稲城市海外姉妹都市検討市民会議を傍聴しました [市議会]
昨日（２２日）の夜に、稲城市海外姉妹都市提携検討市民会議（以下、市民会議）の第１回会議が開かれ、傍聴をしてきました。
この会議は６月議会、９月議会の議案審議の中で紛糾議案となったアメリカのフォスターシティ市との姉妹都市提携について話し合う会議です。
この間の経過については、それぞれ過去の記事をご参照ください。
９月３０日付記事「稲城市議会９月議会が閉会しました」
９月２９日付記事「市議会最終日は波乱の内容です」
９月１１日記事「補正予算委員会で補正予算案が否決されました！」
昨日の会議の議題は主に、
１．市長あいさつ
２．委員の自己紹介
３．市民会議設置要綱の確認
４．委員長・副委員長の選出
５．フォスターシティ市に関するこれまでの経過報告と意見交換
６．その他・次回日程
でした。
それぞれの議題毎に気になった点について報告します。
１．市長あいさつ
市長はあいさつ冒頭で、この市民会議の目的として「海外都市との姉妹都市提携の在り方」「候補地の選定」「交流事業の内容」などについて検討してほしいと言いました。そして、「海外姉妹都市提携については市の長期総合計画にも位置付けられている」「平成３年に北海道女満別町（当時、現大空町）との提携の際にも、検討会議の中で『海外との提携についても検討を』という意見があった」ので、決して個人の思いつきで始めたものではないことを強調しました。
これは議会で言われた「市長含めた数人の個人的意向で姉妹都市提携が進められている」「長期総合計画には海外の都市との姉妹都市提携なんて一言も書いていない」という意見を意識した発言であると思います。長期総合計画の中に書いてあるのは「市民を中心にその他の都市との交流を推進して…」という内容です。「その他の都市」に海外の都市が含まれるかもしれませんが、あくまでも「市民を中心に」することが前提です。さらに、平成３年という２０年以上前の会議の発言を引用するなど、今回の議案の正当性を演出するための理屈づけがだいぶ厳しいのが伺えました。
その他、あいさつのなかでは、「個人的には海外旅行と区別のつかないような海外視察や海外姉妹都市提携については否定的であるが、これからはオリンピックもある。子どもたちが海外の人と触れ合う機会を増やすような姉妹都市提携を目指したい」「大空町、野沢温泉村、南相馬市との交流も最初は個人的なつながりが始まりで、その後に姉妹都市提携を結んで本格的な交流を行うようになった」「年度内はじっくり検討してほしい」と述べるなど、議会での批判を念頭にした発言が多かったのが特徴でした。
２．委員の自己紹介
委員に選ばれたのは、市内で活動をしている各団体の代表です。委員の市民公募はなく、団体の選定は市が行いました。参加団体は自治会連合会、農業委員会、商工会、消防団、体育協会、教育委員会、三曲協会（教育関係者）、芸術文化団体連合会、ＰＴＡ連合会、青少年育成地区委員会、国際交流の会、ロータリークラブ、国際ソロプチミスト、青年会議所、市民活動サポートセンターの１５団体で、各団体から１人ずつ１５人が委員として委嘱をされました。
委員の自己紹介の中で団体の活動紹介や姉妹都市提携についての考えが話されましたが、１５人中４人の人から「フォスターシティ市との姉妹都市提携が議題だと聞いているので良く論議したい」「フォスターシティ市との提携ができれば夢が広がる」などのフォスターシティ市との提携が前提であるかのような発言が出されました。逆に３人の人からは「スタートラインに立って話しをしたい」「市民に歓迎されるような議論をしたい」など広く論議をしたいとの発言がありました。
３．会議設置要綱の確認
事務局の企画部の職員から市民会議の設置要綱が報告されました。委員の任期は平成２８年３月３１日（今年度末）までだということ、会議は原則公開だということ、議事録を作成することなどが確認されました。
４．委員長・副委員長の選出
委員長は商工会代表の方が、副委員長は市民活動サポートセンター代表の方が選出をされました。
５．フォスターシティ市に関するこれまでの経過報告と意見交換
事務局の企画政策課長から、フォスターシティ市に関するこれまでの経過と８月５日～９日に市長及び３人で行った視察の概要が報告されて、それについての意見交換が行われました。
以下、意見交換で出された特徴的な意見について箇条書きで記載します。似ている意見をまとめたので、実際に話された順番とは少し違っています。
・団体内からも、ぜひフォスターシティ市との提携を実現してほしいと言われてきた。
