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稲城市12月市議会一般質問報告1~第6期と第7期介護保険計画について~ [市議会]

 12月1日に稲城市議会第4階定例会(12月市議会)での一般質問を行いました。今議会では1.第6期介護保険事業計画について、2.第7期介護保険事業計画について、3.国民健康保険制度の現状について、4.国民健康保険制度の都道府県会について、5.子ども・子育て支援事業の見直しについて、の5つのテーマで質問を行いました。質問と答弁を合わせて2時間以上の長時間のやり取りとなりました。全3回に分けて報告をします。
 今回は「1.第6期介護保険事業計画について」と「2.第7期介護保険事業計画について」を報告します。
 なお、今回の介護保険の質問では計画の概要に関する詳細なデータについて聞きました。文章にすると分かりづらいので、一覧表にして報告します。文章の「№〇〇」はそれぞれ表の番号に連動しています。

1.第6期介護保険事業計画について
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(1)人口及び要介護者数について
①2015年から2017年までの65~74歳と 75歳以上の人口数について聞きます。
→№1と№2です。
→計画時の推計数とほぼ計画通りの数となっています。
②2015年から2017年までの第1号被保険者数と第2号被保険者数について聞きます。
→№3と№4です。
→計画時の推計数とほぼ計画通りの数となっています。
③2015年から2017年までの要介護と要支援認定者の総数と認定率について聞きます。
→№5と№6です。
→計画時の推計数とほぼ計画通りの数となっています。
④2015年から2017年までの要支援1~要介護5までのそれぞれの認定者数について聞きます。
→№7~№13です。
→計画時の推計数と比べると、軽度者の数が低くなっています。総合事業の対象者が想定よりも多かったことによると考えられます。
(2)介護サービス利用者数及び給付費について
①2015年から2017年までの介護サービス利用者数(見込み含む)のサービス別の数について聞きます。
→№14~№16です。
→計画の推計数の9割前後の実績で、計画の範囲内のものとなっています。
②2015年から2017年までの介護サービス給付費(見込み含む)のサービス別の金額について聞きます。
→№17~№19です。
→計画の推計数の8割から9割前後の実績で、概ね計画通りとなっています。
(3)財政状況について
①2015年と2016年度の歳入・歳出・実質収支について聞きます。
→№20~№22です。
→財政状況は黒字であり、健全な保険財政となっています。
②2014年から2016年度までの介護保険給付準備基金の推移について聞きます。
→№23です。
→準備基金の役割は、費用に不足が生じたときに備えるためのものです。
<解説>
 第6期介護保険計画も残りわずかとなりました。計画された事業がどのように実施され、その中身が次期の計画にどのように反映されようとしているのかについて、市の認識を聞きました。
 65歳から74歳のいわゆる前期高齢者の方は概ね1万2百人代を前後していて、75歳以上のいわゆる後期高齢者の方は毎年6~7%程度増加しています。高齢者の数はほぼ計画通りに推移しています。
 要介護者と要支援の認定者数は2500人を超えましたが、毎年の増加率は1~2%です。認定率はほぼ横ばいです。計画では2017年度の段階では要介護者数は2609人と推計されていましたが、それを下回っています。要介者数については、要介護度によってばらつきがでています。
 サービス利用者の特徴は、在宅サービスが減少していることです。当初は月1300人利用されていた在宅サービスが要支援者による総合事業の開始で一気に減少して、現状でも1300人を上回っていません。
 第6期計画の全体の数字についは認定者数、それぞれのサービス利用数、給付額などほぼすべてが当初の計画の範囲内、どちらかというと1~2割少ない段階で利用をされています。これをオーバーするとはそれはそれで大変なわけですが、財政上も健全な運営になっているということです。それでは、この実績をもとにして次期の計画をどのように作っていくかという事が重要になります。

