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稲城市12月市議会が閉会しました。 [市議会]

 本日、平成30年度第4回稲城市議会定例会(12月議会)が閉会しました。
 日本共産党稲城市議団は市長提案議案24件のすべてに賛成し、議員提出議案1件に賛成し、陳情6件中4件に賛成しました。各議案の賛否は、以下の通りです。(議案名称は一部省略しています)

<総務委員会関係>
〇市税条例の一部改正 賛成:全員
〇コミュニティ防災センターの指定管理者の指定 賛成:全員

<福祉文教委員会関係>
〇病院事業管理者の給与等に関する条例 賛成:全員
〇病院事業企業職員の給与の種類及び基準に関する条例 賛成:全員
〇病院事業の債権の管理に関する条例 賛成:全員
〇病院事業の設置等に関する条例の一部改正 賛成:全員
〇学校給食共同調理場第一調理場建替移転工事(建築)請負契約 賛成:全員
〇学校給食共同調理場第一調理場建替移転工事(電気)請負契約 賛成:全員
〇学校給食共同調理場第一調理場建替移転工事(機械)請負契約 賛成:全員
〇市立公園に設置する体育施設の指定管理者の指定 賛成:全員

<建設環境委員会関係>
〇住居表示に関する条例 賛成:全員
〇住所整理審議会条例 賛成:全員
〇小口事業資金融資あっせん条例の一部 賛成:全員
〇道路線の廃止について(上平尾土地区画整理事業関係29路線) 賛成:全員
〇道路線の認定について(上平尾土地区画整理事業関係17路線) 賛成:全員
〇いなぎ発信基地ペアテラスの指定管理者の指定 賛成:全員
〇市立公園の指定管理者の指定 賛成:全員

<補正予算委員会関係>
〇一般会計補正予算 賛成:全員
〇国民健康保険事業特別会計補正予算 賛成:全員
〇土地区画整理事業特別会計補正予算 賛成:全員
〇下水道事業特別会計補正予算 賛成:全員
〇後期高齢者医療特別会計補正予算 賛成:全員

<その他>
〇一般職の職員の給与に関する条例の一部改正 賛成:全員
〇東京都三市収益事業組合規約の一部変更 賛成:全員

<議員提出議案>
〇白タク行為への更なる対策強化に関する意見書 賛成:全員

<陳情>
〇別居家庭における児童虐待等を防止するための教育現場対策を求める陳情 反対:全員
〇別居・離婚後の児童虐待等を防止する公的支援を求める陳情
賛成岡田、山岸、荒井、藤原、伊藤、村上
反対:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、小沢、岩佐、榎本、佐々木、中田、鈴木、梶浦

〇別居・離婚後の児童虐待等を防止する運用・法整備を求める陳情 反対:全員
〇多摩市・稲城市の最大の里山、希少動植物の宝庫、東京有数の戦争遺跡・多摩火工廠の市民利用と保全に関する陳情
賛成岡田、山岸、荒井、藤原、村上
反対:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、小沢、岩佐、榎本、佐々木、中田、鈴木、伊藤、梶浦

〇日本政府に対し「核兵器禁止条約」に署名・批准を求める意見書の提出を求める陳情
賛成岡田、山岸、荒井、藤原、伊藤、村上
反対:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、小沢、岩佐、榎本、佐々木、中田、鈴木、梶浦

〇大丸都営住宅跡地に、高齢者施設などの福祉施設開設についての陳情
賛成岡田、山岸、荒井、藤原、岩佐、榎本、佐々木、伊藤、村上
反対:中山、原島、渡辺、坂田、池田、つのじ、大久保、市瀬、小沢、中田、鈴木、梶浦

<解説>
 12月議会では、市長提案議案に対して質疑の中でやり取りや確認をしましたが、基本的にはすべて賛成をできる内容でした。しかし陳情では大きく賛否が分かれて、すべて否決をされました。もっとも賛否が拮抗したもので賛成9、反対12ともう一歩の内容もありました。引き続き暮らし・福祉・子育て第一の市政と市議会を作っていくために、市民の声をしっかりと聞いていきます。私がおこなった陳情への討論の原稿を掲載します。

〇陳情への討論原稿
 第4号陳情「別居家庭における児童虐待等を防止する教育現場に対する陳情」について反対の立場から討論します。この陳情は、子どもと別居する親に対する学校行事への参加や配布物の受け取りを権利として認めて、それを教育委員会が学校に指導することを求めています。
 なによりも学校が守るべきは子どもの教育を受ける権利であり、親の権利というものを学校や教育委員会が判断するものではないと考えます。別居家庭において悩まれているという状況があるということは理解できますが、それ自体は当事者間で話し合って解決する問題であり、学校側に対応を委ねるものではありません。以上の点から、第4号陳情については反対をするものであります。

