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稲城市・市議会3月議会一般質問の報告③~「根方谷戸・ランド坂」高盛土と海外姉妹都市~ [市議会]

一般質問の報告も3回目です。
最後は「4.『根方谷戸』『よみうりランド坂』高盛土について」と「5.海外姉妹都市提携検討市民会議について」です。

4.「根方谷戸」「よみうりランド坂」高盛土について
(1)南山東部土地区画整理事業計画について
①事業計画全体の進捗状況について聞きます。
→補助金ベースでの進捗率は、平成26年度末現在で56.3%です。
(2)「根方谷戸」及び「よみうりランド坂」の高盛土について
①計画の進捗状況について聞きます。
→平成25年7月に東京都より宅地造成等規制法の許可が出され、平成28年1月に東京都知事より保安林指定解除予告が告示され、平成28年2月に東京都より組合に対して保安林内作業行為許可を受けました。
→根方谷戸周辺は、昭和36年に地盤の不安定な急斜面地の崩壊を防ぐために土砂崩壊防備保安林として指定されました。解除理由は、土地区画理性事業により森林以外の恒久的な土地利用に供することが可能となったために、指定の理由が消滅したことによると聞いています。
②工事実施にあたって住民の安全性を確保するための認識を聞きます。
→造成工事の実施につきましては関係法令、基準に基づくとともに、造成工事検討委員会並びに施行検討委員会の答申を踏まえて、組合が責任をもって適切かつ確実な施行を実施することが、住民の安全性を確保するために重要であると認識しています。
→市としては、宅地造成に係る監督官庁である東京都と連携し、この許可に基づく盛土造成工事が適切に施行されるよう組合を指導していきます。
→今後は、樹木の伐採を行い、工事期間中の雨水排水対策を図りつつ、概ね5~6年程度かけて工事を進めていく予定であると報告を受けています。
③工事実施にあたって住民への情報提供や周知について認識を聞きます。
→工事の実施にあたっては周辺にお住まいの方々への情報提供や周知は不可欠であり、事業者である組合が責任を持って工事内容などを説明することが重要であると認識しています。
→説明会の対象範囲はできる限り多くの人を対象として、お知らせの方法は郵送やポスティングなどの方法でお知らせすると聞いています。
(3)「(仮称)根方谷戸緑地」及び周辺緑地について
①区画整理事業終了後の緑地の管理について聞きます。
→公園及び周辺緑地については、区画整理事業の終了時に組合から市に移管される予定となっており、移管後は市が管理することになります。
→今後の管理計画は他の公園で行う通常の管理以外の適切な管理について組合と検討をしていきます。
②市民の不安や心配の声に対する市の認識を聞きます。
→造成公については、これまでに様々なご意見やご要望が寄せられており、市としても市民の皆さまの声を真摯に受け止めております。
→工事の施行にあたっては、周辺にお住いの方々への情報提供や周知に努め、適切な施行を組合が責任もって履行するように引き続き指導してまいります。
0309.jpg
※根方谷戸とランド坂周辺(北が下、南が上になっています)

