SSブログ

稲城市議会6議会一般質問報告1~介護保険・学校のエアコン・障がい者グループホーム~ [市議会]

 6月5日に、市長・市議会議員選挙後、最初の定例会一般質問を行いました。
 私たち日本共産党は先の選挙で「税金の使い方をくらし優先に改めよう」「くらしに希望の持てる政治にしましょう」と市民に訴えました。また、市長選挙では無所属の早川かんさんを自由党と共に推薦し、早川さんと一緒に「みんなが輝く稲城を」作ろうと呼びかけました。
 私たちの訴えに対し多くの市民の皆さんから支持や共感の声が寄せられ、市長選挙では早川さんは9707票の得票を得ることができました。そして、市議会議員選挙では日本共産党は岡田まなぶ議員、私山岸太一に、新人の田島きく子議員を加えた3人が当選することができ、議席を2議席から3議席に増やすことができました。
 私たちは選挙中に寄せられた支持や期待をしっかりと受け止めて、そして選挙中に訴えた公約をこの4年間で前進させて実現させていく決意です。本議会における一般質問も、これら公約の具体化ための一歩となります。日本共産党稲城市議団はこれからも暮らしやすい稲城の街を作っていくために市民の皆さんと力を合わせていく決意です。

 今回も一般質問の内容について3回に分けて報告します。まずは「介護保険制度」「学校体育館と教室へのエアコン設置」「障がい者グループホームの整備」について報告します。

1.必要な人が必要なサービスを受けることができる介護保険制度の実現について
(1)要介護度1・2の介護保険外しについて
①平成29年12月21日付経済財政諮問会議「経済・財政再生計画改革工程表」内の「1.社会保障分野-㉗公的保険給付の範囲や内容について適正化」の項目で、軽度者に対するサービスや給付の在り方についてどのように記載されているのかを聞きます。
→記載内容は「公的保険給付の範囲や内容について適正化し、保険料負担の上昇等を抑制するための検討」「次期介護保険制度改革に向け、軽度者に対する生活援助サービス・福祉用具貸与等やその他の給付について、給付の見直しや地域支援事業への移行を含め検討」となっています。
②平成30年10月9日付財務省財政制度分科会配布資料「社会保障について」内の「Ⅲ.介護-①-2介護保険給付の範囲の在り方」の「論点」で、要介護1・2の介護サービスについてどのように記載されているのかを聞きます。
→記載内容は「論点」として「長期にわたり介護保険給付の増加が見込まれることを踏まえれば、給付の更なる重点化・効率化を図っていく必要があり、軽度者のうち残された要介護1・2の者の生活援助サービス等についても地域支援事業への移行を具体的に検討していく必要がある」となっています。
→「改革の方向性(案)」として「残された要介護1・2の者の生活援助サービス等について、サービスの質を確保しつつ、保険給付の厚みを引き下げていく観点から、第8期介護保険事業計画期間中の更なる地域支援事業への移行や利用者負担の在り方について具体的に検討していく必要」となっています。
③さらなる介護保険の利用制限につながる要介護1・2の地域支援事業への移行は行うべきではないと考えますが、認識を聞きます。
→国で議論されている論点については、「要介護1・2の生活援助サービス等の地域支援事業への移行」であり、要支援者にも提供されている訪問看護や通所リハビリなどの給付サービスについては、要介護1・2においても地域支援事業へ移行することは議論されていません。今後の介護保険制度改正については、引き続き注視していきます。
→要介護1と要介護2の利用割合は以下の表の通りです。訪問介護の利用状況における割合は把握していません。
060701.jpg

<解説>
 第7期介護保険計画も今年度が折り返しとなり、次期計画についての論議が開始されようとしています。しかし、国の方では次期計画の中で、要介護1・2のサービスを介護保険給付から外そうとする動きがあります。介護保険の利用制限を進めていくことに反対する立場から質問しました。
 国が出している文書では、「公的保険給付の範囲や内容について適正化」「要介護1・2の生活援助サービス等については地域支援事業への移行を具体的に検討する必要がある」「保険給付の厚みを引き下げる」と本音を赤裸々に語っています。そして、第8期介護保険事業計画、つまり次の介護保険計画の中で要介護1・2のサービスを介護給付から外すと言っています。
 しかし、市の認識は要介護1・2の全部ではなく、一部のサービスだけを移すんだという答弁です。それでは、実態はどうでしょうか。
 実際には訪問看護や通所リハビリの利用は限られていて、訪問介護や通所介護がメインになっているわけです。厚生労働省が発表している介護給付の実態調査によると、訪問介護の利用状況で要介護1では生活援助が65.4%で一番多く、要介護2でも生活援助が56.%と最も多くなっています。そして、要介護状態区分が高くなるにしたがって生活援助の利用割合は低くなっています。
060702.jpg
※厚生労働省「平成29 年度 介護給付費等実態調査の概況」より