 第5号陳情「別居・離婚後の児童虐待等を防止する公的支援を求める陳情」について賛成の立場から討論します。この陳情は、稲城市において「別居・離婚後の面会交流」や「養育費確保に対する公的支援体制・相談体制」の実施や充実を求めるものです。
 質疑で明らかになったのは相談体制について、法律相談や子ども家庭支援センターでの相談、女性の悩み相談など窓口が複数に設置されていて様々な事情の中で相談ができる反面、正式な責任持った相談体制とはなっていないということです。この点から、まずは相談窓口の一本化や集約などの取り組みが進めていく事が求められるのではないでしょうか。兵庫県が明石市は先進市として様々な取り組みがされています。全てが明石市と同じようにすることは難しくても、参考にしながら改善できる箇所から改善をしていく事はできるのではないでしょうか。以上の点により支援体制や相談体制の充実を求める立場から、第5号陳情に賛成するものであります。

 第6号陳情「別居・離婚後の児童虐待等を防止する運用・法整備を求める陳情」について反対の立場から討論します。この陳情は、実効性のある共同養育や面会交流が可能となるよう速やかな法整備を国に求める意見書を提出することを求めています。
 現在、共同養育や共同親権など別居・離婚後も子育てを共同おこなっていくための新たな法整備について議論がされています。この事自身は重要なものであり、実効性のある法整備が早急に進められるように求めるものです。
 しかしこの陳情では、その理由として児童虐待により子どもがなくなった事件を例にあげるなどしています。質疑で明らかにしたように、例としてあげられている児童虐待事件については共同養育や面会交流の実現とは別の課題として検証され、今後の対策についても話し合いがされています。
 なんでも児童虐待に結び付けて、それを理由にして法整備を求めるという方法では本来の趣旨が分からなくなってしまうのではないでしょうか。本来の趣旨である「親子の断絶の防止」や「養育費の継続的な支払い」などの観点を重視されるべきではなかったかと思います。
 共同養育や共同親権はこれからの大きな課題であり、国の法整備についても速やかに進めるべきと考えますが、残念ながら以上の理由により第6号陳情については反対するものであります。

 第9号陳情「大丸都営住宅跡地に、高齢者施設などの福祉施設開設についての陳情」について、賛成の立場から討論します。この陳情は、大丸都営住宅の跡地に高齢者や障がい者の人のための施設を作ってほしい。そのために東京都と具体的な話し合いを進めてほしい、という内容のものです。
 大丸都営跡地をどのように活用していくのかは、多くの市民が注目をしています。保育園はできますが、その残りの部分はどうするのか。市民の方と話しをすると「ぜひ、高齢者と子どもがふれあえるような場所にしてほしい」「障がいをもっていたりする人と子どもたちが一緒に過ごせるようなまちづくりをしてほしい」という期待の声がたくさんあがります。
 いま、福祉のまちづくりを求める市民の声に私たち議会がどのように向き合うのかが求められているのではないでしょか。質疑の中では市の障害者福祉計画の中でも、障がい者や家族から「グループホームなどの施設をつくってほしい」、事業者からは「市内の施設の定員がいっぱいではいれない。市内に施設を増やしてほしい」、市の課題としても「障害者の高齢化や重度化に伴って暮らしや住まいの整備が必要」となっています。
 市としても東京都に対して様々な取り組みをしているは理解していますが、まだ具体的なものにはなっていません。そうであるならば、しっかりと市の背中を後押しするのが議会の役割ではないでしょうか。日本共産党は暮らし・福祉・子育て第一の市政をつくっていくために、この大丸都営跡地の福祉利用を求めて市民の皆さんと力を合わせていくことを述べて賛成討論とします。

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※ホッと一息。

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稲城市12月市議会一般質問報告4~平尾団地建て替え~ [市議会]

稲城市議会一般質問報告の最後は「平尾団地建て替え」についてです。

第6.平尾分譲住宅建て替えによる団地再生について
(1)「平尾団地の将来まちづくり構想」について
①同構想の概要について聞きます。
→「平尾センター地区まちづくり協議会」において、地区の活性化になるような将来のまちづくりを整理したものです。
→平尾分譲住宅の権利者のマンションを建設するための「権利者街区」、平尾地区へ新たに住民を呼び込むための「分譲街区」、商業・福祉・教育施設等を想定する「複合街区」の3つの建て替え計画において、既存の平尾センター地区、平尾近隣公園、複合街区を含めた範囲を対象とした将来像を「まちづくり構想」として取りまとめています。
→構想で描かれた将来像を踏まえて、今後建物や道路などの建て替え計画が検討されていきます。
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※まちづくり構想の内容

