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稲城市議会12月議会総務委員会報告~公共料金値上げと市役所駐車場有料化~ [市議会]

 昨日、市議会総務委員会が開かれました。今議会に提案されている「使用料・利用料の見直し」について、総務委員会が担当する項目について審議を行いました。特に大議論になった「手数料の値上げ」と「市役所駐車場の有料化」について報告します。

〇公共料金値上げの一覧
 前提として、未だに市は値上げとなる項目の詳細を市民に対して提示をしていません。
 そこで、市から提出を受けた一覧表を掲載します。紙の資料をスキャナしたので、少し見づらくて申し訳ありません。同じ物をPDFデータにもしましたので、それを期間限定でダウンロードできるようにもしました。
 これを見ると日常生活や文化、スポーツ活動など広範囲な市民生活に関わってくる値上げだという事がよくわかります。
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※「公民館」「iプラザ」「生活文化施設」関係

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※「スポーツ施設」関係

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※「住民票の写し」「ゴミ袋」「病院の各種費用」関係

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※「城山体験学習館」「地域振興プラザ「健康プラザ」関係

「値上げ項目一覧」のダウンロードはここから。(外部サイトです)

〇「手数料条例」の見直しについて
Q今回の使用料・手数料の見直しや値上げについてはいつごろから検討してきたのか?
→H30年度(2018年度)の当初から検討を始めて、全庁的に時間をかけて議論してきました。
Q2018年4月から見直しを検討していたという事は、今年(2019年)の4月の選挙の時には市長は分かっていたはず。市長は選挙の時に公約として明らかにしているのか?
→どのチラシに書いてあるのかは特定できませんが、選挙の時にも見直しについて言っています。
Q他市では「行革計画」をつくり、その中に具体的な項目や内容などを記載して、値上げをするにしても計画的に値上げをしている。稲城市はそうしないのか?
→10月29日の総務委員会で報告をして、パブリックコメントなども募集しながら検討してきました。
Qそれぞれの値上げ内容は何を見れば分かるのか?
→各議員に配布している「議案関係資料」に条例の新旧対照表があるので、それを見てもらえればわかります。
Q今回の値上げによって行政サービスが向上したり、施設の改修につながったりしますか?
→今回の見直しは持続的な行政運営のために行われるものであり、施設改修等の直接のサービス向上を目的に行われるものではありません。
Q市のホームページでも未だに値上げの全容が明らかになっていない。保育園の給食費の時は議会開会中だったのに、ホームページに説明文を載せていた。同じように説明をすべきではないか?
→まずは市議会で説明して可決をされたのちに、4月の実施に向けて市民に説明をしていきます。
Q値上げに伴う、市財政への影響は?
→使用料と手数料の見直しがすべて行われると仮定すると、年間で約1億6千万円の増収となります。
Q消費税が10月から増税されており、更なる値上げは市民生活への負担となるのではないか。影響についてどのように考えるのか?
→政府の景気判断も「緩やかな回復」が維持されている、大きな影響はないと考える。

<解説>
 条例そのものは「住民票の写し交付」などの際の手数料の値上げでしたが、市政を全体を見る総務委員会であり、答弁したのが今回の使用料・手数料の見直しを担当した企画部企画政策課だったこともあり、見直し全体の内容について質疑をしました。
 ポイントは、市が説明責任を果たしているのか?ということです。質疑で明らかになったのは、市は1年以上前から見直しを検討していたということです。内部では「時間をかけて検討した」といいながら、実際に市民に説明する番になると慌ただしい12月の議会に出して、残り3ヶ月で説明をするといっています。
 しかも、今年は選挙があった年です。市長は選挙の時に、堂々と公約に掲げて市民に説明をする責任があったはずです。「選挙で説明をしたのか?」という私の質問に対して、担当課長が「自分の記憶では話しをしていた」と答弁しました。しかし、市長選挙の選挙公報を見ると、「使用料・手数料の見直し」という文言は一言もありません。市長の選挙の内容ややり方について市議会で議論するものではありませんが、しかし選挙の1年も前から実質値上げになる計画を検討しておきながら、大事な選挙の時に一番市民の目に触れる選挙公報にまったく記載をしていないというのは、現職の市長の選挙に臨む姿勢としてはいかがなものかと言わざるを得ません。
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※2019年4月市長選挙の選挙公報