2.第7期介護保険事業計画について
(1)「介護予防・生活支援サービス事業」について
①2016年度の訪問型サービスのサービス別の利用者数と事業費について聞きます。
→「現行相当」サービスは2433件、約4200万円の利用です。「訪問型A」サービスは184件、約204万円の利用です。
→「現行相当」と「訪問型A」の違いは、訪問型Aサービスでは「身体介護」が行われません。人員基準も訪問型Aは管理者の条件や、最低人員数などを緩和しています。
→多くの利用者が「現行相当」を利用している理由は、利用者がこれまで利用してきた事業所を変更せずに、継続利用しているためです。
②2016年度の通所型サービスのサービス別の利用者数と事業費について聞きます。
→「現行相当」サービスは4979件、約1億2600万円の利用です。「通所型A」および「通所型C」サービスは751件、約867万円の利用です。
→「現行相当」と「通所型A」の違いは、サービスの内容は大きな違いはありませんが、職員の人員数や相談員の配置などを緩和しています。「通所型C」は、短期に集中的に機能訓練を行うサービスになっています。
→多くの利用者が「現行相当」を利用している理由は、利用者がこれまで利用してきた事業所を変更せずに、継続利用しているためです。
③第7期計画における同事業の「方向性」について聞きます。
→2018年3月末で「現行相当」サービスのみなし指定の有効期間が終了するために、新たに「訪問型A」に「初期加算(仮称・身体介護加算)」を、「通所型A」に「入浴介助加算」を創設します。
→訪問サービスの「現行相当」と比べた「訪問型A+初期加算」の報酬単価は、およそ8割程度です。通所サービスの「現行相当」と比べた「通所型A+入浴介助加算」の報酬単価は、およそ7~8割程度です。
→報酬単価についてはサービス内容や人員基準が違うために、「現行相当」と同じではありません。現在、報酬単価が低いことを理由にした事業者からの撤退の申し出はありませんので、適切な単価接待になっているものと考えています。
→2016年3月議会の一般質問で答弁した通り、総合事業の利用者が「適切なサービスを利用できる」ように話し合いをすすめています。
<解説>
 これは、第6期介護保険計画から新しく始まった「要支援1・2」の人向けのサービスの今後の方向性についてです。第5期計画でサービスを利用していた人が、第6期計画でも同じ内容で訪問介護や通所介護を受けられるように「現行相当」サービスを設定していました。しかし、第7期からは要支援の人のほとんどが利用している「現行相当」サービスを廃止して、身体介護が含まれてなかったり、人員基準が少なかったりするサービスに移行をさせるということです。
 2016年3月議会の私の一般質問にへの市の答弁で「平成30年度以降の現行相当サービスの事業所につきましては、総合事業の利用者が適切なサービスが利用できるよう適切に対応してまいります」と答えています。これに対して市は「適切なサービスは利用できる」という事ですが、けっきょく事業者の報酬は下がっていくことになります。ただでさえ、中小の訪問介護や通所介護の事業所の経営状況は厳しい実態があります。そういった状況に配慮をするのなら、少なくとも加算を付けうえで「現行相当」と同じだけの単価は維持をすべきではないでしょうか。
 「事業者の撤退はない」ということですが、本当にそうなのでしょうか。今後、事業者の実情や利用者の利用状況を継続して調査をしていく必要があります。なによりも、身体介護や入浴介助を求める利用者のサービスは適切に維持すべきであると求めました。

(2)サービス基盤の整備について
①第7期計画内での「特別養護老人ホームの整備」について認識を聞きます。
→事務局案では、新規整備の予定はありません。
②第7期計画内での「地域密着型サービスの整備」について認識を聞きます。
→事務局案では、2020年度にグループホームを12床増やす計画です。
③第7期計画内での「その他の施設サービスの整備」について認識を聞きます。
→事務局案では、高齢者数の多い地域に地域包括支援センターのサテライト等を設置する計画です。

