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稲城市議会6月議会一般質問報告2~雨水排水対策について(平尾、押立、南山高盛土工事~ [市議会]

一般質問の2回目の報告は、雨水が振った後の排水対策についてです。

2.安心して暮らせる街をつくるための雨水排水対策について
(1)3月9日未明の雨について
①3月9日未明に降った雨の、時間当たり最大雨量や降水量等について聞きます。
→最大1時間雨量は3時から4時にかけて36ミリでした。降水量は3月8日8時から翌9日8時までに160.5ミリでした。
→10分間あたりの雨量は以下の通りでした。
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②3月9日未明の雨に伴う消防隊の出動状況について聞きます。
→床下浸水2件(東長沼・大丸)、地下車庫への浸水1件(押立)、道路冠水1件(矢野口)、土砂崩れ1件(坂浜)の5件の水防活動に出場しました。
<解説>
 この間、短期間に大量の雨が降った際の雨水による浸水被害などが市内の各地で起きています。特に今年の3月9日の夜明け前に降った雨は市内の各地で様々な被害がおきました。この3月9日の雨で起きた被害を中心にしながら、市民が安心して暮らせる街にするために抜本的な雨水排水対策の強化を求めて質問しました。

(2)平尾近隣公園での雨水流出について
①3月9日未明の雨で平尾近隣公園からの雨水流出による、周辺地域へ与えた影響と住民から寄せられた苦情等について聞きます。
→平尾近隣公園から雨水と土砂が流れ出して、平尾住宅団地内通路や駐車場などに土砂が堆積しました。住民からは、雨水や土砂の対策を要望されております。
→6月9日の深夜の雨でも同じような状況を確認しています。
→平尾近隣公園は東京都住宅供給公社による一体的な宅地開発事業の中で整備された公園であり、地域全体の地形上の課題もあることから、地域全体で雨水や土砂対策の改善に取り組むことが大切であると考えています。今後は地域の方々と共に周辺の設備なども含めて調査を行って、対策の検討をしていきます。なお、これまでの対策は土嚢の設置や、排水溝の清掃を行ってきました。
→流出した土砂の清掃については、必要に応じて市としても実施していきます。
②平尾近隣公園に設置されている雨水排水設備の種類と数について聞きます。
→排水管、排水溝、集水ますが設置されています。今後はこれらの設備の点検や清掃など、維持管理に努めていきます。
→公園東側には隣接の団地内通路に横断グレーチングが設置されており、団地や公園の雨水を一体的に通路内で処理できるようになっています。これらの設備の今後については、今後の団地建て替えを議論する中で検討をしていきます。
③平尾近隣公園の成り立ちや、市に管理運営が移管された経過について聞きます。
→昭和40年代に平尾住宅と一体的な宅地開発事業が行われ、その中で整備されました。昭和56年に管理運営が市に移管されました。
<解説>
 平尾団地では、団地内の近隣公園から雨水と一緒に土砂が流れ出して、下の方の駐車場や道路にたまってしまっています。3月に続いて、6月9日の雨でも大きな被害が出ています。市の管理する公園のからこのように連続して被害が起きており、早急な対応が求めて質問しました。
 6月10日に土砂が積もっている状況を市民の方と一緒に調査しましたが、ひどい状況でした。泥が5センチから10センチたまってしまい、車の車体の下やタイヤに泥がこびりついています。泥が乾くと車に貼りついてしまうので、すぐに落とさなくてはいけない。落とした泥がまた溜まって処理に困るような状況となってしまいます。
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※平尾団地内の土砂堆積の状況(6月10日撮影)

 管理組合に対して住民から苦情が入り、市の公園から出た泥なのに管理組合の予算を使って清掃作業をせざるを得ないような状況です。管理組合の方からは「なんで市の公園から出た泥を落とすのに管理組合がやらなくてはいけなんだ」「市としても何らかの責任を果たしてほしい」という声が率直も出されました。少なくとも市の公園から流出した土砂の清掃については、市としても管理組合に協力しながら対応すべではないかと求め、答弁としても「必要な清掃を行っていく」というものでした。後日談ですが、管理組合が清掃をして集めた泥が45リットルのゴミ袋で15袋にもなってしまい処理に困っていたので、「清掃は市が行うと言っているので、処分も市にやってもらったら良いんじゃないでしょうか」とアドバイスしたら、すぐに市の方が引き取ってくれたという事です。この点については、すぐに対応をしてくれて良かったです。
 しかし、大きな問題は既存の排水管や排水溝では対応できず、実際に雨水が溢れて、泥が流出してしまっていることです。根本的な対応を考えないと、対処療法では限界があることは明らかです。市の下水道プランは平成24年から平成33年までの10年計画ですが、その中での雨水排水対策は、南山の区画整理地域しか想定をされていません。だから、他の地域の整備はまったく手が付けられていません。下水道プランは残り3年ですが、区画整理地域だけを対象にするのではなく既存市街地の抜本的な雨水排水対策について検討をするべきではないかと対応を求めました。
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※稲城市下水道プラン

