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稲城市6月議会一般質問の報告②~子ども・子育て計画~ [市議会]

2回目の報告は、子ども・子育て計画について報告します。
3.稲城市子ども・子育て支援事業計画について。
(1)計画の概要について
①同計画の役割について聞きます。
→教育・保育および地域子ども・子育て支援事業の提供体制の確保および業務の円滑な実施であると認識しています。
→市内の保育園の整備については、基本的にこの計画に基づいて、保育需要や財政状況などを総合的に判断して実施しています。
②同計画の「基本的記載事項」について聞きます。
→乳児期の子育て支援に関する記載事項については、5年間の計画期間における「量の見込み」「確保の内容」「実施時期」となっています。

(2)「児童人口の将来推計」について
①児童人口の将来推計数の算出根拠を聞きます。
→平成26年度の推計や試算に基づいて、出生数や死亡数などの自然増減および転入や転出などの社会増減の2つの人口変動要因から将来人口を推計する「コーホート要因法」で算出をしています。
②将来推計数と実際の人口の差について認識を聞きます。
→児童人口の将来推計と実際の人口の差については、将来推計を平成26年度に行っており、その後の大型マンションの建設などから、推計以上に子育て世帯の転入が増加した結果、差が生じていると認識しています。
→今後、計画を見直すこととしており、その中で児童人口の将来推計も見直しを想定しています。

(3)「保育の量の見込みと確保策」について
①2号認定及び3号認定の「量の見込み」と「確保提供量」の算出根拠を聞きます。
→「量の見込み」については、フルタイムやパートタイムなどの家族類型別の児童数にそれぞれの利用意向率をかけて、算出しています。「確保提供量」については、認可保育所の定員拡大や家庭福祉員の定員増などを想定して、算出しています。
→「量の見込み」の根拠となっている「児童数」については、児童人口の将来推計数の数が基礎となっています。
②2号認定及び3号認定の「量の見込み」と「確保提供量」の推計数と実際の数の差について認識を聞きます。
→「量の見込み」については、子育て世帯の転入が増加した結果、差が生じていると認識しています。「確保提供量」については、認証保育園の認可化による定員増が計画通り進まなかった結果、差が生じていると認識しています。
→現時点では、「確保提供量」が実際の需要に追い付いていないと認識しています。
→今後、計画を見直すこととしており、その中で「量の見込み」も「確保提供量」も見直しを想定しています。
③「確保提供量」の基本は認可保育園を増やすべきであると考えるが認識を聞きます。
→保育提供量については、様々な保育需要があることから、認可保育所の整備もその内の1つであると認識しています。
→計画の中では認証保育所をゼロにして、認可保育所等の教育・保育施設を増やすこととなっています。
→認証保育所の認可化を推進するために、市として必要な支援を行っていきます。

<解説>
 平成27年度から平成31年度までの5ヶ年計画で開始された「稲城市子ども・子育て支援事業計画」は今年度で折り返しを迎えます。当初の推計と実際の状況が整合性について課題が出てきています。正しく実態を反映した実施計画を求める立場から質問しました。
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 まず、この子育て計画の役割を確認しました。記載内容は、保育需要である「量の見込み」とそれに対応する「確保提提供量」と「実施期間」が書かれています。大きな役割として保育の提供体制の確保があり、基本的にこの計画に基づいて保育施設が整備されていくので、それだけ重要な計画だということです。
 それでは、この計画に書かれている子どもの数の推計数はどうなっているのでしょうか?作られたのが、平成26年で今から3年前でそんなに古くなっている訳ではありませんが、0歳から11歳までの児童人口は平成27年度の10,184人をピークに年々減少をして、平成31年度には9,764人になるとなっています。5年間で420人分の児童人口が減少すると推計されています。
 それでは、実際はどうなのかということです。市のホームページの地区別年齢別人口集計表で各年度の4月の数字で比較してみました。そうすると、以下の表のとおりとなりました。推計では児童人口が減るとなっているのが、実際には年々増えてきている状態になっています。
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 さすがに市も、差が生じているという事については答えざるを得なくなりました。しかし、すでに差が生じているという現状では、今後はこの差がさらに拡大をしていくことになるにではないでしょうか。こういった児童人口の将来推計については、早急に現状にあった形で見直しの必要があると求め、市も見直しをしていくことを認めました。
 計画の中では、保育等が必要となる子ども数を「量の見込み」として表わし、その必要量を満たすものとして「確保提供量」が記載されています。「量の見込」の計算法方法は、基礎となる児童数があり、その中の一定の割合の人が利用するであろうという考えで必要量を算出しているということです。とういうことは、その基礎となっている児童人口の将来推計数が現実と大きく差がでているのだから、当然それをもとに計算された「量の見込み」も現実とずれてきているのではないでしょうか。3月議会の予算審議でも議論になりましたし、今議会の補正予算案として緊急対策が提案されていますが、この間明らかに保育需要に対する施設整備が追い付いていないわけです。この計画でいえば、「量の見込み」も「確保提供量」も計画の数字と実施の数が大きくずれてきているのではないでしょうか。
 もう一つ重要なのは、計画の中身を見ると、認証保育園を認可保育園に変えることで、認証を最終的にゼロにして認可保育所等の教育・保育施設を増やすというような内容になっています。これまで私たちが「保育園は、認可保育園の拡大を第1にするべき」と求めてきたことに対して、市は「待機児童対策は認可保育園だけでなく、認証保育園や家庭福祉員など様々な手段を講じていく」と述べてきました。ところが、おおもとの子育て支援計画では、最終的に認証はゼロにして認可保育園中心にしていくことが掲げられています。これまでの答弁と矛盾がありますし、そもそも現実的なのかどうかも疑問があります。0618-202.jpg
 市は計画そのものの見直しについて、初めて言及をしました。計画は計画ですから、途中で状況が変わってくることもありますし、それはその都度必要な見直しをすればいいと思います。ただ、この子育て計画は保育園の整備に関する大変重要な計画になっています。子どもが保育園に入れなかった保護者や市民からは、「明らかに市の見通しが甘かったのではないか」という意見が寄せられており、私もそのように感じます。計画をつくればそれで解決するというものではありませんが、おおもとの計画ずれていれば実施段階ではもっとずれていくことになります。子ども子育て支援事業計画を、現実をちゃんと反映した正しい計画に早急に改善することを求めました。

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