(3)人口及び要介護者数について
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①第7期計画内での65~74歳と75歳以上の人口数の推計について聞きます。
→№26と№27です。
→2017年から2018年にかけては、前期高齢者が減少して、後期高齢者が増加します。
②第7期計画内での第1号被保険者数と第2号被保険者数の推計について聞きます。
→№28と№29です。
→2017年から2018年にかけては、両方とも増加をします。
③第7期計画内での要介護と要支援認定者の総数と認定率の推計について聞きます。
→№30と№31です。
→2017年から2018年にかけては、後期高齢者が増加するために両方とも増加をします。
→計画の数字については第6期計画の実績を踏まえて計算式に基づいて算出してるので、極端に多いというものではありません。
④第7期計画内での要支援1~要介護5までのそれぞれの認定者数の推計について聞きます。
→№32~№38です。
→2017年から2018年にかけては、後期高齢者数が増加するためにすべて増加をします。
(4)介護サービス利用者数及び給付費について
①第7期計画内での介護サービス利用者数のサービス別の数の推計について聞きます。
→№39~№41です。
→2017年から2018年にかけては、要介護認定者数が増加するためにすべて増加をします。
②第7期計画内での介護サービス給付費のサービス別の金額の推計について聞きます。
→№42~№44です。
→2017年から2018年にかけては、要介護認定者数が増加するためにすべて増加をします。
<解説>
 ここで重要なのは、現状つまり2017年度から、新規計画の1年目つまり2018年度にかけてどのような数値上の変化があるのかという事です。
 高齢者人口については、「前期高齢者」の方は2017年から2018年にかけて147人減って、「後期高齢者」の方は556人増えるという推計がされています。これは、この間の人口伸び率ともほぼ同じ増加数です。はないでしょうか。
 それでは、「要支援・要介護認定者数」はどうでしょうか。2017年度の時点で認定者数は2529人です。2015年度は2432人でしたから、第6期計画の3年間を通して97人しかふえていません。それなのに、2017年度の2529人から2018年度なったら2824人と、いきなり295人も認定者が増える計算になっています。2016年度から2017年度の伸び率は102%なのに、2017年度から2018年度の伸び率は111%です。
 後期高齢者が500人増えるから認定者数は増えると答えましたが、それを言ったら2015年度から2017年度の3年間で後期高齢者数は1083人増えているのに認定者数は100人も増えていません。私はここはハッキリさせた方がいいと考えます。第6期計画の推移傾向と比べると、第7期計画の1年目の2018年度の計画数字は極端に多いように考えます。ここに合わせるから、この後の要介護度別の認定者数やサービス利用者数、給付額もいきなり2018年度に跳ね上がる内容になっています。
 ここで問いたかったのは、第6期計画が実施されて一定の数字がでたわけで、その結果は計画に照らしてどうだったのか、その結果に基づいて第7期計画の数字をどのように作成がされたのか、そのことについてちゃんと説明ができるのかどうかということです。なぜ、2017年度から2018年度にかけていきなりこんなに介護サービスが増えるような計画になっているのか。
 あまりギリギリな計画をつくって、あとから赤字になりましたというのを避ける必要は分かります。しかし、いきなり要介護・要支援認定者数が300人も増えて、給付費が一気に増えるというのは現実的な計画といえるのでしょうか。少なくとも私は納得できませんし、市民の皆さんから指摘をされたら自信を持って答えることはできません。計画の数字についてはちゃんと説明責任が果たせるのかということが、問われていくのではないでしょうか。今後、第7期計画が作られて進んでいく中で、計画の数字と実際の数字がどうだったのかについては、これからも注視をしていきたいと述べました。

(5)介護保険料について
①第6期計画での介護保険料基準額(月額)について聞きます。
→月額4800円です。
→「保険料必要額」は5400円で、差額の分は介護保険準備基金を活用して保険料の引き下げを行いました。
②平成29年度稲城市介護保険運営協議会(第6回)で示された第7期計画での介護保険料基準額(月額)について聞きます。
→月額4800円です。
→「保険料必要額」は5804円で、差額の分は介護保険準備基金を活用して保険料の引き下げをする提案を行いました。
<解説>
 最後は介護保険料の基本的な考え方について質問しました。これまでは準備基金を使って、保険料を下げるようにしてきました。ここで重要なのは、この基金がどうやって生み出されたのかということです。それは市民や高齢者の皆さんが介護予防などに取り組んでもらうことで、介護給付費についても一定の範囲内で納めることができていて、結果として介護保険財政に黒字ができてその分を基金に積み立てすることができているわけです。
 そういった点をふまえると、やはり介護予防の進展などにより健全財政が維持され、それによって発生した基金については保険料の引き下げなどに使うことで還元されるべきであると求めました。この点については、市も基本的に同じ考えを持っているとのことでしたが、最終的には介護保険運営協議会での議論によって決定されていきます。今後も、新たな介護保険計画については注視をしていきたいと思います。
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