 また個々の値上げ項目の詳細について、本会議でも一度も説明をしていません。初日の議案説明の時も大雑把な理由や内容は言いましたが、詳細はまったく議事録に載せようとしていない。もし、委員会の中で「住民票の写しは何円から、何円になるのですか?」「課税証明書は何円から、何円になるのですか?」と聞かなければ、一切説明しないで終わる可能性もあったわけです。そういった点を取っても、説明責任についてはとても後ろ向きな姿勢であることは明らかです。
 もう一点は、今回の値上げは様々な行政サービスの向上に直接結びつくものではないということです。例えばテニスコートや総合体育館、iプラザ会議室などの値上げについて、人によっては「値上げになっても、施設がきれいになったりするのなら賛成」という方もいます。それは、当然の意見だと思います。ところが、私の質問に対する答弁は「今回の見直しは、施設やサービスの向上を直接目的にしたものではない」とはっきり言っています。「テニスコートのボロボロなベンチをなんとかしてほしい」「公民館の破れている椅子やガタガタの机を交換してほしい」と思っている市民の声には、答えるものではないということです。そういった点からも、今回の値上げは拙速に行うべきものではないということが明らかになったのではないでしょうか。


〇「駐車場管理条例」の見直しについて
Q市役所駐車場の有料化の内容、実施時期は?
→現在、駐車場として使用している市役所駐車場1~3までについて入口と出口にゲートと発券機を設置して、駐車料を徴収します。「空・満」が分かる電光掲示板なども設置します。金額は他の駐車場と同じく、1時間無料・1時間~2時間200円・2時間以降は1時間毎に100円です。工事は2020年度中に実施して、工事終了後に駐車料金の徴収を始めます。
Q機械設置による各種経費と駐車料金の概算、赤字の可能性は?
→機械のリース代、維持費、人の配置などにより年間経費は約1800万円になります。駐車料金は想定として年間約900万円を見込んでいます。差し引きすると、約900万円の維持経費がかかります。
Q有料化すると900万円も赤字持ち出しになるのに、有料化をする理由は?
→受益者負担の適正化、駐車場利用の適正化などのために行います。
Q市役所駐車場は公民館利用者が多く使っているが、公民館運営審議会など公民館利用者に説明はしたのか?今後は説明するのか?
→市役所駐車場は様々な個人や団体が利用をしているので、個別の団体に対して特別に説明することは考えていません。利用者に対して丁寧に説明していきます。
Q公民館利用者に無料時間の延長や免除などはするのか?
→実施する予定はありません。
Q現在、駐車場の無料時間の延長を行っている場所はあるのか?その理由は?
→総合体育館のレストラン利用者に対しては通常の1時間無料にプラスして1時間無料券を配っています。理由として、レストランを利用するには長い時間が必要になるからです。

<解説>
 駐車場有料化の最大のポイントは「何のために有料化をするのか?」「公民館利用者はどうするのか?」ということです。質疑の中で分かったのが、有料化のために機械を設置すると年間1800万円のランニングコストがかかって、想定の駐車料金900万円では賄いきれず、毎年900万円の赤字になるという事です。(市民クラブのいそむら議員の質問でわかったことです。この角度の質問は考えていなかったので、とても助かりました!)
 これはとんでもない話です。市民に対して総額1億を超える値上げをお願いしようとしているのに、その一方で駐車場を有料化したら900万円の赤字になるという。何のために有料化をするのか?赤字になるくらいなら、有料化なんかする必要がまったくないのではないでしょうか。
 そして、もう一点は公民館利用者への対応です。市役所駐車場は公民館の施設やホールの利用者が多く利用しているのは、今さら議論するまでもありません。それなのに、そういった状況をまったく考慮しないで、「特別扱いはしない」という姿勢は大変問題があるのではないでしょうか。しかも、総合体育館のレストラン利用者に対しては、特別に1時間無料券を配っているという事です。
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※レストラン利用者に配られる駐車場無料券

 レストラン利用者が「長い時間が必要になる」という理由は最もなものです。それでは、公民館利用者はどうなるのでしょうか?これでは、とうてい説明がつきません。これからも市役所駐車場有料化そのものの矛盾を明らかにしながら、公民館利用者への丁寧な説明と対応を求めていきます。

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