 また、公園内の一部の集水ますから分譲団地内の排水管に水が流れるようになっています。市の管理する公園の施設の一部が分譲団地内の民有地の下水管につながっていて、そこに水が流れるようになっています。公園の建設当時は一体的に整備をされていかもしれませんが、今は違います。市の管理する設備が民有地の設備につながっているのを、そのままにしておことは問題です。この点については、平尾団地の建て替えを検討していく中で、市が管理する近隣公園と団地内の民有地が直接つながっている雨水排水設備については管理責任も明らかにして、なんらかの形で解消をしていくことを求め、答弁としても「今後、検討していく」というものでした。

(3)押立地域の市道279号線付近での浸水被害について
①3月9日未明の雨による市道279号線及び周辺地域での浸水被害状況について聞きます。
→市道279号線沿線の住宅で、道路より低い地下車庫が浸水した事案が起きました。
②くろがねや駐車場からの雨水流出の改善状況について聞きます。
→くろがねやの駐車場から市道に雨水が流出していることは確認しています。市としては市道279号線に集水桝および雨水排水管を一部増設する工事を実施しています。
→くろがねやについては、店舗の建設にあたって市より申し入れを行い浸透施設の設置などの一定の対策を講じてもらっています。平成30年5月に再度、雨水対策について申し入れを行い、雨水浸透施設などの清掃を実施すると聞いております。
→押立地域の浸水被害については、地形上の課題もあることから、地域全体で浸水被害に対する改善に取り組むことが大切であると考えています。
③当該地域における浸水被害を防ぐために抜本的な対策が必要と考えるが、今後の対応も含めて認識を聞きます。
→抜本的な対策については、公共下水道の雨水計画を策定し計画的な施設整備を図ることが考えられますが、多額の事業費や長期の整備期間を要するなど課題があります。当面の間は暫定的な対策として、集水桝や排水管の清掃や土嚢の設置など、現場状況に合わせた対応を図っていきます。
→沿道の民有地の方々にも、地形的な課題を認識していただき、大雨の際には自らの排水対策をなどについても講じていただきたいと考えております。
→現在のところ、多摩川洪水ハザードマップは作成しておりますが、雨水排水の危険個所を示す地図などを作成する予定はありません。
<解説>
 押立の4中裏の地域については、2017年の第3回定例会での一般質問で質問しました。これまでもたびたび、道路が冠水をして敷地内に雨水が侵入してくることが報告されています。市民の声、住民の声に耳を傾けて、住民の側を向いて対応することが求められるのではないでしょうか。
 私の前回の一般質問での答弁ではくろがねやの雨水排水設備については、平成17年の建設当初に浸透桝や浸透トレンチなどが設置されているが具体的な排水対策量は不明だという答えでした。そこで、まずはくろがねやの浸透施設の排水対策量について、市の責任で調べて適切な施設なのかどうかを把握するべきではないかと求めました。また、水を浸み込ませる浸透施設以外の留貯留槽などの水をためる施設の設置を強く指導し、最低限くろがねやの駐車場から市道に水が漏れでないように隙間をふさぐなど対策すべきであると対応を求めました。
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※駐車場から流出する雨水