②「複合街区」の位置づけについて聞きます。
→平尾地区における日常生活の場の充実や、子育て世代の需要に対応するために、商業・生活サービス機能などを充実強化するものです。また、平尾団地商店街と連携することで地域の活性化を促進するものとしています。
③「平尾近隣公園」の位置づけについて聞きます。
→永く市民に親しまれた公園の自然環境を今後も維持し、充実を図るものとしていいます。また、地域活性化に向けて、隣接する平尾センター地区、複合街区や平尾中央通りからのアプローチを改善することで、商業ゾーンに囲まれた新機能の付加を図ります。
④「平尾センター地区」の位置づけについて聞きます。
→平尾分譲住宅の建て替えを契機に、既存の商業・生活サービス機能を充実させるとともに、「複合街区」と連携することで、平尾団地の一定的な商業・生活サービス機能の維持や充実を図ります。
→団地商店街整備などの地域の声を東京都や住宅供給公社に伝えるように努めていきます。
(2)団地再生の今後の課題について
①「平尾センター地区まちづくり協議会」の今後の役割について聞きます。
→平成30年10月に9回目の協議会が開催され、「平尾団地の将来まちづくり構想」の取りまとめをもって会議は終了しています。今後、最終的な書面整理の後に、市に対し報告を行う予定となっています。
→この協議会には、市はオブザーバーとして参加し、構想を作成するにあたっての資料の提供や助言・意見交換を行ってきました。
→報告後の「まちづくり構想」については、今後の用途地域や地区計画の見直しにおいて、都市計画に関する基本的な方針を整理するにあたり、住民意見を反映した資料として活用していきます。
②今後の建て替え論議にあたって東京都の関わりや役割について聞きます。
→今後、区分所有法に基づく建て替え決議に向けて具体的な計画を策定する中で、東京都の制度を利用するために都への相談や協議、調整が必要になります。
→東京都との協議においては、必要に応じて市も連携して取り組んでいきます。
③今後の建て替え論議にあたって稲城市の関わりや役割について聞きます。
→平尾分譲住宅の建て替えにあたっては、まずは区分所有法に定める住民の合意を得ることが必要になります。市としては、引き続き建て替え計画の策定など、住民の合意形成を図るうえで必要な作業への指導・助言など、団地再生の円滑な推進に向けた管理組合への支援を行っていきます。
→この事業が円滑に進むこと、地域再生に貢献するような事業となるよう、団地再生担当が中心となり関係部署との連携も取りながら、必要な支援や助言を行っていきます。
<解説>
 平尾分譲住宅の建て替えについて、まちづくり協議会で「将来まちづくり構想」が話し合われて、住民説明会も行われました。市が住民の立場にたって積極的に関わることを求めて質問しました。
 住民説明会の資料では平尾バス通りに近い下の方に商業施設などを中心にした複合街区を作ると説明されています。説明会の中では「具体的にどのような施設をつくるのか」「平尾商店街との関係はどうなるのか」などの質問が出されていました。
 それに対する答えは「どういった店舗ができるのかは未定です。ただ、現在ある平尾商店街と連携、共存していくためには、現在ある商店街のお店と競合しないような形での商業施設などを誘致していきたい」と説明がされていました。複合街区の商業施設については平尾団地商店街と連携を図るためにも競合しない形での商業施設の誘致が望まれています。
 また近隣公園については、平尾商店街と新たにできる複合街区の間をつなぐ役割が求められます。そうなった時にもっと行き来をしやすくするために、例えば遊歩道の整備などが考えられます。また、この間の住民説明会では「文化センターを近隣公園に移したらいいのでは」など、様々な意見が出されました。具体的に近隣公園そのものの整備は市が責任を持つことになります。市民からはこの機会に近隣公園も整備をしてほしいという声が出されています。この点については、しっかりと声を聞いて実施していくことを求めました。
 平尾団地商店街については、商店街施設の改修や整備を求める声が出されています。11月に日本共産党稲城市議団は東京都に対して要望書を都知事宛てと東京都都市整備局長宛てに出してきました。要望書の内容は、「1.平尾団地の将来まちづくり構想と連動した形での団地商店街の施設整備や改修を実施してほしい」「2.施設整備や改修にあたっては地域住民の声をよく聞いて、それらの声が十分反映された内容としてほしい」「3.住民の声を聞くための方針の策定や説明会の開催などを早期に実施してほしい」という3点です。
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※東京都との懇談の様子
 要望書に基づいて東京都都市整備局の課長さんと懇談もしました。都の方からは「住宅供給公社を通して、住民から施設整備や改修の要望が出されているのは聞いています」「ただ商店街を含んだ平尾団地そのものは今のところ建て替えの対象とはなっていない」ということ、また「何らかの施設改修などを行った際には、その費用をどのように負担していくのか、テナント料や施設管理料の取り扱いも含めて検討しなくてはならない」ということでした。ただ、「こういった要望書が出されたことはしっかり受けとめて公社に対しても伝えていく」として、今後も住民の皆さんとも相談を続けていくということでした。
 こういった団地商店街の施設改修等については、様々な機会をとらえてちゃんと市としても都に対して伝えていくことが求められます。市の答弁も「住民の声を伝えていく」というものでした。これからも団地商店街の施設改修と整備について対応を求めていきます。
 このまちづくり協議会には市もオブザーバーとして参加して、構想作成に関わっています。市の知らない所で作られたものではないという事です。構想そのものは何らかの法的性格を有する物ではありませんが、市も関わって市民と一緒に作った物ですから、大きな重みがある構想だということです。この構想をどのように実現させていくのか、建て替えの主体は管理組合になりますが、市も大きな責任を負っているということではないでしょうか。
 住民説明の中では、建て替えにあたって介護施設の増設など福祉的な視点も取り入れたまちづくりを求める声も出されました。今後は都市建設部門だけではなく、高齢者や障がい者福祉、子育て支援部門などの庁内横断的に取り組むことで求められるのではないでしょうか。これからも平尾団地の建て替えに福祉的な視点も含めた広く住民の声を反映したものとなるように、市の支援や援助を求めていきます。


