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稲城市議会9議会一般質問報告1~介護保険(認知症施策他)・学校体育館のエアコン~ [市議会]

9月4日に市議会第3回定例会の一般質問を行いました。
今回の一般質問では「介護保険制度」「給食費の無償化」「体育館のエアコン」「待機児童対策」「地域猫活動」「都道坂浜平尾線」について質問をしました。
今回も全3回に分けて報告します。
第1回目は「介護保険制度」と「体育館のエアコン」についてです。

誰もが安心して暮らしていける介護保険制度の実現について
(1)「認知症施策推進大綱」について
①「認知症施策推進大綱」が作られた背景と全体的な特徴的について聞きます。
→認知症の人ができる限り地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現をめざし、2019年6月18日に取りまとめられました。
→「基本的な考え方」の中では、「認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会をめざし、認知症の人や家族の視点を重視しながら、『共生』と『予防』を車の両輪として施策を推進していく」と記載されています。
→「共生」について「認知症の人が、尊厳と希望を持って認知症とともに生きる、また、認知症があってもなくても同じ社会でともに生きる」と記載されています。「予防」については「『認知症にならない』という意味ではなく、『認知症になるのを遅らせる』『認知症になっても進行を緩やかにする』」と記載されています。
②具体的な施策の「普及啓発・本人発信支援」の主な内容について聞きます。
→認知症に関する理解促進、相談先の周知、認知症の人本人からの発信支援です。
→「認知症に関する理解促進」の主な内容は、認知症サポーター養成の推進、子どもへの理解促進です。市の取り組みについては、2008年から認知症サポーターの養成に取り組んでいます。また、市内の中学校3年生を対象に認知症サポーター養成を行っています。
→「認知症の人本人からの発信支援」の主な内容は、「認知症とともに生きる希望宣言」の展開です。市の取り組みについては、現時点ではありません。今後、認知症カフェ等の取り組みの中で、認知症の人やその家族、支援者等の意見などを踏まえて研究していきます。
③具体的な施策のもう一つ、「予防」の項目の主な内容について聞きます。
→認知症予防に資する可能性のある活動の推進、予防に関するエビデンスの収集の推進等です。
→「認知症予防に資する火星のある活動の推進」の主な内容は、地域において住民主体で行う介護予防に資する取り組みである「通いの場」の拡充です。市の取り組みは、介護予防体操の自主グループ化と「通いの場」の拡充のための支援を行っています。
④この大綱について市の施策へどのように反映をさせていくのかについて認識を聞きます。
→市介護保険事業計画に基づき、認知症施策を推進していきます。今後の新たな認知症施策については、市介護保険運営協議会等において議論を行ったり、関係機関と連携・意見交換を行ったりしながら計画に位置付けていきます。
→認知症の人の視点を、認知症施策の企画・立案等に反映することも含め、新たな認知症施策については、今後議論等を行いながら計画に位置付けて推進していきます。
<解説>
 第7期介護保険計画も半分が終わりました。国からは次期の介護保険計画に向けた考えが出され始めています。どのような状況になっても地域の中で安心して暮らしていける介護保険制度を求める立場から質問しました。
 これまで認知症の施策としてはオレンジプラン、新オレンジプランなどが厚生労働省によって作られて推進されてきました。それらの流れを受けながら、省庁横断的に作られたのがこの「認知症施策推進大綱」です。今回の質問では、この大綱の内容とそれを当市の中でどう具体化していくのかということなどについて議論していきました。
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※「認知症対策推進大綱」について知らせる厚労省のホームページ

