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稲城市・市議会3月議会予算委員会の報告~福祉・教育・介護・保育~ [市議会]

 3月16日に稲城市議会予算特別委員会福祉文教分科会が行われました。
 稲城市議会の予算審議の進め方は、全体的な質問を行う総括質疑を1日行い、その後に分野別の審議を行う分科会に分かれます。
 私は福祉部、子ども福祉部、教育委員会、市立病院の次年度予算について審議する福祉文教分科会を担当しました。分科会はこの他に総務部や企画部について審議する総務分科会と、都市建設部や市民部について審議する建設環境分科会があります。
 福祉文教分科会では様々なやり取りがされましたが、主に私が質問をした項目とそれに対する答弁を中心にご報告します。

【福祉部門】
「第三次稲城市保健福祉総合計画」策定事業の内容や進め方を聞きます。
→平成29年で現在の第二次保健福祉総合計画が終了をするので、平成30年から6年間の計画について検討をします。平成28年度は市民アンケートの実施や第二次計画の振り返りなどを行います。
→稲城市医療計画や介護保険計画などとも連携をした内容とします。
→アンケートでは保育に対する市民の要望を聞く項目や、介護施設などの要望を聞く項目も入ります。

生活困窮者自立相談支援事業の「住居確保給付金」の内容を聞きます。
→失業等により住居の確保が難しく、現在求職中の人に家賃の補助などを行います。
→平成28年度は単身世帯向けに月4万6千円を上限に3ヶ月分、複数世帯向けに5万9千円を上限に17ヶ月分を計上しています。
→健康上の理由などにより仕事が難しい方や高齢の方には生活保護などで対応をしていきます。

生活保護関係費の「被保護者健康管理支援業務」の内容を聞きます。
→生活保護を受けている方で精神疾患を発症して日常生活などが困難となっている方へ支援をする事業です。
→市内の病院と提携をして精神保健福祉士を派遣してもらい、ケースワーカーと連携しながら相談や生活の援助などを行っていきます。
→対象としては、自分自身が精神疾患に罹っているという認識が持てない方を想定しています。

<解説>
 福祉部門では、保健福祉総合計画の見直しが始まります。これはその名のとおり、稲城市の福祉全般(介護、障害、子育て、社会保障)についての中期的な方針を定めるものです。介護施設の整備や保育園の整備なども、この保健福祉総合計画に載らないと具体的にはなっていきません。2年間かけて作成をされる計画なので、この計画がどういうものになっていくのかを注視していく必要があります。


【教育部門】
「第二小学校校舎大規模改修工事」の内容と進め方について聞きます
→平成27年度から28年度にかけて工事を行っており、28年度は7月から12月までを第2期工事として行います。
→工事をする中でホコリが入ってくるというご意見があることは認識をしています。仮設の間仕切りをしていましたが、そこに隙間ができてしまいホコリが入り込んでいました。今後も適切な対応をしていき、学校側と連携をしていきます。

「第三中学校校舎大規模改修工事」の内容と進め方について聞きます。
→平成28年度は仮設校舎設置のための設計などを行います。実際の工事の着工は平成29年度から開始をします。
→保護者や生徒への説明は適切に行っていきます。

文化財保護費の内容や基本的な考え方について聞きます。
→平成27年度と比べて減額になっている理由は、隔年開催の郷土芸能まつりが無いことなどが理由です。
→文化財の保護や研究は教育委員会の重要な施策であると認識しています。
→市によって保管されている文化財の展示や閲覧についても、展示会の開催やデジタル化などの取り組みを進めていきます。

<解説>
 教育部門では、2つの学校の建て替えに絡む課題と文化財保護について質問をしました。第2小学校の建て替え工事では地域の方から、粉じんがだいぶ漂っていて健康面でも不安の声が出されているとの要望を聞き、その点についての認識を質しました。また第3中学校では建て替えの詳細などについて生徒や保護者へのお知らせが正式にされておらず、内容について不安視をする声を聞きましたので、そういった不安解消について対応を求めました。
 文化財保護予算は前年比で半分の金額になっています。この間、歴史的な文化財の保護や研究、市民への公開などについて要望が高まっています。地域の歴史を知ることで地域に愛着を持ってもらうためにも、引き続き文化財保護施策の充実を求めていきます。


【介護保険部門】
「稲城市介護保険事業計画」策定事業の内容と進め方について聞きます。
→平成29年で現在の第6期介護保険事業計画が終了をするので、平成30年から3年間の計画について検討をします。
→第7期介護保険事業計画の位置づけは、地域包括ケアシステムの更なる構築を目指します。
→平成28年度はアンケート等によるニーズ調査を行います。ニーズ調査では介護施設の整備などについても調査します。
→第7期計画での介護施設の整備についてはニーズ調査や介護給付の実績をもとにしながら検討をしていきます。

「生活支援・介護予防サービス協議会」の内容について聞きます。
→各地域での課題について集約をして整理をしていきます。
→住民主体によるボランティア事業の具体化についてはまだこれからになります。

「地域介護予防活動支援事業補助金」の内容について聞きます。
→地域で助け合いや介護予防事業を行っているNPOや住民グループに対して補助を行います。
→予算上は2団体に20万円を補助することを想定していますが、補助の内容や使い道については今後検討をしていきます。