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稲城市12月市議会一般質問報告3~台風の停電被害と多摩火工廠DVD~ [市議会]

稲城市議会一般質問報告の3回目は、「台風24号の倒木と停電被害」と「多摩火工廠DVD」についてです。

4.台風24号の被害状況と災害時の情報発信体制の強化にむけて
(1)倒木被害について
①市内の倒木とそれによる被害発生状況について聞きます。
→市街地において32ヶ所で倒木や絵倒れなどにより、一部の道路や歩道での通行障害や電線への接触などの被害が発生しました。
②倒木への対処と今後の課題について聞きます。
→対処としては、道路や歩道をふさいでいる木や枝の除去、また応急的に木や枝を固定するなどをしています。
→課題としては、大木となった街路樹について枯れ枝や倒木、電線に架かる危険木対策など、防災上や交通安全上の課題があると認識しています。
(2)停電被害について
①市内の停電の発生状況について聞きます。
→6087軒の停電が発生しました。内訳は矢野口が1847軒、東長沼153軒、大丸1軒、百村1257軒、坂浜が1195軒、平尾が1633軒、長峰1軒です。
→停電の発生から復旧の状況については以下の表の通りです。
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→過去10年間の発生状況では、平成24年4月24日に落雷による10分間程度の停電が発生しています。
②停電の発生状況や復旧見込み等について、市民への情報発信がどのようにされたのかについて聞きます。
→広報については東京電力の全域で大規模な停電が発生したことから、東京電力への問い合わせが殺到して正確な情報の入手に時間を要しました。
→できる限りの情報を入手し、市メール配信サービス等での情報提供に努めたところですが、今後は必要に応じて広報車等を活用した広報も行っていきます。
<解説>
 暴風圏の範囲も強さも格段に大きい台風24号は日本列島各地に被害を及ぼし、9月30日の夜から未明にかけて稲城市内にも最接近して市内に大きな影響がでました。被害状況について確認するとともに、いざ災害が起きた時に市民の不安を和らげるためにも積極的な情報発信を求める立場から質問しました。
 台風の翌日に、私も地域を回りましたが、多摩川の土手ではサイクリングロードに横たわるように木が倒れていたり、吉方公園では入口の大木が根っこから倒れていました。そして、倒木が電線に接触することで大きな停電被害も起きました。市は今後の課題として、なんらかの危険性があると判断できるような街路樹などについては、事前に対応をしていく必要があるのではないかということです。この点については引き続きの対応を求めました。
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※台風通過後の多摩川サイクリングロード

