SSブログ

稲城市9月市議会一般質問報告2~地域猫活動とブロック塀~ [市議会]

稲城市議会一般質問の報告の2回目は「動物愛護と地域猫活動」と「危険なブロック塀の撤去」についてです。

3.猫や犬が大切にされる地域づくりについて
(1)「地域猫活動」の理解促進と支援について
①「地域猫」とそれを支援する活動について認識を聞きます。
→「地域猫」については、環境省のガイドラインにおいては「地域の理解と協力を得て、地域住民の認知と合意が得られている、特定の飼い主のいない猫」であるとされています。地域猫を支援する活動については「これ以上猫をふやさない」「エサやりによる迷惑を防止する」などを目的とした活動であると認識しています。
→これまでも飼い主のいない猫への無責任な餌やりやふん害についての苦情・相談が寄せられた際は、市内のボランティア団体と情報を共有しながら、職員が現場に出向いて飼養三原則のチラシを配布するなどの対策に努めています。地域猫活動も飼い主のいない猫対策の一つとして認識しています。
②市内における飼い主のいない猫への餌やり活動の現状と課題について聞きます。
→市で把握している餌やり活動の現状は、ボランティア団体が27か所で餌やりを実施していると聞いています。課題としては、住民の中には猫が嫌いな人やアレルギーで近寄れない人もいることから、地域の合意形成が困難な場合があることなどです。
→市の役割としては、これまでも苦情や相談が寄せられた際は、市内のボランティア団体と情報を共有しながら対策に努めています。
③近隣自治体で実施されている地域猫活動をするボランティア等の登録制度の概要について聞きます。
→飼い主のいない猫の世話をするボランティアグループの登録制度を実施し、登録グループに対して行政が支援を行うとともに、地域の猫問題について、行政とグループが協力しながら対応している事例などがあると聞いています。
→飼い主のいない猫については、適切な管理を行うことにより、自然と猫が減少していくとされています。このことから、地域特性を踏まえた上で登録制度だけでなく、様々な手法について他自治体の先進事例なども参考に研究していきます。
→すでに市では、無責任な餌やりやふん害などについての苦情・相談が寄せられた際は、市内のボランティア団体と情報を共有しながら、対応しているところです。
④「地域猫活動」の市民理解を広げ、啓発していくことについて認識を聞きます。
→「地域猫活動」については、将来的に飼い主のいない猫をなくしていくための取り組みであり、市としては飼い主が責任ある飼い方をする終生飼養の理解を進めていくことが大切であると考えており、引き続き飼養三原則について啓発していきます。
→具体的な取り組みについては、市ホームページやチラシ等により周知を行っているほか、市内のペットショップに協力してもらい、新たにペットを購入される方に終生飼養や飼養三原則が記載されたリーフレットを配布してもらっています。
<解説>
 これまでも、飼い主のいない猫と地域が共生できる街づくりを求めてきました。市としてより一層の支援を求めるとともに、高齢の飼い主に対する施策の実施を求める立場から質問しました。
 地域猫活動のボランティア登録制度の根幹は、登録したボランティアに対して行政が支援をしながら、一緒に協力しながら対応をしていくということです。適切な餌やりを行うことで、結果として猫が減少していくことになります。そうすることで、それこそ猫が苦手な人にとってもプラスな状況が生まれるわけです。そういう意味では適切な餌やり、つまり地域猫活動を行う人たちを市が支援し、一緒に協力をしていくということがとても重要になってくるのではないでしょうか。
img184.jpg
※川崎市のサポーター登録制度のパンフレット