「共生」の具体化である、「理解促進」ではサポーター要請講座に大人だけでなく、子どもたちも対象にして行ってきたということです。それでは「本人からの発信支援」はどうかというと、ここが弱いんです。大綱の中では以下のように述べています。
「認知症の人本人からの発信の機会が増えるよう、地域で暮らす本人とともに普及啓発に取り組む。」
「認知症の診断直後の支えとなるよう、認知症の人の暮らし方やアドバイスなどをまとめた『本人にとってのよりよい暮らしガイド(本人ガイド)』、 本人が今伝えたいことや自身の体験を話し合った『本人座談会( DVD )』を普及する。」「認知症の人本人が、自身の希望や必要としていること等を本人同士で 語り合う「本人ミーティング」の取組を一層普及する。」「市町村はこうした場等を通じて本人の意見を把握し、 認知症の人本人の視点を認知症施策の企画・立案や評価に反映するよう努める。」 などです。
 私は2018年12月3日の第4回定例会一般質問で同じ内容について質問しています。「本人ミーティングは認知症に対する理解を広げ、ご本人たちの自信にもつながる取り組みではないか」「本人ガイドを市立病院や健康センター、地域包括支援センターなどでも活用をしてほしい」「『認知症とともに生きる希望宣言』の積極的な配布や活用はどうか」などです。この大綱の車の両輪は「共生」と「予防」だとされています。その共生の中の具体的な取り組みとして、「本人からの発信支援」が位置付けられています。
「予防に資する活動」としては、スポーツ実施率や通いの場への参加率などが目標に取り込まれました。しかし、これも危ういものがあるのではないでしょうか。確かに運動をしていなかったり、孤独であったり、社会的なつながりの弱い人ほど不健康な状態になりやすいというのは、様々な研究で証明されつつあります。けれど、それはなぜそういう状況になったのかということと切り離すことはできません。スポーツ実施率や通いの場への参加率をあげようとする中で、そもそも参加しない、参加できない人の理由や暮らしの状況などが置き去りになってしまうのではないかということを危惧します。
 私は2018年6月14日の第2回定例会一般質問で、「いかに認知症にならないようにどれだけ予防活動をしても、一定の割合で誰でもが認知症の症状を発症するのは避けざるを得ない」「「認知症にならない」「認知所の治療を早期に行う」ことも大事だが、それ以上に「認知症になっても暮らしていけるまちづくり」というものを広げていく必要があるのではないか」と述べました。
 今もこの問題意識は変わっていません。認知症を理由にして本人の行動や活動が制限をされるのではなく、認知症になっても新しいことにチャレンジしたり本人の可能性を引き出すような支援や援助を第一に据える、そういった共通の考えや合意形成を作っていく事が本当に必要ではないかと考えます。そういった観点で、議論を深めてほしいと思います。今後の認知症施策の議論の際に、ぜひご本人たちの声や考えが反映されるような仕組みを検討してほしいと求めました。