 停電については、6千軒を超える停電が発生しました。市内の世帯数は約4万世帯ですので、単純計算でも全世帯の15%、約7軒に1軒の割合で停電が発生したことになります。今回の停電は台風による倒木等の影響で起きたもので、市内全域ではなくて一部の地域に集中して発生をしました。例えば同じ矢野口でも私の住んでいる地域は全く被害はなかったのに、ある特定の地域だけが停電をして、さらに地域によって復旧までに要した時間も大きく違っていました。
 停電に関する情報については、市はホームページやツイッター、メール配信で情報発信したということです。私もメール配信サービスに登録していますが、停電に関しては10月1日午前1時14分に「停電が発生しました」という物と、10月1日午後5時18分に「停電が復旧しました」という2件でした。稲城市公式ツイッターも確認したら、同じく「停電が発生しました」と「停電が復旧しました」の2件の情報発信でした。
 一部の地域では、発生から復旧に13時間とか18時間など相当数の時間がかかっています。しかし、そうした地域の住民の皆さんからは現状がどうなっているのか、ほとんど情報が入ってこなくて困ったという声が出されていました。必要に応じて広報車によるアナウンスをするなど、情報発信に課題があったのではないでしょうか。
 ここまで大規模で長時間にわたる停電は過去10年でも起きていなかったということで、ある意味想定外の事態です。しかし、北海道地震では全道ブラックアウトというまさしく想定外の事態が起きています。住民の方に直接情報を伝えたり、職員が直に状況を確認したりするだけでも、住民の不安の解消にもなると思います。今回の台風とそれに伴う倒木や停電被害について様々な角度で検証もしていただき、これからの課題にしてほしいと求めました。


5.地域の歴史を伝えるための多面的な資料充実にむけて
(1)多摩市教育委員会においてDVD「青空が見ていた多摩」が作成された経緯について、稲城市教育委員会として把握している範囲で聞きます。
→本DVDは多摩市くらしと文化部平和人権課において、平和啓発事業の一環として「多摩火工廠」を後世に語り継ぐ資料として、中学生をはじめ若い世代に視聴してもらうために作成されたと聞いています。
(2)同DVDにおける稲城市教育委員会の関わりについて聞きます。
→多摩市からDVD作成のための資料提供の依頼を受けて稲城市史下巻、稲城市史研究第五号、第六号、稲城市文化財研究紀要第3号に掲載している多摩火工廠の歴史などの資料を提供しました。
(3)同DVDの資料価値について認識を聞きます。
→本DVDの評価について、それを見た人それぞれの判断に委ねられるものと考えています。市としては、多摩市が作成した資料であることを含め、資料的価値については判断する立場に無いものと考えています。
(4)同DVDを参考にして稲城市でも映像資料を作成すべきと考えるが認識を聞きます。
→多摩火工廠跡の学術的調査に基づき文化財ノートなどを様々な資料を整備し、一定の整理ができたものと認識しています。このことから、現時点では新たに映像資料を作成する予定はありません。
→本DVDの上映会などを行うことは考えておりませんが、多摩市が本DVDを活用して平和事業を行う場合には、多摩市との連携協力のもと市民にその情報を案内していきます。
<解説>
 稲城市の郷土の歴史を伝えていくために、写真や書籍だけではなく映像による資料作成も重要であり、映像資料の充実を求める立場から質問しました。
 今回質問準備のために、多摩市平和人権課に伺っていろいろとお聞きしてきました。多摩市は2000年から市民と実行委員会をつくって、多摩市平和展を開催しています。その平和展の中で、毎回「多摩火工廠とその後の変遷」というテーマで資料展示を行っているそうです。
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※2018年の多摩市平和展のポスター

 パルテノン多摩で保有している当時多摩火工廠で作業に従事していた女学生の日誌などを展示しながら、郷土の歴史として多摩火工廠についてもっと多くの市民にしってほしいという目的で行われているとのことでした。ただ、資料展示だけでは伝え方に限界があると感じていた中で、もっと分かりやすい物で中学生レベルでも分かるような内容にしようということで、多摩火工廠の成り立ちや歴史について解説している映像資料として、DVD「青空が見ていた多摩」が作成をされたとのことです。
 多摩市平和人権課の課長さんからは、「今回のDVDで紹介している写真や記録の多くは稲城市の資料を使わせてもらってとても感謝している」と言っていただけました。映像の中では、市民の山田重雄さんが書かれた稲城市郷土資料「多摩火工廠懐古」がそのまま紹介されるなど、稲城と多摩の両方に密接に関わっていることが示されています。
 私は、このDVDは多摩火工廠の成り立ちや戦後の動きまで記した、とても分かりやすい資料だと感じました。稲城市も協力をして作られた資料であり、明確に「良い資料である」と認めるべきではないでしょか。
 多摩市では、このDVDを市外の学習会などでも貸し出しをすると言ってくれています。稲城市の歴史を伝えていくという意味でも、郷土資料室や図書館などでの上映会や市民への紹介を行うべきではないかと提案もしました。市は「市内でも上映会は考えていない」という答弁でしたが、市を通さないでも多摩市に直接相談をすれば借りることもできます。ぜひ、多くの市民の皆さんに多摩火工廠の歴史について知ってもらうためにも、私自身もこのDVDを大いに活用をしていきたいと思います。