 しかし、その答えは「地形上の課題もあって全体で考える必要がある」というものです。私はくろがねやから雨水を漏らさない対策について質問しているのに、なぜそれが地域全体の課題になるんでしょうか。建設当初に一定の対策を講じているかもしれませんが、はっきり言ってそれがまったく役に立っていないから問題になっています。住民の皆さんだって自衛手段を講じたり、排水溝の清掃などにも協力をしてくれていますが、それを超えて問題を大きくしているのがくろがねやからの排水なわけです。
 駐車場に傾斜がかかっていて、市道279号線に隣接している浸透枡付近に雨水が集まるようになっている。ところが、そこにまったく水が浸み込まないので、あふれた雨水がすべて市道の方に流れ出し、下流の住宅街の方に流れていくようになっていくわけです。どれだけ清掃をしても、浸透桝では求められる役割を果たし切れていないのは明らかです。ここをあいまいにして、とにかく全体の問題として考えましょうでは、話の筋が違うのではないでしょうか。くろがねやからの雨水排水については、まずは敷地内で処理ができるように市として排水施設の見直しを求めるべきであると対応を求めました。
 住民の皆さんは、既に様々な自衛をされています。自宅の駐車場に水が入ってこないように、すきまをふさぐなどの対処をして、排水溝の清掃などにも協力をしてくれています。しかし、突然夜中の3時とか4時に雨が降られたらとてもじゃないけど、対処のしようがありません。だからこそ、市に何とかしてほしいと声をあげられているわけです。この声にどのように答えていくのかが問われていのではないでしょうか。住民の皆さんとの話し合いの中で、「自らの対策についても講じていただきたい」なんて言ったら、「とっくに講じているよ」と怒られちゃいます。
 根本的な解決は平尾の排水対策の時に述べて、図らずも市も答弁の中で言ったように計画的な雨水管の整備が必要であり、南山区画整理地域だけに限定した現在の下水道プランでは市民の声に答えきれないのではないでしょうか。
 市は、住民の皆さんと話し合いはしていくということです。間違っても、「皆さんも自衛手段を講じてください」などという切り口で話さずに、まず何が望まれていて、どうしてほしいのかについてしっかりと耳を傾けてほしいと思います。この地域の問題は今後の雨水排水対策を考えるにあたっても、重要な試金石になるのではないでしょうか。私自身も地域の皆さんの声をしっかりと聞いて、これからも取り上げていきたいと思います。

(4)南山の根方谷戸高盛土工事現場から雨水流出について
①3月9日未明の雨で根方谷戸高盛土工事現場からの雨水流出による、よみうりランド通り及び周辺地域へ与えた影響と住民から寄せられた苦情等について聞きます。
→よみうりランド通りをはじめ、三中通りや弁天通りなどの周辺度往路に土砂を含んだ雨水が流出したことにより、宅地内にも土砂が堆積する被害が発生し、近隣住民の皆さまに多大なるご迷惑をおかけいたしました。組合では作業員により、ランド通りの土砂撤去作業を開始するとともに、清掃業者を手配し高圧洗浄車による清掃を行いました。
②流出が起きた原因について聞きます。
→流出の原因としては、3月9日の未明に短時間に基準を超える降雨が断続的に発生し、排水管の継手が急激な水圧により破損したことから、仮置きされた土砂を洗い流し、仮設調整池を超えて下流域まで流出したものです。
→「基準を超える降雨」については、3月9日の3時から4時にかけては1時間雨量は36ミリでしたが、4時から5時にかけて断続的に10分間に10ミリの降雨が記録されており、これを時間当たり降雨量に換算すると60ミリとなり、公共下水道整備計画の目標とする時間当たり降雨強度50ミリを超える降雨が発生したと認識しています。
→2016年8月22日の台風9号で発生した土砂堆積については、市は組合に対して再発防止策を図るよう指導を行い、組合はこれを受けて仮調整池の容量を1万平方メートルに増やすとともに、仮設排水管等を整備しました。
→「工事施工管理第三者委員会」での土砂流出および工事中の排水管理については、本委員会は盛土工事が造成工事検討委員会や施工検討委員会の答申が確実に反映されていることや、答申した定数等が満足されているかを確認することを目的に設立されたことから、議論はされていません。工事中の雨水排水対策や管理については、事業協力者である企業により工事工程ごとに対策を検討し、排水施設の整備や管理を行っています。
→現在、組合では樹木の伐採や仮設排水管の設置を行い、盛土区域内の雨水を排水するための導水管の整備を進めています。今後、盛土工事に着手していくことになりますので、市としては施工管理第三者委員会により現場確認を行うとともに、適切な施工管理が確認されるものと認識しています。
③流出を起こさないための今後の対策について聞きます。
→今回の雨水流出の発生を受け、直ちに原因の究明と再発防止対策の検討を組合に指示しました。組合では、短時間の居所的降雨にも対応できるよう、仮設調整池の容量をこれまでの約1万立法平方メートルから約1万5千立法平方メートルへ増強するとともに、排水管の継手を補強して確実に仮設調整池へ雨水を集水できるよう仮設水路を増強することとし、これあらの対策については5月に完了しております。
→南山東部区画整理事業では、区域内に新設される道路等には雨水管を敷設するとともに、東側区域には約1万7千立法平方メートルの調整池を整備していきます。市としては、再発防止に取り組むように組合に対して引き続き指導監督していきます。
→南山東部区画整理事業における盛土造成工事については、関係法令や基準を順守し許可を得て工事を実施することに加え、学識経験者による意見による施工管理などを行い、安全対策を講じ施工しています。市としても、宅地造成に係る監督官庁である東京都と連携し、盛土工事が適切かつ安全に施工されるよう組合を指導していきます。
<解説>
 3月9日の雨による影響では、根方谷戸高盛土工事現場からの土砂流出は平尾や押立の地域に比べても、はるかに広範囲にわたって大きな影響となりました。区画整理組合が自らの責任で清掃処理にあったこという異例の対応が、事の重大さを表しているのではないでしょうか。
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※歩道に広がった土砂