 これまでのやり取りで、現在の市の立場は「ボランティア団体と情報共有をする」ということまでは実施しますが、「ボランティアの人たちと一緒に協力して活動を進める」とか「支援をする」という立場にはまだなっていないわけです。ここに矛盾が出てきています。以前は情報共有もなかなかできていなかったから、その頃に比べれば一定の前進はしています。しかし、情報の共有はしていても、実際に物事を進める段になるとギャップが生まれています。
 この間、餌やりや避妊・去勢のための猫の保護に関して地域住民とボランティア団体との間でトラブルが起きる事例が何件か起きています。私自身も関りをもった事例もあります。そういった時に市がどういう対応をするのか、どちらの立場につくのかが、今問われています。
 私が関わった事例でも住民の人の方が飼養3原則を無視していて、飼い猫に避妊や去勢の手術をしないで自由に放し飼いにしていました。結果としてその猫が、地域の野良猫と交配して子猫が生まれて、その地域の中で飼い主のいない猫が増えてしまっています。ボランティアの皆さんが猫を保護して避妊や去勢手術をしようとしたら、それに対して暴言を浴びせたり暴力的な行為にまでおよんで妨害したりした事例です。
 明らかに動物愛護法にも、東京都動物愛護管理推進計画にも外れた行為です。本来であればこういった人には市として毅然と対応をしてほしいわけです。現在の社会状況と法や指針が求める内容を説明して、「あなたの飼い方はまちがっていますよ」と言ってほしいわけです。ところが、現場でそれが言えません。なぜなら、市としての基本的な指針が定められていないからです。飼養三原則についてもあくまでも「お願い」という立場で、要請や指導という立場でものが言えないわけです。そうすると、いざトラブルが起きても中立的な立場となってしまい、本来のあるべき形としての解決がされないわけです。
 ボランティア団体の人からは「いろいろ情報共有をしていて、こちらが目指す方向や内容についてよくわかっているはずなのに、いざトラブルになると我々の味方をまったくしてくれない」と逆に不信が増してしまっています。これは現場の職員の問題ではありません。現場の職員のみなさんは置かれた立場の中でがんばってくれていますが、上の方で指針や行動規範が定まっていないものだから、よく言えば「中立的」悪く言えば「どっちつかず」みたいな対応にならざるを得なくなってしまうんです。
 ボランティア団体のみなさんは必死です。一匹でも不幸な猫を増やしたくない、地域の中で猫が邪魔者扱いされて虐待みたいなことは絶対起こしたくない。だから、一匹一匹猫を捕まえてカンパでお金出し合って手術もして、なるべく地域に迷惑の掛からないように対策を取ろうとしている。日中なんか捕まえられないから、夜の8時とか9時とかにわざわざ現場に出向いて地道に猫を保護しているんです。そういった皆さんを、応援していく、協力していくという立場に市は立ってほしいわけです。
 市は、基本は飼養三原則の啓発だけという立場です。もう論点は明らかです。飼養三原則だけでは、現在すでに存在している飼い主のいない猫を取り巻く問題については対応できません。動物愛護法および東京都ハルスプランに基づいて、市が飼い主のいない猫を地域猫にしていくための活動指針を定めること、それが今後の進むべき方法です。そろそろ現場任せにしないで、上が決断すべき時です。次回は、近隣市の実態を調べて具体的に提案をしていきたいと思います。今後もこの問題に取り組んでいきたいと思います。

(2)高齢者の飼い主への援助について
①猫や犬などの「多頭飼育崩壊」について認識を聞きます。
→飼い猫や飼い犬が多量に繁殖して、飼育できなくなることについては、不妊去勢手術を実施していないことや、繁殖の知識が飼い主にないことなどから、飼育当初は数匹であったものが多量に繁殖することによるものです。
→市内においては平成29年に1件、個人宅で猫が多量に繁殖しているのではないかと相談がありましたが、多頭飼育により飼育できなくなっている状態ではないということを確認しています。
②高齢者が入院等の理由で猫や犬の飼育困難な事例が起きていることについて認識を聞きます。
→高齢者の入院等に伴い、猫や犬が飼育できなくなったという事例については、調べられる範囲では平成30年度に相談が1件ありました。
→こういった飼育困難を未然に防げるよう、飼い主の責任において新しい飼い主を自分で探すことについても啓発していきます。
③飼育崩壊や飼育困難を防ぐための取り組みについて認識を聞きます。
→市ホームページにて周知しています。また、毎年開催している犬の飼い方講習会で避妊去勢手術についてお勧めをしています。
→稲城市はこれまで個々の状況に応じ、健康課と環境課が連携しあい、市内の動物愛護団体とも連携を図りながら対応ができている状況であり、特に多頭飼育崩壊による問題は発生していません。今後も引き続き現状の対応を継続していきます。

