SSブログ

稲城市議会6月議会一般質問報告2~保育の無償化・iバス改善~ [市議会]

市議会一般質問の報告の2回目は、「保育の無償化」と「iバスの充実」について報告します。

4.子どもたちが大切にされる保育の実現について
(1)保育の無償化の状況について
①市内で無償化の対象となる施設の種類とそれぞれの施設数および施設別の対象者数について聞きます。
→対象施設は認可保育所が17施設、家庭的保育事業が5施設、認定こども園が3施設、認証保育所が5施設、現行制度幼稚園が5施設、企業主導型保育事業が2施設、ファミリー・サポート・センターが1施設、病児保育事業が2施設です。
→保育事業の利用者数と無償化対象者数は以下の表の通りです。
060901.jpg
②認可外保育施設の無償化対象範囲について聞きます。
→認可保育所と同じです。
→認証保育所や企業主導型保育事業の指導監督権限は都道府県となっています。市は東京都の指導監督へ同行したり、子育て支援コーディネーターが施設巡回を行って保育内容について指導しています。
(2)認可保育園での給食費について
①給食費実費徴収の内容と対象者数について聞きます。
→3歳児クラス以上から月額で主食費3000円以内、副食費4500円以内を実費徴収するものです。生活保護世帯、市民税非課税世帯、ひとり親世帯や第3子以降の子は実費徴収の免除対象となります。対象者数は4月1日時点で955人を見込んでいます。
②公立保育園と私立保育園での対応や徴収方法について聞きます。
→公立保育園園長会と私立保育園園長会で調整中ですが、徴収方法は各園にて利用者から直接徴収となります。
→給食費は食材料費の実費徴収となり、市が施設に代わって徴収することは法令上困難です。
③子どもの成長に必要な保育の一つである給食については、これまで通り無償で行うべきと考えますが、認識を聞きます。
→給食費については、在宅で子育てをする場合でも生じる費用であり、私立幼稚園でも実費徴収を行っていることから、保護者が負担することが原則であり、幼児教育・保育の無償化においても、この考え方を維持していくものであると認識しています。
→子ども子育て支援計画の中では保育所での食育について、「保育所では給食等の提供を通じて、子どもや家庭への食育に関するさまざまな取り組みを進めています。子どもたちが野菜の栽培や調理を経験することにより、食に対する興味を深め、地場農産物を給食に取り入れるなど食育指導に努めます」と述べています。

<解説>
 2019年10月から幼児教育・保育の「無償化」が予定をされています。しかし、保育料の無償化は一部にとどまり、給食費の実費徴収による保育現場の更なる負担増や混乱も懸念されています。なによりも、子どもたちが大切にされる保育の実現を求める立場から質問しました。
 幼児教育と保育の無償化の対象となる施設数は40施設、人数は約2400人ということです。しかし、実際に無償化になる人数は認可保育所と認定こども園では利用者の約半分、認証や企業主導可型では無償となる数は利用者の3割にも届きません。今回の幼児教育・保育無償化の対象は原則3歳児以上となっていて、0歳から2歳児は住民税非課税世帯のみが対象です。低年齢児が多く利用している認証保育所や企業主導型では多くの人が対象外となってしまいます。
 そもそも、なぜこんな風に中途半端に年齢で区切る必要があるのでしょうか。幼稚園も保育所も一律全年齢を対象に無償化するべきです。0歳~2歳の人の中でも無償化になる人とならない人がでてしまう。認可保育所を希望したけれど入れなかったために認証保育所を利用している0歳から2歳の保護者にすれば、認可保育園に入れないし、無償にはならなくて高い保育料を負担し続けなくてはならないし、さらに消費税10%の負担も負わされる。まったく恩恵が受けられない状況です。
 日本共産党はいま「暮らしに希望を-日本共産党の3つの提案」というものを行っています。その中で、「お金の心配なく、学び、子育てができる社会を」作ろうと呼びかけています。そして、「『幼児教育・保育の無償化』を消費税に頼らず実施します。認可保育所を30万人分新たに増設し、保育水準を確保しながら待機児童を解消」することを約束しています。これこそが、今求められている本当の幼児教育・保育の無償の姿ではないでしょか。
060903.jpg
※日本共産党の3つの提案