・英語圏の国と提携するのは良い事だと思う。フォスターシティ市は西海岸で直行便もあって近くて良い
・今、盛り上がっている時にこそ姉妹都市提携をした方が良い
・運動施設が充実をしているのは良い
・子どもの教育のためにも留学やホームステイを充実させたい
・市内に宿泊施設が無いので、もし先方の人たちを受け入れるようになったら対応をどうするのかを知りたい
・（姉妹都市提携）をした際に相手がどのような交流を望んでいるのかを知りたい
・相手の受け入れ態勢が整っていても、稲城市の側も宿泊先などの受け入れ態勢を整備した方が良い
・まずは向こうから来てもらうことから始めた方が良い
・市民会議の依頼を聞くまではフォスターシティ市という街は知らなかった
・フォスターシティ市以外にも他の都市について調べて、ゆっくり検討してもいいのでは。やはりアメリカは遠い。もし、子どもたちがホームステイや留学などをするとなった時に交通費などの経済的な負担を各家庭に求めるのは大変だと思う
・フォスターシティ市に限定せずに、検討した方が良い。英語圏と言うならアメリカやヨーロッパ以外でも英語圏の国はある
・自分は準備会というものに出ていないので、そこでどういう話しがされているのかはよくわからない。しかし当初聞いた話とはだいぶ様子が違っているようだし、市議会でも修正提案が２案出されるなど様々な意見が出されたと聞いている。そういったものをちゃんと報告してほしい
・候補地を選ぶ前に、交流や受け入れの内容から検討した方がよい
・だいぶまえに教育委員会の予算で海外との交流や友好事業について調べたことがあるはず。その時の状況についても確認したい
・市議会では６月議会は予算が可決されて、９月議会は修正がされている。どういった事情でそうなったのかを知りたい
・この間、稲城の中で様々な団体や個人によって海外の人や町と交流がされている。そういった事についても振り返って検討したが方が良い
・市長の視察報告の内容が写真だけで、どういった話しがされたのかなどまったく分からない。もっと詳細な報告書を出してほしい
・市長の視察に市の職員じゃない人が同行している。この人の役割や立場は何のかを知りたい
主な意見は以上のとおりです。
意見の内容を大きく分けると、
①留学やホームステイを充実させるためにもフォスターシティ市との提携をすぐに進めるべき
②フォスターシティ市にこだわらずじっくり考えるべき
③過去の経過やこれまでの取り組みについて総括するべき
という３通りの意見が出されました。
出された意見や質問については次回の会議の時に事務局から答えるということで、今回はまずは意見交換だけで終わりました。
６．その他・次回日程
次回日程を決める中で委員の方から事務局に対して、「今後の進め方をどうするのか？」との質問が出されました。それに対する市の答えは「年度内に結論を出すつもりではない」「様々な角度でじっくり検討してほしい」「進め方についても、委員会の中で意見を貰って進めていきたい」というものでした。
次回の検討会議は【１１月２５日 １９時～ 於：消防署３階講堂】となりました。
＜参加をした感想＞
第１回の会議ですが、今後の運営は前途多難であると感じました。
委員の任期は来年３月末まで、議会で承認された予算は４回分の会議費のみです。１回目の会議ですらこれだけ多様な意見が出されているのに、それを残り３回の会議で一定の方向に出すのはそうとう難しいと思います。
しかも、市長は冒頭あいさつで「年度内じっくり検討して結論出してほしい」と言ったのに、事務局の市職員は最後の質問に「年度内に結論を出さないでじっくり検討してほしい」と言いました。既に市長と事務局の間で意見が違ってきています。年度末になれば今の委員の皆さんは任期終了です。そこで結論が出なければ、次はだれが論議をするのでしょうか？任期の延長でもするのでしょうか？とても、具体的な話にまでは入れないと思います。
今回のフォスターシティ市との姉妹都市提携については、前代未聞の予算案の削除修正という事態になり市民の皆さんの関心も高く、市政の一大争点になっています。私も、１２月の議会で引き続き市長や市の姿勢について聞いていくつもりです。今後も市民会議の傍聴を続けて、どのような議論がされていくのかを注視していきたいと思います。また多くの皆さんが傍聴に来ていただき、どのような議論がされているのかを知っていただきたいと思います。
この会議は６月議会、９月議会の議案審議の中で紛糾議案となったアメリカのフォスターシティ市との姉妹都市提携について話し合う会議です。