 どれだけ言葉の上では、「要介護1・2のサービスのすべてが、介護給付から外れるのではないですよ」と言っても、実際の利用状況を見ればけっきょく要介護1・2の人が最も多く使っているサービスを介護給付から外そうとしているわけです。この点ははっきりと指摘しないとなりません。
 要介護1・2のサービスがどうなるのかはまだ国段階の話ですが、今の時点でもこれだけ問題点が指摘できます。市民や利用者から不安の声も出されています。こういった不安の声にしっかりと耳を傾けてほしいです。今後も、要介護1・2の介護保険外しについては情報を集めながら、市議会でも取り上げていきます。


2.学校の体育館と教室へのエアコン設置による安心して学べる教育環境の実現について
(1)体育館へのエアコン設置について
①エアコン設置に向けた現在までの進捗状況および今後の工程とタイムスケジュールについて聞きます。
→現在、各小中学校の電源設備の調査を実施しています。今後は工事の仕様等が確定次第、年度内に設置を完了する予定です。
→工事中の体育館については、安全確保のために体育館での活動を禁止する予定です。9月から来年3月までの体育館の使用予約については、工事日程が確定する間は利用予約を受け付けないように教育委員会から各学校に依頼しています。今後、工事日程が確定した後には、各学校で工事以外の日程の機関の利用予約を再開することとしています。
②エアコン設置前の夏の体育館の使用について認識を聞きます。
→今夏の学校体育館の使用に関する特別な対応については、現在のところ予定していません。
→大型扇風機またはスポットクーラーが設置されていない学校は第一小学校、第二小学校、第四小学校、第六小学校、城山小学校、若葉台小学校、平尾小学校、南山小学校です。今後の設置予定はありません。

<解説>
 保護者や教員、児童生徒の願いだった小中学校の体育館へのエアコン設置が実現するなど教育環境の改善が大きく前進しています。もう一つの大きな願いである、すべての特別教室へのエアコン設置による更なる教育環境の改善を求める立場から質問しました。
 エアコン設置に伴う体育館の工事について、誤解が広がっています。少なくとも私が話しを聞いた2つの学校では、「下半期は完全に体育館が使えないらしい」というような噂が広まっています。これは誤解をちゃんと解いて、正確にアナウンスをするべきではないでしょうか。
 1年間で全校の設置をするということで、日程調整が大変だということは十分理解できます。その上で、学校の体育館は多くの方が利用をしているので、そういった地域の皆さんのご協力も得られるように丁寧な案内を求めました。
 また、エアコンが付くまでの体育館の暑さ対策については、特に学校の備品として大型扇風機やスポットクーラーが設置されていない8つの小学校への対応を求めました。昨年の9月の一般質問ではこういった大型扇風機やスポットクーラーがない学校には設置を検討すると、市は答弁しています。全体育館へのエアコン設置によって、これは棚上げになりましたが、しかし少なくとも今年の夏の暑さ対策としては短期間でも設置をすることも必要ではないでしょうか。こういった大型扇風機やスポットクーラーのない学校に対して今夏の暑さ対策として、短期レンタルなども含めて臨時的に設置することも検討すべきではないかと対応を求めました。

(2)特別教室へのエアコン設置について
①小学校5年生の家庭と図工の授業および中学校2年生の美術と技術・家庭の授業の、年間の標準授業時数と週当たりの時間(コマ)数について聞きます。
→小学校5年生は家庭は週当たり1.7コマ、図画工作は1.4コマです。中学校2年生では美術は週当たり1コマ、技術・家庭は週当たり2コマです。
→暑い時期の教育活動については、天候・気温等の状況により、時間や場所等を変更するなど適切に対応するよう学校に指示しており、各学校において適切に対応しています。
②すべての特別教室へエアコンを設置すべきと考えますが市長の認識を聞きます。
→本年度は学校体育館を優先して、空調設備を設置していきたいと考えています。空調設備が未設置の特別教室については、義務教育施設の整備状況全体の優先順位並びに財政状況を見ながら、対応を検討していきます。

