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9月議会一般質問の報告①~医療計画と介護保険計画~ [市議会]

 9月7日に9月議会一般質問を行いました。持ち時間45分のうちきっかり45分間使い切って質問をしました。「45分」は私が質問をする時の持ち時間なので、市の答弁も含めると2時間以上を議場でやり取りをしました。今回は2回に分けて報告をします。
 1回目は、「1.稲城市医療計画について」と「2.第6期介護保険計画について」を報告します。

1.稲城市医療計画について
(1)計画の目的と構成について
①「稲城市医療計画」の位置づけ、目的について聞きます。
→位置づけは、2025年に向けた市における地域包括ケアシステムの構築をめざし、稲城市介護保険事業計画との連携を図って、その推進を図るものです。
→目的は、将来の地域医療の課題解決に向けた方向性を示した上で、地域の医療機関や団体と一体となって地域医療の充実を図っていき、市内の医療機関に対して今後も安心して診療所を実施していただけるよう市が支援していくことです。
②「医療に関する市民意識調査」の位置づけ、目的について聞きます。
→位置づけは医療計画策定過程におけるデータ収集であり、目的は市民の医療ニーズを把握するための調査です。
③「あるべき医療提供体制の実現に向けた取組」の位置づけ、目的について聞きます。
→位置づけは、医療計画を踏まえて今後の課題や方向性、必要とされる施策や取り組みについてまとめたものです。
→目的は、これらの施策や事業を中長期的なビジョンとして示すことです。
→示された施策の評価や振り返り、必要な見直しについては、庁内で行っていくとともに、稲城市医師会等地域の医療機関や団体等と協議を行いながら進めていきます。
④「稲城市医療計画」と「あるべき医療提供体制の実現に向けた取組」の相互の関連性について聞きます。
→「あるべき取組」は「医療計画」を踏まえて、市における地域医療の将来像をビジョンとして示したものです。
→これらを2つにわけた理由は、「あるべき取組」の施策は、様々な医療制度改革の中に合って関係機関と協議しながら柔軟に進めていくために、分割をしました。
(2)「稲城市医療計画」の「市の医療施策の推進」について
①「回復期病床」と「慢性期病床」の将来の当市の地域医療における役割について聞きます。
→主に入院需要が多いと推計されるのは、循環器系の疾患(脳卒中や脳梗塞)、新生物(癌)、精神及び行動の障害(認知症)などです。
→「回復期リハビリテーション病床」「地域包括ケア病床」「医療療養病床」については、市民が利用しやすいように市内又は近隣市において、一定数確保することが必要と考えています。
②「2025年の稲城市のあるべき姿の予測」における、「在宅医療、介護施設、居宅サービス等の増加」の具体的な内容について聞きます。
→2014年から2025年にかけての種目件数と人数の増加予測は次のとおりです。
  在宅医療7,343件から14,762件/介護老人福祉施設2,640人から4,404人/介護老人保健施設1,416から3,972人/訪問介護(予防含む)は6,408人から13,536人/訪問看護は2,316人から5,904人/通所介護は11,556人から13,860人/福祉用具貸与は8,328人から24,540人
→「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」などの施設サービスについては、介護保険事業の中でニーズに応じて提供されるものと考えています。
(3)「あるべき医療提供体制の実現に向けた取組」の内容について
①「診療科の充実」の「診療所の開設支援等」の具体的な計画について聞きます。
→市内において医療需要が高い又は、将来の需要増加が見込まれる診療科については、そう機能を充実させるために診療所の開設支援等の検討を行うものです。
→現在、区画整理が進む区域などにおける診療科の充実、診療所の開設支援等について情報収集に努めて、検討を始めています。
②「回復期・慢性期病床の確保・充実」の「地域包括ケア病床の確保等」の具体的な計画について聞きます。
→今後の高齢化や在宅医療への移行を見据えた場合、回復期・慢性期病床が必要となると判断しておりますが、具体的な計画はまだありません。
③「回復期・慢性期病床の確保・充実」の「療養病床を有する有床診療所の開設」の具体的な計画について聞きます。
→現時点では具体的な計画はありません。
→全国の一般診療所の数は約10万施設、「療養病床を有する有床診療所」の数は994施設、全体に占める割合は約1%となっております。
④「在宅医療の充実」の「治療・療養期までの切れ目のない体制構築の支援」の具体的な計画について聞きます。
→第6期介護保険事業計画において、在宅医療・介護連携推進事業として切れ目なく在宅医療と介護が一体的に提供される体制の構築が推進されており、本事業の取り組みと連携・協力して推進することとしております。
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※医療計画の冊子