(2)「ケアプラン有料化」について
①2019年6月19日付財政制度等審議会 財政制度分科会「建議」において、「ケアマネジメント」についてどのように記述されているのか聞きます。
→財政制度分科会「建議」では、「ケアマネジメントについても、世代間の公平性の観点等も踏まえ、利用者負担を設けるとともに、評価手法の確立や報酬への反映を通じて、質の高いケアマネジメントを実現する仕組みとすべきである」とされています。
→同分科会の資料では、「居宅介護支援については、ケアマネジメントの利用機会を確保する観点等から利用者負担が設定されていない。このため、利用者側からケアマネージャーの業務の質へのチェックが働きにくい構造」「利用者自身が自己負担を通じてケアプランに関心を持つ仕組みとした方が、サービスの質の向上につながるだけでなく、現役世代の保険料負担が増大する中、世代間の公平にも資すると考えられる」とされています。
②介護保険制度における「ケアマネジメント」の位置づけと役割について聞きます。
→介護保険の基本理念である利用者本位及び自立支援を実現するサービス提供の手法として位置付けられています。その役割は、高齢者の生活の質の維持・工場を目指す観点から、サービス担当者が利用者の立場でそのニーズを把握し、関係者が一緒になってサービスの基本方針であるケアプランを策定し、実行する仕組みです。
③「ケアプラン有料化」は行うべきではないと考えますが認識について聞きます。
→国において給付と負担の見直しとして、介護のケアプラン作成に関する給付の在り方が議論されています。介護保険の制度改正については、一定の方向性が明らかになった時点で、保険者としての影響などを判断していきます。
<解説>
 財務制度審議会「建議」の中では、現在自己負担がない「ケアマネジメント(つまりはケアプランの作成)については利用者負担を設けて、質の高いケアマネジメントを実現する」となっています。
 しかし、財務省の資料では「ケアマネジメントについては、利用機会を確保する観点から利用者負担が設定されていない」となっています。これは当然ではないでしょうか。介護保険サービスを利用するためには、入口であるケアプランが作られなければ利用できない。まずは誰もが介護保険を利用できるように、ケアプランの作成は自己負担なしで行われています。
 同時に同じ資料の中で「利用負担が無いために、ケアマネの質のチェックが働きにくい」「利用者が自己負担をすることでケアプランに関心を持つようにした方が、サービスの質の向上につながる」などと言っています。これは本当に使い古された理屈です。お金を負担していないから関心を持たないわけで、お金さえ出すようになれば関心を持って質の向上につながるなどいう空想的な理屈は、いい加減止めるべきではないでしょうか。
 東京都が発行している「居宅介護支援専門員業務の手引」の中に、こういう風に書かれています。
<ケアマネジメントの質の向上は事業所ぐるみで>
 居宅介護支援(ケアマネジメント)は、担当の介護支援専門員が一人で抱え込んでこなすには限界もあります。事業所内の介護支援専門員が情報を共有し、事例検討会を開催し、協力体制を築いていくことが不可欠です。
 幅の広い個々のニーズに応えるため、ケアマネジメントの「質の向上」に向けての課題は、介護支援専門員の個人の資質に委ねるばかりでなく、同時に福祉サービス提供組織として取り組むことが重要です。 
 これは東京都が6年前に作った文書です。財務省のものより、よほど納得できます。現場のケアマネさんは本当に日々苦闘をされていると思います。そういった皆さんの努力を、自己負担が無いから質が低いんでしょう、みたいな粗雑な議論をするのは本当に許せません。
 実際には8月29日から、厚労省の部会で次期介護保険計画に向けた負担増についての議論が開始されています。私もこの議論を注視しながら、次の介護保険計画に向けた動きについて今後も取り上げていきたいと思います。

体育館のエアコン設置の早期実施による、安全に学べる教育環境の実現について
(1)現在までの工事の進捗状況について聞きます。
→電源設備の調査を完了し、年度内の設置に向けて工事の契約手続きを進めているところです。
(2)今後の学校別の工事計画について聞きます。
→10月上旬に請負業者を決定し、学校等と調整して実施時期を決定していきます。
(3)工事が学校行事や体育館使用に与える影響について聞きます。
→安全かつ円滑に工事を実施するため、学校や市民団体等の利用を一定期間制限することを想定しています。
→予約については、業者決定の時期が10月上旬を予定していることから、11月以降に体育館を使用する予約の受け付けを一時中止しています。今後については、学校ごとの工期が決まり次第、工事に支障とならない日程について予約受付を再開する予定としています。体育館利用団体等には文書を届けることで、周知に努めています。
<解説>
 9月になり、暑さもピークを超えましたが残暑は続いています。エアコンの無い体育館や教室の使用は引き続き困難な状況にあります。体育館のエアコンの早期設置を求める立場から質問しました。体育館の工事については、10月頃に業者が決定するので具体的に体育館で工事が始まるのはそれ以降だという事です。
 2019年6月5日の第2回定例会一般質問では9月からの体育館の予約を止めていたということですが、これが11月からに変更されているということです。実質的には11月から工事に入るということです。一部にあった「下半期は完全に体育館が使えないのではないか」という誤解は一定解消されているようですので、引き続き丁寧な対応を求めながら、早急なエアコン工事の実施を今後も求めていきます。

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