<解説>
 市内で猫や犬の多頭飼育崩壊についての具体的な問題は、今のところ発生していないということです。この間、ニュースなどでは愛知県名古屋市で相当深刻な多頭飼育崩壊が発生して、行政が介入をしたという事が報道されました。実はお隣の多摩市でもそれに近いような状況が起きているようで、知り合いのボランティア団体の人が関わっています。どこでも起こりうる可能性があるし、一度起きてしまうと解決のために多大なコストが必要になります。未然に防ぐことが最大の解決策です。
 今後ポイントとなるのは健康課と環境課だけではなく、そこに高齢者福祉部門を加える必要があることです。多くの飼育崩壊や飼育困難の事例を見ると、かなりの割合で高齢者が飼い主とのことです。
 犬は最低限の登録制度はありますが、猫はありません。高齢者で猫を飼っていて、将来的に飼育困難な状況になりそうかどうかは、介護職の皆さんが一番わかっているはずです。そういった情報なども組み合わせながら、飼育崩壊や飼育困難を未然に防いでいく。その仕組みづくりを今後作っていく必要があるのではないでしょうか。
 この問題についても、他市の事例を調べながら具体的に今後具体的に提起をしていきたいと思います。引き続き、猫や犬が大切にされる地域づくりについて取り上げていきたいと思います。


4.危険なブロック塀の撤去による安全なまちづくりの推進について
(1)公共施設のブロック塀について
①6月21日の調査で判明した公共施設のブロック塀の精査状況について聞きます。
→対策が必要なブロック塀は5か所で、対策が必要な万年塀は3か所です。
(2)民有地のブロック塀について
①民有地のブロック塀の調査状況について聞きます。
→9月末までに市内全域の道路等に面した1.2メートルを超えるブロック塀等を対象に調査を実施しています。
→調査が終了して集計を行った結果、目視確認で危険と思われるブロック塀等がある場合、痛ましい事故を防ぐために、再度、ブロック塀等の関係者へ専門家による点検を受けるようにお願いをします。
②ブロック塀の撤去等に関する補助制度の内容について聞きます。
→補助制度の内容は、生垣の造成に必要な経費の一部を補助することにより、接道部の緑化を推進するとともに、ブロック塀等の倒壊による災害の発生を防止することを目的にした補助を実施しています。この補助制度は、ブロック塀等の撤去だけの場合は補助の対象外となります。
→補助制度の活用状況は平成25年度は5件、平成26年度は2件、平成27年度は0件、平成28年度は2件、平成29年度は4件となっています。
→補助制度の対象の拡大や新たな補助制度の実施については、他市の事例なども調べながら研究していきます。

<解説>
 大坂北部地震の発生を受けて、全国で危険なブロック塀の調査と撤去が行われています。当市でも市内公共施設におけるブッロク塀の状況について調査がされました。民有地も含めた早急な安全対策の実施で、安全で安心な街づくりの実施を求める立場から質問しました。
 公共施設のブロック塀だけではなく、民有地のブロック塀の調査については行われています。実際に旧鶴川街道の周辺地域や根方地域などでは、昔ながらのブロック塀が残っています。子どもたちが通学路として使う歩道に面したブロック塀でもひび割れていたり、欠けていたりする物があります。
 現在、市にある補助制度はあくまでも「接道部の緑化のための生垣造成」に補助がされるというものです。決して使い勝手がいいものではなく、実際に毎年2件とか4件としか使われていません。これをもっと使いやすい補助制度にしていく必要があるのではないでしょうか。都内の自治体でも、ブロック塀の撤去や安全な塀への建て替えに対して補助制度を新たに作る自治体が増えています。安全な街をつくり、安全な通学路を作っていくために、危険なブロック塀の建て替え補助の拡充についてこれからも求めていきます。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:地域

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。