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稲城市議会6月議会一般質問の報告③~高盛土工事と海外姉妹都市提携~ [市議会]

3回目の報告は「5.「根方谷戸」「よみうりランド坂」高盛土工事について」と「6.海外姉妹都市提携検討市民会議について」です。

5.「根方谷戸」「よみうりランド坂」高盛土工事について
(1)南山東部土地区画整理事業組合について
①組合に対して市が出した補助金の総額について聞きます。
→市補助金の交付額は、平成27年度までに14億1,830万円です。
→東京都補助金の交付額は、平成27年度までに29億9,962万円です。
②土地区画整理事業補助規則に基づく市としての組合への指導監督責任について認識を聞きます。
→稲城市土地区画整理事業補助規則第14条に基づき、事業の適正な施行を確保するため、必要な指導・監査を行うこととしております。
→円滑な事業推進のためには、住民への情報提供等は重要であると認識しております。そのために、引き続き、組合を指導してまいります。
<解説>
 南山東部土地区画整理事業計画内の「根方谷戸」と「よみうりランド坂」の高盛土について、その安全性や継続的な管理体制についての不安は未だに解消をされていません。これらの問題点を明確にし、市民の命と安全を守ることを求めて質問をしました。
 この事業には、市からは14億円を超えるお金が、都からは約30億円、合わせると40億円以上の巨額のお金が補助金という形で出されています。補助規則に基づいて必要な指導や監督はしていくということです。これだけの金額の税金が投入されています。政治的にも、法的にも、市民感情的にも、稲城市は大きな責任を負っているのだという点は押さえておかなければなりません。

(2)高盛土工事にあたっての住民説明会について
①この間の住民向け説明会の開催状況と、そこで出された意見について聞きます。
→平成28年4月23日によみうりランド線沿いの京王マンションと坂下住宅の人を対象にした住民説明会を行いました。またこの他にも、関係する住民40戸を対象に戸別訪問や、矢野口・東長沼・百村の各自治会の代表者へも説明を行っております。
→住民説明会で出されたランド線の暫定歩道整備については、電柱移設後の8月頃より整備をする予定としております。
②今後の住民説明会の開催予定について聞きます。
→組合では、今後も工事の状況により、必要に応じて周辺にお住いの方々や自治会への情報提供や周知を行っていくと聞いております。
→事業の円滑の推進のためにできる限りの譲歩提供が必要であると市としても認識しています。説明会の範囲等については組合とも相談しながら、指導してまいります。
<解説>
 高盛土工事についてついての公開の住民説明会は一度しか行われていません。しかも、限定した住民にしかお知らせをしていない。「可能な限りの情報提供が必要と認識している」と言っていますが、実際にはほとんどの市民が知らないまま工事が進められようとしています。
 「必要に応じて説明会を行う」と答えていますが、これは誰にとって必要なのかということは重要です。当然、住民が必要性を感じて、組合や市に開催を求めればそれに応じるべきものですし、市としても必要性について十分理解をすべきです。自治会への説明も自治会長だけ。なぜ、これだけなのか。過去、根方谷戸が崩落をした時に周辺一帯が大変の被害をうけました。そうであるならば、そういった今後影響を受けるであろう地域一体には広く知らせていくべきと考えます。その点について市は具体的な答弁は避けましたが、実際の本工事開始にあたっては広く住民に知らせていく事を今後も求めていきます。

(3)高盛土の安全性について
①高盛土へ雨水や湧水が浸透することのリスクについて認識を聞きます。
→雨水の浸透や湧水が内部に浸透して、内部に水位が存在した場合には所定の土質定数が維持できなくなることから、雨水や湧水の処理対策は重要であるとされており、内部に排水施設を設置し、安全性に配慮した計画としております。
→近い水の有無については、内部に設置する水圧計の観測により判断をします。工事中に新たに湧水が確認された場合には、排水管を接続して排水をさせます。
②雨水や湧水の排水対策について聞きます。
→雨水対策については、降雨が浸透しないように盛土の表面は透水性の低いローム層で施行するとともに、内部には排水シートや砕石層を敷き接することで排水対策を行います。湧水対策については、盛土底部に排水管を設置して、導水することで排水対策を行います。
→排水管は、3種類の管を総延長3,740メートル埋設します。
→排水シートは適正な施行により破損はしないものと考えます。排水管についても、適正な施行で目詰まりや破損などしないものと考えておりますが、今後の維持管理については組合と協議してまいります。
<解説>
 盛土の中に水が入ると、それだけで安定性が保てなくなる。そのためにも、排水対策は重要であるという事は、市も認めています。
 造成工事検討委員会の答申書で盛土の中に「地下水が無いことが前提条件」となっていますが、どういった状態を根拠にして「地下水が無い」と判断するのかを聞きました。また、同答申書で「新たに湧出が見られることも想定される」となっていますが、どういった状況を想定し、その場合にどのように対応をするのかも聞きました。また、排水対策のための排水シートや排水管の状況についても確認しました。