<解説>
 学校の特別教室については、未だに家庭科室や図工室、美術室や技術室などの教室にエアコンが設置されていません。今年は体育館のエアコン設置がありますので、それを優先させるというのは理解できます。同時に、特別教室へのエアコン設置はそれ以前からの課題として、私たちは提起をしてきました。すでに連日夏日の様相を呈しています。
 子どもたちが安心して学べる環境を作っていくこと、そしてそこで教える教員が安心して教える環境を作っていくことは本当に重要な事です。一年間ですべての学校の、すべての特別教室にエアコンをつけてくれとはいいませんが、計画的にエアコンを設置するための設置計画はちゃんと準備をするべきです。これからも保護者や教員の皆さんとも力を合わせて実現を求めていきます。


3.誰もが住み慣れた街で安心して暮らしていくための障害者施設の整備について
(1)障害福祉分野での高齢化や重度化について
①障害福祉分野での高齢化や重度化の課題について認識を聞きます。
→障害者本人の高齢化に加え、介助・支援する家族等の高齢化も顕著になってきており、家族による介助・支援ができなくなることや、本人の高齢化に伴い重度化が進んでおり、重度障害に対応した施設やサービスを確保していくことが課題であると認識しています。
→当事者団体からは「成人障害者はグループホームへのニーズが高いにもかかわらず、施設の整備が進んでいない」「絶対的に数が少ないグループホームを一つでも多く増やす努力をしてほしい」という意見を聞いています。
→事業所からは「保護者の高齢化に伴い、介護負担軽減のための施設やグループホーム等の確保が求められる」「同居家族が高齢化していることが多く、市内にグループホームがあると助かる」との意見を聞いています。
(2)障がい者のための施設整備について
①市内での障がい者を対象としたグループホームの種類と数について聞きます。
→知的障害者を対象としたものが4ヶ所で定員21人、精神障害者を対象としたものが1ヶ所で定員7人、知的障害者と精神障害者の両方を対象としたものが1ヶ所で定員10人の、合計6ヶ所で38人です。
→近隣の重度身体障害者が入所できるグループホームは八王子市、日野市、武蔵野市、小平市、あきる野市に各1ヶ所で、多摩地域に合計5ヶ所あります。
②今後の施設整備について認識を聞きます。
→市では2020年度末までに必要とされる市内定員を48人と見込んでいることから、今後も適切に対応していきます。
→市内グループホームの定員を増やすことについては、新設だけではなく、既存施設の増設などの方法もあると認識しています。
→現在、都外の施設も含めて重度身体障害者グループホームを利用している方はいません。これまでも施設整備も含めて当事者団体等の意見を聞いてきました。

<解説>
 障がいを持っている本人やその家族の高齢化に伴い、「親亡き後はどうすればいいのか」という声が寄せられています。誰もが住み慣れた街の中で暮らし続けていくために、特に重度身体障がい者のための施設整備やサービスの充実を求める立場から質問しました。
 市も「重度障害に対応した施設やサービスの確保が課題」だという認識を持ち、家族や事業者からも「グループホームなどの施設を整備してほしい」という声があるということです。しかし、市内にあるグループホームは知的障がいと精神障がいの方を対象とした施設のみで、重度身体障がい者が入所できるグループホームは多摩地域でも5施設しかなくそもそも絶対数が少ない状況です。
 重度身体障害を持っているご本人とご家族の思いは切実です。この間、直接お話しをする機会がありましたが、ご家族は自分が死んでしまったら、もしくは自分の体が動かなくなってしまったら、この子の将来はどうなってしまうのだろうかという思いを持たれています。
 これまでは家族同士でも様々な考えがあって、知的障がいや精神障がいの方と比べて重度身体障がいの方のグループホームの必要性などについて、積極的に発信されてこなかったということです。しかしやはり今のままではいけないという思いで、重度の身体障がい者でも入る事のできるグループホームを作っていきたいと、家族会などでも話し合いがもたれているそうです。
 市自身も問題意識を持っているわけです。これをどう具体化していくのか、当事者やご家族の方の声も聞いて、まさしく将来に希望が持てるまちづくりを行う必要があります。私も様々な形で声を聞きながら、これからもこの課題については継続して取り上げていきたいと思います。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:地域

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。