この間の経過については、それぞれ過去の記事をご参照ください。
９月３０日付記事「稲城市議会９月議会が閉会しました」
９月２９日付記事「市議会最終日は波乱の内容です」
９月１１日記事「補正予算委員会で補正予算案が否決されました！」
昨日の会議の議題は主に、
１．市長あいさつ
２．委員の自己紹介
３．市民会議設置要綱の確認
４．委員長・副委員長の選出
５．フォスターシティ市に関するこれまでの経過報告と意見交換
６．その他・次回日程
でした。
それぞれの議題毎に気になった点について報告します。
１．市長あいさつ
市長はあいさつ冒頭で、この市民会議の目的として「海外都市との姉妹都市提携の在り方」「候補地の選定」「交流事業の内容」などについて検討してほしいと言いました。そして、「海外姉妹都市提携については市の長期総合計画にも位置付けられている」「平成３年に北海道女満別町（当時、現大空町）との提携の際にも、検討会議の中で『海外との提携についても検討を』という意見があった」ので、決して個人の思いつきで始めたものではないことを強調しました。
これは議会で言われた「市長含めた数人の個人的意向で姉妹都市提携が進められている」「長期総合計画には海外の都市との姉妹都市提携なんて一言も書いていない」という意見を意識した発言であると思います。長期総合計画の中に書いてあるのは「市民を中心にその他の都市との交流を推進して…」という内容です。「その他の都市」に海外の都市が含まれるかもしれませんが、あくまでも「市民を中心に」することが前提です。さらに、平成３年という２０年以上前の会議の発言を引用するなど、今回の議案の正当性を演出するための理屈づけがだいぶ厳しいのが伺えました。
その他、あいさつのなかでは、「個人的には海外旅行と区別のつかないような海外視察や海外姉妹都市提携については否定的であるが、これからはオリンピックもある。子どもたちが海外の人と触れ合う機会を増やすような姉妹都市提携を目指したい」「大空町、野沢温泉村、南相馬市との交流も最初は個人的なつながりが始まりで、その後に姉妹都市提携を結んで本格的な交流を行うようになった」「年度内はじっくり検討してほしい」と述べるなど、議会での批判を念頭にした発言が多かったのが特徴でした。
２．委員の自己紹介
委員に選ばれたのは、市内で活動をしている各団体の代表です。委員の市民公募はなく、団体の選定は市が行いました。参加団体は自治会連合会、農業委員会、商工会、消防団、体育協会、教育委員会、三曲協会（教育関係者）、芸術文化団体連合会、ＰＴＡ連合会、青少年育成地区委員会、国際交流の会、ロータリークラブ、国際ソロプチミスト、青年会議所、市民活動サポートセンターの１５団体で、各団体から１人ずつ１５人が委員として委嘱をされました。
委員の自己紹介の中で団体の活動紹介や姉妹都市提携についての考えが話されましたが、１５人中４人の人から「フォスターシティ市との姉妹都市提携が議題だと聞いているので良く論議したい」「フォスターシティ市との提携ができれば夢が広がる」などのフォスターシティ市との提携が前提であるかのような発言が出されました。逆に３人の人からは「スタートラインに立って話しをしたい」「市民に歓迎されるような議論をしたい」など広く論議をしたいとの発言がありました。
３．会議設置要綱の確認
事務局の企画部の職員から市民会議の設置要綱が報告されました。委員の任期は平成２８年３月３１日（今年度末）までだということ、会議は原則公開だということ、議事録を作成することなどが確認されました。
４．委員長・副委員長の選出
委員長は商工会代表の方が、副委員長は市民活動サポートセンター代表の方が選出をされました。
５．フォスターシティ市に関するこれまでの経過報告と意見交換
事務局の企画政策課長から、フォスターシティ市に関するこれまでの経過と８月５日～９日に市長及び３人で行った視察の概要が報告されて、それについての意見交換が行われました。
以下、意見交換で出された特徴的な意見について箇条書きで記載します。似ている意見をまとめたので、実際に話された順番とは少し違っています。
・団体内からも、ぜひフォスターシティ市との提携を実現してほしいと言われてきた。
・英語圏の国と提携するのは良い事だと思う。フォスターシティ市は西海岸で直行便もあって近くて良い
・今、盛り上がっている時にこそ姉妹都市提携をした方が良い
・運動施設が充実をしているのは良い
・子どもの教育のためにも留学やホームステイを充実させたい