 また、今回の無償化の課題のひとつとして認可外保育施設もすべての施設が対象となったことです。認可保育園については明確な保育基準が定められて、指導監督についても一定の形で行われています。しかし、認可外施設は指導監督の責任は東京都にあり、実際に何かあっても市が責任を持てない施設です。厚生労働省の統計でも重大事故については認可外保育施設の方が多い傾向が出されています。こういった認可外施設でも質や安全性がちゃんと維持をされていく、そして認可保育園を増やして、無償で認可保育園に入れる子どもを増やしていくことが重要ではないでしょうか。
 そして、今回の保育料無償化と引き換えに、保育園では給食費の実費徴収が行われます。これまでは市の補助が出ていたり、そもそも保育単価に含まれていた給食費を、それだけ抜き出してわざわざ実費徴収をさせようとしています。これまでの保育料は市が一括して徴収をしていましたが、そこからも大きく後退して各園でそれぞれ徴収をするようにとなっています。給食費だけをわざわざ抜き出して徴収させることの是非や、人手不足や業務過多で悲鳴をあげている保育現場にさらなる負担をもたらすなど、これは大きな問題を含んでいます。
 給食費の各園での実費徴収が、人手不足で苦しむ保育園現場の中でさらなる職員の負担増になるのではないかという質問に対して、市はそれについてはストレートに答えず、それはそれとして各園で対応してもらいますという答えです。実際に私立保育園の園長先生などにお話しを聞くと「とんでもない」「本当に止めてほしい」という声ばかりです。今の保育の公定価格では事務員の人件費の10分の1も賄えていない。その中で、事務量ばかりがどんどん増えていく。ここはどうしたって改善しないといけないのではないでしょか。
 給食費に扱いについては、お家でもお昼代はかかっているのだから同じでしょうという認識です。しかし、「稲城市子ども・子育て支援事業計画」では「保育所での給食を通じて食育を進める」「食に対する興味を深め、地場農産物を給食に取り入れて食育指導をする」と述べています。保育園での給食提供それ自体が保育活動のひとつであり、子どもたちの成長にとって欠かせないものではないでしょうか。これは保育園に限らず、当然ながら幼稚園や学校にも同じことが言えます。
 日本共産とは、先ほど紹介した「暮らしに希望を―日本共産党の3つの提案」の中で、学校給食の無償化を始めとした教育費の負担を無くしていくことを約束しています。すべて無償化にすれば、面倒な計算も、滞納への心配もなくなり、すっきりします。保育料が無償化になったのになぜわざわざ給食費だけ徴収がされるのか、本当に意味が分かりません。この点については、今後、学校給食の無償化も含めて継続的に取り上げていきたいと思います。