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稲城市12月市議会一般質問報告2~学校のエアコンと危険なブロック塀撤去~ [市議会]

稲城市議会12月議会一般質問の2回目の報告は、「学校のエアコン設置」と「危険なブロック塀の調査と撤去」についてです。

2.小中学校の特別教室と体育館へのエアコン設置による教育環境の改善にむけて
(1)小中学校の特別教室へのエアコン設置について
①東京都教育委員会実施の「小中学校の教室への空調整備状況」調査の概要について聞きます。
→平成10年から概ね3年毎に実施されており、小中学校等の普通教室、特別教室等の空調設備の設置状況を調査するもので、今年は9月1日現在の設置状況について調査が行われました。
→平成30年度の調査では空き教室は調査対象外となっています。また、特別教室の準備室は児童生徒が利用する場合にかぎり特別教室等として教室数に計上することとなっています。
②同調査における稲城市の小中学校の特別教室への空調設置率について認識を聞きます。
→平成30年9月1日現在の調査委においては、稲城市は50.8%となっています。
→特別教室への空調設置率については、児童生徒が使用する教室全体では9割近い教室に空調設備の設置が完了していますので、特段低いといった認識はありません。
③エアコンが設置されていない特別教室へ設置するべきと考えます。市長はどのように考えているのか、認識を聞きます。
→特別教室への空調設備の設置については、義務教育施設の整備状況全体の優先順位および財政状況を見ながら、対応を検討していきます。
→空調設備が未設置となっている特別教室については、現在各教室の利用状況を調査しているところです。空調設備を早急に導入することは難しいところですが、財政状況をみながら引き続き対応を検討していきます。
<解説>
 すでにエアコンのない教室では、まともに授業が成り立たなくなっている実態は明らかです。子どもたちの健康を守り、そこで働く教職員の負担軽減のためにも、すべての特別教室と体育館へのエアコン設置を求める立場から質問しました
 今年の7月に実施された冷房設置調査では、「特別教室の準備室は、児童生徒が利用する場合に限り、使用する教室として母数に入れて良い」となっています。Q&Aとして例示されているものでは、「質問:児童生徒が利用する特別教室の準備室とはどのようなものか。答え:音楽の授業でパート練習のために準備室を使用する場合を想定している」と丁寧に説明されています。つまり、特に子どもたちが使うことのない家庭科室や美術室の準備室については、教室数として母数に加えなくて良いことになっています。 しかし、前回の第3回定例会での私の質問に対する市の答弁は「稲城市では特別教室の準備室まで全て入れた設置率の結果ということです」と答えています。
 国は実際に生徒が使用している準備室だけで良いですよとしているのに、なぜか市は全ての準備室を母数に入れて計算して回答しています。そして、今回の調査結果では多摩地域26市の特別教室への冷房設置率の平均は約77%なのに、稲城市は5割程度しか設置されていません。「稲城市の設置率は低いんじゃないんか?」と聞くと、「いえいえ使用する教室の9割に設置していますので、特段低いといった認識はありません」と答弁します。
 国の調査に対しては児童生徒が使用する可能性のなり教室も母数に含めて計算して設置率を回答しているのなら、答弁だって「すべての教室に冷房をつけるために努力します」と答えるべきです。わざわざ「使用している教室の9割は設置しています」という答弁するのなら、設置率についてもそれを基準にした内容にしてもらわないと、何を基準に政策判断をしているのか私は分からないですし、市民の皆さんにだってちゃんと説明できません。
 今さら調査の数字をやり直してくださいとか、なんでこういう調べ方にしたんですかとかは聞きません。事実として多摩地域26市の特別教室への冷房設置率は7割を超えているのに、稲城市は5割にとどまっている。しかし、市はそれを正面から受け止めないような答弁をしているということです。
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 都議会の補正予算案がすでに明らかになっています。その中では特別教室への空調設備の設置補助金が計上されています。来夏までに空調設備を稼働させるために計上したと説明されています。これをちゃんと活用して、早急な計画づくりが本当に求められます。また、来年の夏になってバタバタするのか、それとも今から子どもたちが安心できるような計画を作るのかが問われているのではないでしょうか。日本共産党稲城市議団は市民の皆さん、保護者の皆さん、学校の先生方とも一緒に広く力を合わせて、これからもすべての特別教室への冷房設置を粘り強く求めていきます。