<解説>
 南山東部土地区画整理事業計画内の「根方谷戸」と「よみうりランド坂」の高盛土については、これまでも市民から不安や心配の声が寄せられています。市民の命と安全を守るためにも、危険な工事を行うべきはないという立場から質問しました。
 この根方谷戸周辺の工事については、平成25年に東京都の許可が下りましたが、保安林の解除に3年近くかかっています。解除の理由について要約すると「高盛土をすることで保安林がなくても心配なくなる」というものです。
 今回の質問を準備するにあたって過去の記録も調べてみました。その中で平成26年の3月、ちょうど2年前に東京都森林審議会で保安林解除について議論された議事録が出てきました。これを読んでみますと、そうとうひどいというかある意味、無責任な論議がされています。この審議会では議論された疑問点について結論を出さずに、後日に資料を確認するので「とりあえず保安林解除の答申を出す」という結論になっています。
 審議会の中で出された疑問点は2点です。大型盛土の安定性、そして盛土部分の造成森林計画の内容についてです。安定性については事務局側から問題ないと説明されています。今回の盛土はなるべく水を浸み込ませないつくりにして、斜面に設置した捷(しょう)水路・人工水路で下水道に流すから大丈夫だと、10年に1度降るような大雨にも耐えられるんだと言っています。ところがそうすると問題が出てきます。今回、大規模に森林を埋め立てる、破壊をするので、その代替えとして森林を新たに造成する「造成森林」として申請をされています。しかし、斜面の表面は水を通さない構造になっているので芝生程度のものしか置けない。根を張るような大木を植樹してしまうと、そこから水が入り込んで盛土の安定を損なってしまいます。
 この点について、どうするのかということが議論になっているのですが、東京都の担当者はこの点について稲城市に聞いてみないと分からないと答えています。結局結論が出ないまま後日に資料を確認することを条件に保安林解除の答申を出してしまっている。私はこんなずさんな議論で、これだけ重要な問題が決められて良いのかということを言いたいです。この間の議会でも、生物多様性の問題や森林保護の問題がたびたび取り上げられています。また、市民団体との交渉の中で「根方谷戸の埋め立てによって貴重な自然が壊されてしまう。この事についてどう考えるのか」という質問に対して、市は「新たに緑を植えるから問題ない」と答えてきました。ところが、肝心の東京都の審議会ではどういったい緑を植えるのかさえ確認されずに解除の答申が出されているのです。これは本当に大きな問題ではないでしょうか。これについて市に認識を質しましたが、「適切な判断がされている」と答えるだけで、まともな答弁はされませんでした。
 この事業が終わると、この髙盛土の部分は公園や緑地帯となり、それは市が管理をすることになります。40メートルを超える人工物であり、水を浸み込ませないように何本もの排水管を入れている。こういった排水管が詰まらないように管理をする、盛土の安定性を監視する、そういった点では、通常の公園や緑地管理とは違うより厳重な管理体制が必要になり、それが半永久的にも求められます。しかし、この公園の管理計画、メンテナンス計画が未だに決まっていません。市は答弁で「適切な管理計画をこれから作る」と答えました。完了後の管理計画もない中で、「とりあえず作ってしまえ」とばかりに工事を強行するやり方は決して許してはなりません。
 高盛土の工事について、市民からは本当に不安や心配の声が出されています。それは行政に対する信頼性の問題でもあります。周辺住民や市民が不安の声をあげている間は造成工事に着工すべきではありません。日本共産党稲城市議団はこれからも市民の命と暮らしを守っていくために、これからもこのような危険な工事は行うべきでないと求め続けていきます。