<解説>
 今年の3月に「稲城市医療計画」及びその付属報告が公表されました。これらの医療計画がこれからの稲城市の地域医療の発展と、市民の生活と福祉の向上に寄与するものであることを求めて質問しました。
医療計画については、私はこの間の議会で何度か質問してきました。その際には「稲城市独自の取り組み」であり、「東京都に対して提言もしていきたい」と答弁されてきました。本文中の「計画の位置づけ」の②でも、「東京都において現在推進中である『東京都保健医療計画』に対して、地域医療介護総合確保基金の利活用提案等について市より提言するもの」と述べられています。具体的な提言はこれからということですが、23区と比べても多摩地域は24時間往診を行う医療機関も少ないのが現状です。そういった往診医療を行う医療機関に対する補助や助成などを東京都が実施をすることについて稲城市が医療計画を基に提言するなど、積極的な提案を期待したいです。
 将来の医療需要として脳梗塞や脳内出血の病気でリハビリや、長期の癌治療、認知症への対応などのために中長期の入院が可能な病床が必要であるとしています。そういった方々に対応するベッドを増やしていく事は確かに必要であるとは思いますが、同時に医療による入院対応だけではなく在宅介護や在宅医療の強化にも関わっていくのではないでしょうか。
 2025年に向けて、様々な介護サービスも増えていくと推計もしています。介護老人福祉施設、いわゆる特別養護老人ホームは現状の2倍以上の利用者になると推計されています。市内の特養ホームで市民の利用割合を増やしていくことも大事ですし、特養ホームそのものの新設も必要になってきます。市としても施設の介護サービスが増えると予測をしているのであれば、ぜひそれに対応をした施設整備を進めていく事が求められるのではないでしょうか。
 一点、見直しを求めたのは「療養病床を有する有床診療所の開設」のための支援を検討していくという内容です。全国の診療所が10万施設以上ある中で、「療養病床を有する有床診療所」はたったの1%です。今の医療制度の中ではそもそも有床診療所自体が経営的に厳しく、しかもその中でも療養病床を備えている施設は本当に限られています。率直に言って、「療養病床を有する有床診療所」の新規開設の実現可能性はとても厳しいと思います。10年後の課題として挙げられているので、いろいろ努力されるのかもしれませんが、私はこの点については再度の検討をしてもらう必要があると思い、見直しを求めました。
 医療計画の作成にあたっては、様々に努力をされたと思われますし、相当苦労もされたのではないでしょうか。大事なのはこれらの提示した施策を、どのように実行をしていくのかということです。子どもから高齢者まで、医療は多くの人たちの暮らしに関係していきます。今後ともこの医療計画の具体化、実施について注視をしていきたいと思います。

2.第6期介護保険計画について
(1)「介護予防・日常生活支援総合事業」について
①「訪問型サービスA」「通所型サービスA」「通所型サービスC」の直近の利用者数について聞きます。
→6月の実績で、「訪問型サービスA」は13件、「通所型サービスA」と「通所型サービスC」は合わせて53件の利用でした。
②「訪問型サービスA」「通所型サービスA」「通所型サービスC」の現状の事業者数について聞きます。
→8月末の事業者数は「訪問型サービスA」は3事業所、「通所型サービスA」は7事業所、「通所型サービスC」3事業所で6カ所です。
→事業者の募集については、サービスの利用状況などを勘案して必要に応じて公募していきますが、現時点ではサービス提供量が充足をしているため公募の予定はありません。
→訪問型サービスAの従事者資格で定めている「市長が指定する研修受講者」の研修については、サービス提供量が充足しているため現時点では実施の予定はありません。
③「基本チェックリスト」による事業対象者の直近の人数を聞きます。
→6月末の時点で276人です。事業対象者のサービス利用開始までの流れについては、アセスメントを行い、ケアプラン原案を作成し、サービス担当者会議を経て決定します。このケアプランによる訪問サービスや通所サービスの利用者は207人です。
(2)高齢者の住まいについて
①平成27年度からの市内の特別養護老人ホームへの要介護1と2の利用者の相談状況について聞きます。
→要介護1及び2で特別養護老人ホームを利用されている方からは「制度改正後も引き続き利用できるのか」という相談があったとのことです。
→特別養護老人ホームは、在宅サービスで対応できないほど重症であるなど、施設入所が必要な要介護高齢者のための施設です。平成27年度の制度改正では、要介護3以上の重度の高齢者の入所を前提としておりますが、必要な場合には要介護1・2の高齢者の入所も認められております。
②高齢者の住まいの課題について市の認識を聞きます。
→高齢者の住まいについては、高齢者が地域で自立して安全な生活が長く遅れることが重要であると考えております。市では様々な計画に基づき、適切な整備を行っており、現時点で特段の課題は無いものと認識しております。
→これから策定をされます、第3次保健福祉総合計画や第7期介護保険計画の策定において、高齢者の住まいの課題については検討項目の一つであると認識しております。

<解説>
 第6期介護保険計画も開始から1年半が経過して、折り返し地点となりました。現状の到達を確認しながら、「必要な人が、必要な介護サービスを受けられる」介護保険制度を求めて質問しました。
 訪問介護サービスで重要なのは従事者資格の「市長が指定する研修受講者」の研修についてです。稲城市は研修は引き続き未定という事ですが、今年度や来年度から総合事業を開始する自治体では、この「指定する研修」が様々な問題を起こしています。ホームヘルパー2級に相当する介護職員初任者研修は全体で130時間の研修時間が定められているのに、この自治体独自に指定する研修は自治体頃にバラバラで1週間程度の研修をするとことから、半日の研修で済ませて訪問型サービスに派遣しようとしている自治体もあります。この間、質問のたびに専門職種によって実施されている介護サービスの質を落とさないようにと求めてきました。この点については、今後もこの独自の研修を行わないことを求めていきたいと思っています。
 高齢者の住まいの課題について市の認識を質しました。現状では課題は無いという事ですが、今後策定をされる第3次保健福祉総合計画や第7期介護保険計画でも検討課題になるという事です。前述の医療計画でも長期入院が増えると予測していましたが、長期入院の一定部分は家に戻ることができなくて入院せざるを得ない状況の方もいらっしゃいます。今後、平尾地域にサービス付き高齢者住宅も新しくできますが、この施設は安くても月に20万円以上の費用がかかります。国民年金だけの方はまず入居できません。やはり、公的介護施設や高齢者住宅の整備は重要な課題ですので、この点について今後も求めていきます。
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