(2)小中学校の体育館へのエアコン設置について
①小中学校の体育館の災害時における避難所としての役割について認識を聞きます。
→市内の指定避難所の数は39ヶ所で、そのうち小中学校については18ヶ所で46%です。
②小中学校の体育館において暑さ対策および寒さ対策として実施されている内容を聞きます。
→暑さ対策としては窓や扉の開放や備品として学校に整備しているスポットクーラーや大型扇風機を活用して対応しています。寒さ対策としては、災害対策用の備品として学校に配備されているストーブを活用して対応しています。
→大型扇風機の整備状況については、小学校では第2小学校に2台配置されていますが、それ以外の小学校には配置されていません。中学校では第5中学校に4台、第6中学校に3台、それ以外の中学校は各2台配置されています。未設置の学校については、来年の夏前までに複数台配置できるように整備していきます。
③小中学校の体育館へエアコンを設置するべきと考えます。市長はどのように考えているのか、認識を聞きます。
→学校体育館は教室に比べ容積が非常に大きく、設置する空調設備については高い能力が求められ、工事費や維持管理費などで膨大な経費を要し、都が創設を予定している財政支援制度を活用しても補助額・補助率ともに低く大きな財政負担を伴います。また、オープン構造となっており、空調設備の設置を前提としていない体育館については、断熱対策や壁の設置等の対応も必要になります。近年の猛暑による学校運営への影響や、学校体育館が地域活動や災害時に避難所となるなど、重要な拠点となっていることは十分認識していますが、現時点では空調設備の設置は困難と考えています。
→整備に係る費用について具体的な計算はしていませんが、他市からの情報では体育館1つあたりで設計費用で500万円、設置費用で5000万円程度になると聞いています。
<解説>
 地震災害の時の指定避難所の半分が学校になっています。その他は、公民館や保育園などですので、学校の特に体育館は避難所としての役割も大きいことは十分示されています。
 今年の7月11日付の時事通信の記事では、「豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市は11日も、最高気温が30度を超えた。真備町地区の避難所では、体育館に新たにエアコンが設置された。ただ、エアコンのない教室で寝泊まりする住民からは『寝苦しい』という声も聞かれた」ということです。ある小学校では「400人以上の住民が避難をしたが、夜は虫が入ってくるために窓を開けられず、蒸し暑い中で過ごさないとならない」という状況が報道されています。教室も含めてですが、学校の体育館のエアコン設置は災害時の避難所施設の整備という側面もあるわけです。
 9月議会の私の一般質問への答弁で「大型扇風機の整備状況について調査して、全校に整備する」と答えました。現状では小学校は1校にしか配置されていないので今後の配置予定について聞いたら「来年の夏前に全校に配置する」ということでした。応急処置的な内容ですが、これは大きな一歩なので、着実な整備を求めていきます。
 そして、体育館へのエアコン整備です。ここで重要なのは、実際に整備をするとなった時にどのくらいかかるのかちゃんと計算しているのか、ということです。
 日本共産党稲城市議団は、今回の質問準備にあたって台東区の小学校に視察に行ってきました。台東区では3年前から小中学校体育館へのエアコン整備を進めていて、来年度には全校で整備が完了するとのことでした。私たちが視察させてもらった学校は、児童数350人程度の標準的な大きさの学校でしたが、体育館へのエアコン設置は約2600万円とのことでした。天井や壁には特に大きな工事をしないで、壁に沿って6箇所のエアコンが設置されていて、それで十分用が足りるとのことです。ガス式を採用していて、体育館にエアコンが設置された前と後で光熱費は7万~8万ほどの増になったとのことでした。
 台東区も学校によって体育館の大きさに違いがありますが、金額が高かった学校で約2600万円、低い学校は約1500万円、平均をすると約2200万円とのことでした。とても平米単価8万円なんかではなくて、もっと低い単価で設置がされています。しかも、東京都は年度内分に限っては補助率3分の2だと言っています。
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※体育館へのエアコン設置のイメージ図
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 実際に整備するとなったらどういった形になって、いくらくらいかかるのか、その中で補助金負担がどれくらいで、市の負担がどれくらいになるのかをしっかり精査して、整備計画を作っていくことが本当に必要ではないでしょうか。
 東京都は都立高校のすべての体育館にエアコンをつけると決めたようです。都立高校はついているのに、小中学校はそのままでいいのでしょうか。先ほどの特別教室のエアコン設置と共に、日本共産党稲城市議団は市民の皆さんにも広く訴えながら、子どもたちの健康をまもり、教職員の負担を軽減し、将来の災害のための防災対策としても学校の体育館へのエアコン設置を求めていきます。