6.海外姉妹都市提携検討市民会議について
(1)市民会議で出された意見について
①海外都市との姉妹都市の役割や目的について出された意見を聞きます。
→交流目的については、青少年を中心として交流が良い、青少年から高齢者まで幅広い交流が良い、スポーツなどを通じた交流が良い、教育、文化、経済、スポーツなど複合的な交流が良い、学校同士の交流で始めることが良い、いろいろな国や街を検討する必要があるなどの意見があります。
→目的の絞り込みについては、進め方を含めて市民会議において今後、検討をしてもらいます。
②海外都市との姉妹都市提携の必要性について出された意見を聞きます。
→必要性については、姉妹都市を結ぶことで交流の選択肢が増えるという趣旨の意見や姉妹都市を結ぶことによりその都市へ安心して市民がいけることになるという趣旨の意見などがありました。
→慎重に進めるべきというご意見や積極的に進めるべきというご意見など、様々なご意見が出されております。
(2)海外姉妹都市の候補先の選定について
①市民会議での候補先の選定状況について聞きます。
→候補先の選定については、これまでの市民会議では検討されておりません。今後は、市民会議において検討をしていきます。
②今後の候補先の選定方法について聞きます。
→選定方法も含めて市民会議において今後、検討していきます。
(3)フォスターシティ市について
①市民会議におけるフォスターシティ市の位置づけについて聞きます。
→フォスターシティ市の位置づけについては、市民会議においては特にございません。
②フォスターシティ市への市長の視察について市長の評価を聞きます。
→私自身は海外姉妹都市としてふさわしい適格性を有するものとして判断しておりますが、市民会議においてはゼロベースで検討していただいております。
→姉妹都市交流に関して配慮すべき事柄など、様々な視点から市民のためにプラスになることについても確認ができ、必要な視察であったと認識しております。
<解説>
 海外都市との姉妹都市提携について話し合う市民会議が3回まで開かれ、活発な論議や検討が行われています。「誰か個人のためではなく、稲城市民にとってプラスになる交流」を求める立場から質問しました。
 姉妹都市の目的については様々な意見が出されています。こういった状況で、市としては最終的に目的を1つにしぼるのか、多目的で進めるのか、最終的には市民会議が決めるといっても、一定のイニシアチブは必要ではないでしょうか。私は結論ありきで進めるやり方は反対ですが、だからといってすべてを丸投げしてもいいとは思いません。
 姉妹都市の必要性については会議の中でも「国内の姉妹都市の交流でもお互いに温度差が出てしまうのに、距離的に離れた海外の都市と結ぶのならさらに慎重に検討をすべきである」というご意見や、「候補地の選定は一定の理由付けが必要になる。これまでは市民レベルの交流を積み重ねたうえで姉妹都市提携が結ばれてきた。それがない中での選定は拙速となってしまう」といったご意見が出されてきました。私は率直に言って、海外都市との姉妹都市提携は時期尚早であり、まずは民間交流から進めていくという結論もありだと考えています。
 そしてもし候補地を選定するなら、(私は見送った方が良いという意見ですが)その選定方法として市民公募も検討すべきだと考えています。この海外姉妹都市の関係で市民の皆さんから色々なご意見をいただいています。その中には、実はこういう都市があるんだけどここってどうなんだろうか?という、ご提案もあります。例えば、市民の方でニュージーランドのある都市の名誉市民をされている方がいらっしゃいます。日本・ニュージーランド文化交流協会の中心で活躍をされて、文化交流や語学留学の仲介などを熱心にされています。そういった市民の草の根レベルの交流は様々なところで行われています。今回の市民会議の委員は市による指名で、委員の公募もされていません。市民会議の中でも、委員の公募をすべきではないかという声も出されています。もし、候補地を選ぶのならこういったご意見や提案についての公募も積極的に行うべきではないかと考えます。
 候補地の問題では、アメリカのフォスターシティ市については「特にない」という、つれない答弁でした。昨年の議会であれだけ大騒ぎして、行くの、行かないのと揉めたわけですが、今ではなんでもなくなってしまいっている。市民会議の中でも「候補地についてはゼロベースだ」と「基本的にはリセットしていると考えてほしい」と言われていて、私はこの間結論ありきで議論すべきではないと言い続けてきましたが、まさしくその通りに進んでいます。フォスターシティ市への視察についての、市長の答弁も変わってきています。昨年の9月の定例会で同じ質問をした際には「候補予定地として確認することができて、大変有意義であった」と言われていたわけですが、けっきょく候補予定地にすらなくなってしまっています。これは、もし市民から「視察にかかった費用を返せ」と言われたときに説明をすることはできるのでしょうか?結果的に市長が行った事で逆に話しがこじれて、こういった結果になっている。市民会議の中でも委員から「結論ありきの会議だと言われるのは不本意である」というご意見や「だれか特定の個人のためにではなく、市民のためにとってプラスになるように考えたい」といった率直な声が出されているわけです。やはり、あの視察に市長は行くべきではなかった、もう少し丁寧な進め方をすべきであったと市長自身が言う必要があると思います。結果として、市長はその点について自ら答弁をしないで担当部長に答弁をさせている。そのことは大変残念に思いました。

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