6.iバスの増便・路線増により街の中を気軽に行き来できるまちづくりの実現について
(1)利用状況について
①iバスの直近の月別の乗車実績(コース別)と前年同月の乗車実績(コース別)およびそれに対する認識について聞きます。
→乗車実績は以下の表の通りです。
060902.jpg
→平成30年度の年間乗車人数が運行開始以降、初めて50万人を超えて526,024人になったことから、路線が市民生活に定着してきており、周知も進んだものと認識しています。
→iバスは路線バスを補完し、交通不便地域を解消することや交通弱者の社会参加を促進することなどを目的に運行しており、重要な公共交通のひとつであると認識しています。
(2)平成25年10月2日付「公共交通のあり方に関する提言書」について
①提言書の作られた経緯と位置付けについて聞きます。
→公共交通サービスの充実に向け、見直しの方針を検討したものであり、稲城市のバス公共交通のあり方として位置付けられていると認識しています。
→iバス第Ⅱ期見直しの際に、この提言書の内容をふまえ、新たに「バス公共交通の見直し方針・見直し条件」を改正しています。
②「第Ⅲ期見直し」について認識を聞きます。
→第Ⅲ期見直しについては、南山東部地区をはじめとする土地区画整理事業や都市計画道路などの、都市基盤整備の進捗状況に合わせて、稲城市公共交通会議において検討することとしています。
→第Ⅲ期見直しについては概ね5年という期間にとらわれず、南山東部地区や小田良地区、上平尾地区などの事業進捗に合わせ、まずバス事業者に路線バスの運行を要請し、次に路線バスを補完するiバスの運行を検討していきます。
(3)ダイヤの増便と路線の拡充について
①始発と終発時間の基本的な考えについて聞きます。
→iバスのダイヤについては、稲城市立病院の診療受付開始時刻に合わせて運行することを基本に、始発と終発を決定しています。
→「提言書」の中では、運行時間について「始発及び終着の時間を多様な生活スタイルに対応した運行時間とすること」とされています。
②D・Eコースの位置付けについて聞きます。
→第Ⅱ期見直しの際の「iバスの見直し方針」に基づき、押立地域などの路線バスが運行していない区間を、路線バスを運行するコースとして位置付けています。
→D・Eコースについては、バス車両1台で運行しており、他のコースに比べて運行時間が長くなっております。
③ダイヤの増便について認識を聞きます。
→現在運航しているiバス路線は、第Ⅱ期見直しにおいて車両を1台増車して、平成27年度に決定された「iバス見直し方針」に基づき運行されているものです。現時点では、さらなる増便は考えておりません。
→市民、利用者の声については、これまでも稲城市地域公共交通会議の部会である市民代表者合同検討会でご意見を聞いています。また、市政への提案や市ホームページなどからのご意見やお問い合わせなど、様々な手法にて広く市民、利用者の声を聞いております。今後も引き続き市民、利用者の声を聞きながら利用しやすいiバスの運行に取り組んでいきたいと考えております。
④東京都に対して更なる財政支援の拡充を求めるべきと考えますが、認識を聞きます。
→iバスの運行に係る財政支援については、東京都市長会から東京都予算編成に対する要望事項として、「地域交通バスの運行維持に関する支援」を継続して要望しています。

<解説>
 iバスについて「ダイヤを増やしてほしい」「路線を改善してほしい」というたくさんの市民の声が寄せられています。iバスの更なる充実を求める立場から質問しました。
 昨年の年間乗車人数が50万人を超えて、iバスは市民の大事な足となっています。市の認識も「重要な公共交通機関のひとつ」であると答弁しました。この点はお互いに一致をしています。この重要な市民の足であるiバスを、さらに発展改善させていくことが求められます。
「公共交通のあり方に関する提言書」では「概ね5年を一定期間として改善に向けて検討する」となっています。次の第Ⅲ期見直しについては区画整理地域がひと段落して、路線バスが新たに決まった段階でiバスの路線について見なおすという認識です。しかし、南山や小田良の開発待ちにならずに、既存の路線の充実や便数の増加など実施できる改善は行うべきではないでしょうか。
 たとえば始発や最終版の時間については、「提言書」の中では「多様な生活スタイルに合わせた運行時間とする」となっています。実際に市立病院に通う以外でも、通勤や通学でiバスを利用する人も多くいます。そういった利用者の声なども、反映させていくことが求められるのではないでしょうか。
 押立や東長沼地域を走るD・Eコースは90分に1本程度と、他の路線に比べてダイヤが少ない状況です。1つのコースを1台で運行しているので、必然的に少なくなってしまいます。ここも改善が必要ではないでしょうか。
 市も「市民や利用者の声を聞いて、利用しやすいiバスの運行に取り組んでいく」という認識を持っています。その改善の重要な課題は財源問題です。市単独ですべて行うことには、やはり限界があります。東京都が地域のコミュニティバスについて、財源支援をしていくことが重要ではないでしょうか。23区内は都営バスが網の目のように走って、市民の足となっています。しかし、多摩地域になると途端に少なくなります。バス路線の改善は、「多摩格差」解消の課題のひとつでもあります。市長会も継続して支援要望を出しています。引き続き、財源問題もクリアしながら、iバスの更なる充実と改善を求めていきます。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:地域

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。