・市内に宿泊施設が無いので、もし先方の人たちを受け入れるようになったら対応をどうするのかを知りたい
・（姉妹都市提携）をした際に相手がどのような交流を望んでいるのかを知りたい
・相手の受け入れ態勢が整っていても、稲城市の側も宿泊先などの受け入れ態勢を整備した方が良い
・まずは向こうから来てもらうことから始めた方が良い
・市民会議の依頼を聞くまではフォスターシティ市という街は知らなかった
・フォスターシティ市以外にも他の都市について調べて、ゆっくり検討してもいいのでは。やはりアメリカは遠い。もし、子どもたちがホームステイや留学などをするとなった時に交通費などの経済的な負担を各家庭に求めるのは大変だと思う
・フォスターシティ市に限定せずに、検討した方が良い。英語圏と言うならアメリカやヨーロッパ以外でも英語圏の国はある
・自分は準備会というものに出ていないので、そこでどういう話しがされているのかはよくわからない。しかし当初聞いた話とはだいぶ様子が違っているようだし、市議会でも修正提案が２案出されるなど様々な意見が出されたと聞いている。そういったものをちゃんと報告してほしい
・候補地を選ぶ前に、交流や受け入れの内容から検討した方がよい
・だいぶまえに教育委員会の予算で海外との交流や友好事業について調べたことがあるはず。その時の状況についても確認したい
・市議会では６月議会は予算が可決されて、９月議会は修正がされている。どういった事情でそうなったのかを知りたい
・この間、稲城の中で様々な団体や個人によって海外の人や町と交流がされている。そういった事についても振り返って検討したが方が良い
・市長の視察報告の内容が写真だけで、どういった話しがされたのかなどまったく分からない。もっと詳細な報告書を出してほしい
・市長の視察に市の職員じゃない人が同行している。この人の役割や立場は何のかを知りたい
主な意見は以上のとおりです。
意見の内容を大きく分けると、
①留学やホームステイを充実させるためにもフォスターシティ市との提携をすぐに進めるべき
②フォスターシティ市にこだわらずじっくり考えるべき
③過去の経過やこれまでの取り組みについて総括するべき
という３通りの意見が出されました。
出された意見や質問については次回の会議の時に事務局から答えるということで、今回はまずは意見交換だけで終わりました。
６．その他・次回日程
次回日程を決める中で委員の方から事務局に対して、「今後の進め方をどうするのか？」との質問が出されました。それに対する市の答えは「年度内に結論を出すつもりではない」「様々な角度でじっくり検討してほしい」「進め方についても、委員会の中で意見を貰って進めていきたい」というものでした。
次回の検討会議は【１１月２５日 １９時～ 於：消防署３階講堂】となりました。
＜参加をした感想＞
第１回の会議ですが、今後の運営は前途多難であると感じました。
委員の任期は来年３月末まで、議会で承認された予算は４回分の会議費のみです。１回目の会議ですらこれだけ多様な意見が出されているのに、それを残り３回の会議で一定の方向に出すのはそうとう難しいと思います。
しかも、市長は冒頭あいさつで「年度内じっくり検討して結論出してほしい」と言ったのに、事務局の市職員は最後の質問に「年度内に結論を出さないでじっくり検討してほしい」と言いました。既に市長と事務局の間で意見が違ってきています。年度末になれば今の委員の皆さんは任期終了です。そこで結論が出なければ、次はだれが論議をするのでしょうか？任期の延長でもするのでしょうか？とても、具体的な話にまでは入れないと思います。
今回のフォスターシティ市との姉妹都市提携については、前代未聞の予算案の削除修正という事態になり市民の皆さんの関心も高く、市政の一大争点になっています。私も、１２月の議会で引き続き市長や市の姿勢について聞いていくつもりです。今後も市民会議の傍聴を続けて、どのような議論がされていくのかを注視していきたいと思います。また多くの皆さんが傍聴に来ていただき、どのような議論がされているのかを知っていただきたいと思います。
山岸さん，お疲れさまです。
市民を無視してこういう姉妹都市の議論が進むのにうんざりです。
もともとイメージキャラクターも企画課が勝手に決めたみたいですし。
市民会議も１５人って企画課が勝手に選定したんですよね？メンバーをなぜ公募しないのでしょう。
こういう強引で適当なやり口をもっと追求してほしいです。頑張ってください。
by 通りすがりの市民 (2015-11-04 21:01)