(4)工事終了後の管理計画について
①盛土上部の事業用地の安全性の確保について聞きます。
→盛土上部の事業用地については、工事完了後は民間事業者が土地を所有し、今後は土地利用を行うことになります。組合では、民間事業者の土地利用に対して雨水が浸透するような土地利用を避けることや、建築にあたり地下の排水施設に支障を及ぼさないことなどの条件を付して引き渡すこととしております。これらについては、組合と民間事業者との間で土地利用における条件を記した協議書を締結する予定としております。
→組合解散後は、市が土地利用の審査、指導を行ってまいります。また、条件が守られない施設ができた場合は、条件を守るように「宅地開発指導要綱」や「土地利用計画」などの行政指導も研究してまいります。
②盛土斜面の公園や緑地帯の安全性の確保について聞きます。
→盛土造成された公園や緑地については、土地区画整理事業の完了時に組合から市に移管され、その後は市で管理することになります。市に移管するにあたっては、組合において傾斜計、沈下計、水圧計などを設置して観測することで、沈下や耐水の有無などの盛土造成の安定を確認したうえで市に移管されることになります。
→盛土が安定したと判断した後も、引き続き観測を実施することが必要と考えております。組合解散後は市が一定期間観測を行ってまいります。
③盛土全体に対する継続的、永続的な管理体制の必要性について認識を聞きます。
→盛土施工期間だけでなく、完成後も沈下や安定について長期に渡り観測することが必要であると考えております。組合ではこれらの観測方法や管理体制などについて、専門家のご意見などを踏まえ検討しており、今後も組合と協議をしてまいります。
→検討時期については、平成28年度内の検討を考えております。
<解説>
 盛土工事終了の土地の利用については、ほとんど決まっていません。しかしやり取りの中ではっきりしたのは、盛土を作った後も延々と観測や監視や土地利用のチェックをし続ける必要があるという事です。水を侵入させたら安定性が損なわれると認められる以上は、この責任は絶対に逃れられません。稲城市は、その責務を負い続けることになります。
 既に工事は始まっています。私はしっかりした監視体制や管理計画ができないうちは工事を始めるべきではないと言ってきました。始めた以上は10年、20年、30年にわたる監視体制や管理計画を準備する。それができなければ、即刻工事は止めるべきです。今後もこの問題については継続して取り上げていきます。
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※複雑な構造な盛土堤体内部

6.海外姉妹都市提携検討市民会議について
(1)平成27年度第4回市民会議での議論や検討内容、出された意見について聞きます。
→主な意見として、交流事業の中身や候補地の選定にあたり、多岐に渡る議論を絞り込んだ方が良い、紹介者や仲介者がいないと現実的な話とならない、行政に対しては目的を明確に整理してほしい等がございました。
(2)海外都市との姉妹都市提携の実施をするかどうかについて認識を聞きます。
→第4回市民会議において、全会一致で「海外姉妹都市提携は行う」という議決がされておりますので、その決定を尊重して進めてまいります。
(3)市民会議の中で出された市長に対する厳しい意見や批判についてどのように受け止められているのか、市長の認識を聞きます。
→市民会議での議論の過程においては、様々なご意見が活発に交わされているものと認識しております。私といたしましては、海外姉妹都市提携に向けては、市民の中に大きな期待がある一方で、新しい施策への不安等があることから、真剣な議論の表れであると認識しております。私は全ての市民会議に同席している訳ではございませんので、直接、発言内容を伺ってはおりませんが、議事録を読みますと、私自身に対する批判などはあったとは、認識しておりません。
<解説>
 海外都市との姉妹都市提携について話し合う市民会議が全4回開かれ、前年度の会議は終了となりました。結果的に、私は毎議会で取り上げることとなりました。
 全4回を通して決まったこととしては、なんらかの形で海外の都市と姉妹都市提携は結んだ方がよいだろうということです。この会議の中では、市の進め方、率直に言えば市長の進め方についても、厳しい意見や批判がされました。市長は「批判はなかった」と断言をしました。しかし、本当にそうなのか?ということです。私は全4回を傍聴し、議事録も読みました。せっかくなので、一部を紹介します。
 議事録には、「海外都市と交流していくのは良い事だと思いますし、個人的には反対しないんですけど、ここですぐに姉妹都市を提携して、それ有りきで何かを始めるというのは、市民感情的にはあまり賛成できない」「それに予算をつけて何かやるというのは、なんとなく、今の段階では考えられないんじゃないかと思います。あやふやな予算を付けて、それを何のためにやるかも分からないのに予算を付けるというのは」「フォスターシティー市の視察報告資料では市長さん、部長さん、課長さん、何を視察してきたのか、全然わかりません」「あの資料で何がわかるんですか。ただ写真を貼っただけではないですか。私たちは行っていないのだから、行っていない人間がわかるような資料をください。」というご意見がだされています。
 つぎは第4回目の会議で出された意見です。これは議事録が公開されていないので、私の傍聴メモの記録からの紹介ですが、「検討市民会議の前に行政が最初に視察に行ったことが話しをややこしくしている」「報告をどれだけ読んでも、何のために行ったのか見えてこない」といったご意見です。やはり、あのフォスターシティ市への視察は余計だったのではないか、なぜあそこに行ったのか、何のために行ったのか、多くの人が納得ができていないことがここからもわかります。
 市長は舛添前都知事の問題に対して、定例記者会見で次のように述べました。「大変恥ずかしい。都民の関心は違法性ではなく、私的流用があったかどうかだ。金を使った本人の知事が自ら、どういう意図で使ったのか、しっかりと説明する責任を果たしていない」。この言葉は、結果として様々な意味を持つことになっています。フォスターシティ市の問題についての明確な総括や説明がやはり求められているのではないでしょうか。この問題について終わったこととせずに、今後も市長の明確な対応を求めていきます。
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※市長の発言を報じる新聞記事
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