<解説>
介護保険の基本計画は3年単位になっています。平成27年から始まった第6期介護保険計画は、今年と来年で終了し、平成30年から第7期計画が始まります。当然、介護施設の整備などについてこの第7期計画に盛り込まれないと具体化はされてきません。福祉部門での保健福祉総合計画と同時並行の策定になりますので、両方の計画で施設整備がされるようにしっかりと見ていく必要があります。


【保育部門】
待機児童の認識について聞きます。
→この間の待機児童数は0人です。いわゆる旧基準、認可保育園を希望して不承諾になった人の数は平成26年4月は147人、27年4月は117人、28年4月は170人の見込みです。
不承諾になった人については、雇用保険の育児休業手当金を申請するために自分から不承諾通知を取りくる人もいるなど、実質的に保育園に入りたくて待機をしている方ではない人も含まれていると認識をしています。
→旧基準の待機児童数から差し引ける数としては、認証保育所に入っている人、家庭福祉員で保育している人、育休中の人、在宅でPC等で求職活動をしている人、他の保育園が空いているにも関わらず1カ所しか保育園を希望していない人などを差し引けるようになっています。
国の新基準の考え方については、他の保育園が空いてるにも関わらず1カ所しか選ばない人や、認証保育園が空いているにも関わらず認可保育園1カ所しか選ばない人などは待機児童から差し引けるものであり、市としても国と同じ認識を持っています。

保育のニーズについて聞きます。
→「稲城市子ども・子育て支援事業計画」を作るにあたって、平成25年11月~12月にアンケートによるニーズ調査を行いました。
「平日の定期的な教育・保育事業の今後の利用希望」では1番目が幼稚園、2番目が認可保育所、3番目が幼稚園の預かり保育でした。
→この間、様々なニーズに対応をできるように対策を行ってきました。
0317.jpg
※稲城市子ども・子育て支援事業計画から抜粋

認可保育園の地域格差について認識を聞きます。
→市としては保育の必要数や確保数については地区ごとに分けて考えてはいますが、今回の保育所入所を申し込んで不承諾になった人は、希望した保育園が必ずしも住所地の保育園とは合致をしていないで、通勤に便利な住所地とは違う保育園を選んでいる場合もあります。
→矢野口地域に住んでいて、町田方面に通勤するために平尾地域の保育園に預けている場合などもあります。地区による偏りはあるかと思いますが、空きがある所を見てもらって実際に保育園の保育内容などを考慮して決めてもらうことが効果的と考えています。

認可保育所の受入児童数の拡充について聞きます。
→平成28年度は城山保育園南山で3歳児クラスを2人、4歳児クラスを6人、5歳児クラスを5人定員を増やします。
→0歳児から2歳児までの低年齢の児童において待機児が多い事は市としても認識をしています。その中では大規模な保育園だけではなく家庭的な保育の需要もあることから、一番待機の多い矢野口地区で家庭福祉員の受入枠を2人(!)拡大しました。
平成27年4月の認可保育園不承諾の人数117人のうち、0歳児が19人、1歳児が44人、2歳児が39人でしたが、認定こども園や認証保育所などの利用によりニーズにはこたえられていると判断しており、認可を申し込んだが他の保育所を利用することで待機は解消されたと考えています。

第1の優先課題は認可保育所の整備だと考えるが認識について聞きます。
→様々な方法によって定員枠を増やして待機児解消を行っていきます。
→様々な方法とは、認可保育所だけではなく認証保育所や家庭福祉員や幼稚園の預かり保育などの取り組みでありこれは国の新制度の内容に沿ったものとなっています。待機児童の新基準の考え方についても国の子育て新制度を反映したものであり、待機児童ゼロ人というのも実態をよく表していると考えています。
→平成28年4月に認可保育所に入れなかった人も市内の様々な保育によって吸収をされると考えております。
認可保育所に限ったことではなく、その他の様々な方法も含めて待機児童を解消していくというのが市の考えです。

<解説>
 保育園の待機児童については、それ自体が大きな社会問題になっています。他の分野では1つの予算項目に対して3回程度のやり取りで内容を質しましたが、保育については最初から徹底追及徹底審議のつもりで資料も準備をして臨み、予算項目としては「保育所等運営委託・補助事業」という1つだけの項目に20回以上にわたって質問しました。結果的に保育についてはほとんど私一人で1時間以上行政とやり取りをすることになり、市からは様々な答弁(ほとんどが不適切な内容ですが)を引き出すことができました。
 とにかくはっきりしたのは、「認可保育所が優先課題」とは決して認めようとしないことです。待機児童も受入数の拡大のどれをとっても、「認可保育所も、認証保育所も、家庭福祉員も、幼稚園の預かり保育も」とすべてを並列で進めようとしている点が最大の問題点です。
 しかし、市が行った実際のニーズ調査では、希望の内容では「認可保育所が47.6%」で「認証保育所が7.9%」になっており、圧倒的に多くのニーズは「認可保育所」なんです。自分たちが実施をしたアンケートの結果すらちゃんと受け止めようとしないこの市の姿勢は、本当に不誠実です。どれだけ数字のごまかしをしても、多くの保護者や市民の希望は「認可保育所の整備」です。認可保育園の新設はこの10年でたったの1園だけ、これは近隣市でも稲城市だけです。市の行っている施策に大義はありません。これからも多くの皆さんと一緒に、認可保育園の新設整備を求めていきます。

【今後の予定について】
3月25日(金)9時半から 予算特別委員会(分科会報告と採決)
3月28日(月)9時半から 本会議(議案の討論と採決)
※本会議はインターネットによる中継も行っています(http://www.inagi-city.stream.jfit.co.jp/
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