 土砂があふれた原因は、基準値を超えるほどの雨が降って、それでパイプが破損して調整池を超えて溢れたという事です。これまでの私の質問に対して1時間あたり50ミリの雨に対応できるように整備しているという事が言われてきました。最初の答えでは、3時から4時に36ミリ降ったのが最大値です。50ミリを超えていません。この「基準を超える降雨」の具体的な数値はどういうことなのか聞きましたが、その答弁は驚くべきものです。時間当たりは50ミリになっていないけど、10分刻みで10ミリを超えていて、それが重なったからだということです。
 これではあまりにも脆い、脆すぎます。
 あれだけ大規模な工事を行い、山の地肌があらわになるような状況を作っておきながら、10分間に10ミリを超える雨が降ったらそれで壊れてしまうような設備では危険すぎるのではないでしょうか。
しかも、1時間当たり降水量ではなく10分刻みで10ミリを超えたので6倍して時間当たり60ミリに相当したのでやむを得なかったというようなものです。そういう計算をするなら、同じような状況はこれからいくらでも起きてしまいます。基本的な防災計画や下水道計画の基準を、1時間当たり降雨量から10分当たり降雨量へと変えるということになるのでしょうか。この考え方については重要な点だという事を指摘したいと思います。
 私は2016年9月の第3回定例会一般質問で、2016年8月22日の台風9号の通過後に三中通りに同じような土砂の堆積があったことについて質問しています。土砂の量は今回よりは少なかったけれど、状況はほぼ同じです。この時の市の答えは「根方谷戸川から溢れた水が流れたことは確認しているが、工事との因果関係は検証していない」というものでした。この時に内容を検証し、必要な対策を取っておけば同じ状況を繰り返さなかったのではないでしょうか。
 ここで、重要なのは「工事施工管理第三者委員会」の役割です。2016年12月の第4回定例会一般質問で、私が「平成19年の造成工事検討委員会答申書においては、盛土内に滞水させないことが重要であることから、雨天時には施工しないこととなっている。この点をどのように担保するのか」という趣旨で質問したら、その答弁は「造成工事検討委員会では、盛土内に滞水させないことが重要であることから、雨天時には施工しないことや、排水を確認してから施工を再開するなど、盛土内の排水管理に十分留意することとしている。組合では、この答申内容に基づき、今後、盛土造成工事を実施していく」「答申に基づき、雨天時には工事施工しないこととしているので、具体的な基準や条件は施工管理第三者委員会の意見を伺いながら検討していく」というものでした。具体的な土砂流出云々は言っていませんが、少なくとも雨天時の排水管理については施工管理第三者委員会が議論すべきものではないでしょうか。そもそも、何度も指摘しているように高盛土工事そのものが通常と桁外れの工事であり、それを安全に実施させていくのが第三者委員会の役割です。これだけ地域に影響を与え、一歩間違えれば大事故にもつながったような状況を起こしたのだから、ここで第三者委員会が役割を果たさないといけないのではないでしょうか。
 2017年9月の第2回定例会一般質問で、私の「記録的短時間大雨情報や線状降水帯などの近年の大雨リスクについての対応状況はどうなのか」「仮設の調整池の対策量は大丈夫なのか」という質問に対して、市は「盛土造成については、近年発生した大雨のケースを想定して完成後の安全性を確認している。施工中の大雨の対応は、仮設調整池を適宜設置、大型土のうや圧送ポンプなどを現場に配置させ、迅速な対応を図れるよう態勢を整えている」という答えでした。近年発生した大雨のケースを想定しているとしながら、実態は時間当たり50ミリにもならない雨でも大量の土砂流出を発生させているわけです。
 2016年8月の土砂流出で1アウト、今回の土砂大量流出で2アウトです。周辺の住民にとっては1回起きただけでも困りものなのに、2回も起きています。3回目は起こしてならないし、もし起きるようなら工事に根本的な欠陥があると言わざるを得ない状況になります。危険な工事はしてはならないし、危険な物は作ってはならない。もし危険な状況があるなら、即刻工事を中止すべきです。市全体の雨水排水対策とは別に、この髙盛土工事については今後も注視をして取り上げていきます。
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※山肌が露わになっている高盛土工事現場
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