をしようとしたら、それに対して暴言を浴びせたり暴力的な行為にまでおよんで妨害したりした事例です。
 明らかに動物愛護法にも、東京都動物愛護管理推進計画にも外れた行為です。本来であればこういった人には市として毅然と対応をしてほしいわけです。現在の社会状況と法や指針が求める内容を説明して、「あなたの飼い方はまちがっていますよ」と言ってほしいわけです。ところが、現場でそれが言えません。なぜなら、市としての基本的な指針が定められていないからです。飼養三原則についてもあくまでも「お願い」という立場で、要請や指導という立場でものが言えないわけです。そうすると、いざトラブルが起きても中立的な立場となってしまい、本来のあるべき形としての解決がされないわけです。
 ボランティア団体の人からは「いろいろ情報共有をしていて、こちらが目指す方向や内容についてよくわかっているはずなのに、いざトラブルになると我々の味方をまったくしてくれない」と逆に不信が増してしまっています。これは現場の職員の問題ではありません。現場の職員のみなさんは置かれた立場の中でがんばってくれていますが、上の方で指針や行動規範が定まっていないものだから、よく言えば「中立的」悪く言えば「どっちつかず」みたいな対応にならざるを得なくなってしまうんです。
 ボランティア団体のみなさんは必死です。一匹でも不幸な猫を増やしたくない、地域の中で猫が邪魔者扱いされて虐待みたいなことは絶対起こしたくない。だから、一匹一匹猫を捕まえてカンパでお金出し合って手術もして、なるべく地域に迷惑の掛からないように対策を取ろうとしている。日中なんか捕まえられないから、夜の8時とか9時とかにわざわざ現場に出向いて地道に猫を保護しているんです。そういった皆さんを、応援していく、協力していくという立場に市は立ってほしいわけです。
 市は、基本は飼養三原則の啓発だけという立場です。もう論点は明らかです。飼養三原則だけでは、現在すでに存在している飼い主のいない猫を取り巻く問題については対応できません。動物愛護法および東京都ハルスプランに基づいて、市が飼い主のいない猫を地域猫にしていくための活動指針を定めること、それが今後の進むべき方法です。そろそろ現場任せにしないで、上が決断すべき時です。次回は、近隣市の実態を調べて具体的に提案をしていきたいと思います。今後もこの問題に取り組んでいきたいと思います。

(2)高齢者の飼い主への援助について
①猫や犬などの「多頭飼育崩壊」について認識を聞きます。
→飼い猫や飼い犬が多量に繁殖して、飼育できなくなることについては、不妊去勢手術を実施していないことや、繁殖の知識が飼い主にないことなどから、飼育当初は数匹であったものが多量に繁殖することによるものです。
→市内においては平成29年に1件、個人宅で猫が多量に繁殖しているのではないかと相談がありましたが、多頭飼育により飼育できなくなっている状態ではないということを確認しています。
②高齢者が入院等の理由で猫や犬の飼育困難な事例が起きていることについて認識を聞きます。
→高齢者の入院等に伴い、猫や犬が飼育できなくなったという事例については、調べられる範囲では平成30年度に相談が1件ありました。
→こういった飼育困難を未然に防げるよう、飼い主の責任において新しい飼い主を自分で探すことについても啓発していきます。
③飼育崩壊や飼育困難を防ぐための取り組みについて認識を聞きます。
→市ホームページにて周知しています。また、毎年開催している犬の飼い方講習会で避妊去勢手術についてお勧めをしています。
→稲城市はこれまで個々の状況に応じ、健康課と環境課が連携しあい、市内の動物愛護団体とも連携を図りながら対応ができている状況であり、特に多頭飼育崩壊による問題は発生していません。今後も引き続き現状の対応を継続していきます。

<解説>
 市内で猫や犬の多頭飼育崩壊についての具体的な問題は、今のところ発生していないということです。この間、ニュースなどでは愛知県名古屋市で相当深刻な多頭飼育崩壊が発生して、行政が介入をしたという事が報道されました。実はお隣の多摩市でもそれに近いような状況が起きているようで、知り合いのボランティア団体の人が関わっています。どこでも起こりうる可能性があるし、一度起きてしまうと解決のために多大なコストが必要になります。未然に防ぐことが最大の解決策です。
 今後ポイントとなるのは健康課と環境課だけではなく、そこに高齢者福祉部門を加える必要があることです。多くの飼育崩壊や飼育困難の事例を見ると、かなりの割合で高齢者が飼い主とのことです。
 犬は最低限の登録制度はありますが、猫はありません。高齢者で猫を飼っていて、将来的に飼育困難な状況になりそうかどうかは、介護職の皆さんが一番わかっているはずです。そういった情報なども組み合わせながら、飼育崩壊や飼育困難を未然に防いでいく。その仕組みづくりを今後作っていく必要があるのではないでしょうか。
 この問題についても、他市の事例を調べながら具体的に今後具体的に提起をしていきたいと思います。引き続き、猫や犬が大切にされる地域づくりについて取り上げていきたいと思います。


4.危険なブロック塀の撤去による安全なまちづくりの推進について
(1)公共施設のブロック塀について
①6月21日の調査で判明した公共施設のブロック塀の精査状況について聞きます。
→対策が必要なブロック塀は5か所で、対策が必要な万年塀は3か所です。
(2)民有地のブロック塀について
①民有地のブロック塀の調査状況について聞きます。
→9月末までに市内全域の道路等に面した1.2メートルを超えるブロック塀等を対象に調査を実施しています。
→調査が終了して集計を行った結果、目視確認で危険と思われるブロック塀等がある場合、痛ましい事故を防ぐために、再度、ブロック塀等の関係者へ専門家による点検を受けるようにお願いをします。
②ブロック塀の撤去等に関する補助制度の内容について聞きます。
→補助制度の内容は、生垣の造成に必要な経費の一部を補助することにより、接道部の緑化を推進するとともに、ブロック塀等の倒壊による災害の発生を防止することを目的にした補助を実施しています。この補助制度は、ブロック塀等の撤去だけの場合は補助の対象外となります。
→補助制度の活用状況は平成25年度は5件、平成26年度は2件、平成27年度は0件、平成28年度は2件、平成29年度は4件となっています。
→補助制度の対象の拡大や新たな補助制度の実施については、他市の事例なども調べながら研究していきます。

<解説>
 大坂北部地震の発生を受けて、全国で危険なブロック塀の調査と撤去が行われています。当市でも市内公共施設におけるブッロク塀の状況について調査がされました。民有地も含めた早急な安全対策の実施で、安全で安心な街づくりの実施を求める立場から質問しました。
 公共施設のブロック塀だけではなく、民有地のブロック塀の調査については行われています。実際に旧鶴川街道の周辺地域や根方地域などでは、昔ながらのブロック塀が残っています。子どもたちが通学路として使う歩道に面したブロック塀でもひび割れていたり、欠けていたりする物があります。
 現在、市にある補助制度はあくまでも「接道部の緑化のための生垣造成」に補助がされるというものです。決して使い勝手がいいものではなく、実際に毎年2件とか4件としか使われていません。これをもっと使いやすい補助制度にしていく必要があるのではないでしょうか。都内の自治体でも、ブロック塀の撤去や安全な塀への建て替えに対して補助制度を新たに作る自治体が増えています。安全な街をつくり、安全な通学路を作っていくために、危険なブロック塀の建て替え補助の拡充についてこれからも求めていきます。


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