3.危険なブロック塀の撤去による安全なまちづくりの推進にむけて
(1)「民有地の市内全域のブロック塀等の調査結果」について
①調査の概要と結果について聞きます。
→調査結果は以下の表の通りです。
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→関係者が不明のブロック塀等については、関係者を調べて安全点検を促すチラシの配布を行うこととしています。
②調査結果の市民への広報や周知について聞きます。
→調査結果をもとに、現在地図上に写真を確認しながら落とし込み作業を行っています。地図データができ次第、年度内には学校や自主防災組織等へ情報提供して共有を図っていきます。
(2)ブロック塀の撤去等に関する補助制度について
①近隣市のブロック塀の撤去等に関する補助制度の実施状況について聞きます。
→稲城市をふくめ、八王子市、日野市、町田市、多摩市、調布市においてブロック塀撤去経費の一部の補助を行っています。
②ブロック塀の撤去等に関する補助制度の拡充・改善について認識を聞きます。
→11月16日からブロック塀等の撤去のみでも、補助ができるよう補助制度の改正を行いました。
→具体的な内容は、市の区域内において「ブロック塀等の高さが1.2mを超えるもの」「ブロック塀等の総延長が3m以上であること」「道路及び公共用地に面したブロック塀等であること」です。また、補助金額については1メートルあたり5000円で、30メートルまでとなっています。
→補助制度の改正については市広報やホームページ等で周知していきます。
<解説>
 6月の大阪北部地震を受けて、市内の公共施設ブロック塀の解体撤去が進められていますが、民有地のブロック塀についてはこれからの課題です。現状について市民にも広く知らせ、危険と思われるブロック塀の撤去を市が積極的に進めていくことを求める立場から質問しました。
 市が行った民有地のブロック塀調査では、危険と思われるブロック塀については矢野口と東長沼が半分をしめていて、関係者が不明でかつ危険と思われるブロック塀についても矢野口と東長沼が6割を占めているという事です。不明な場所は関係者について調べるという事ですので、ぜひ進めてほしいと対応を求めました。そして、結果を地図落としした情報については、年度内に学校などに提供するとのことでした。学校は通学路との関係がありますので、特に情報が求められています。
 私は9月議会の一般質問で「現在の補助制度は生垣の緑化が主たる目的でブロック塀の撤去だけでは使えない」「制度の見直しやもっと使いやすい物にしていくべきではないか」と対応を求めました。11月からの補助制度の改定では解体のみでも使えるようになったという、事で私が提案したとおりの内容になったのはとてもうれしいことです。
 これはまず、周知が大切です。市内全域を調査して、補助制度も使いやすい内容にしたのだから、もっと多くの人に使ってもらえるように広く広報、周知をしていくことを引き続き求めます。


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稲城市12月市議会一般質問報告1~介護保険制度~ [市議会]

12月3日に稲城市議会12月議会の一般質問を行いました。今回は4回にわけて報告をします。
第1回目は「介護保険制度」について報告します。

1.ひとりひとりの高齢者を支えることのできる介護保険制度にむけて
(1)認知症になっても暮らしていけるまちづくりについて
①「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」で掲げられた「Ⅶ.認知症の人やご家族の視点の重視」の内容について聞きます。
→認知症の人の視点に立って認知症への社会の理解を深めるキャンペーンのほか、初期段階の認知症の人のニーズ把握や生きがい支援、認知症施策の企画・立案や評価への認知症の人やその家族の参画などの取り組みを進めるという内容です。
→市での具体的な取り組みについては、地域包括支援センター主催の介護者交流会を日常生活圏域ごとに定期的に行っています。また、自主的な認知症の家族会に対して認知症支援コーディネーターが参加や支援を行っています。
<解説>
 たとえ認知症となっても本人の権利と意思が尊重され、まさしく住み慣れた街で暮らしていくことのできる介護保険制度を求める立場から質問しました。
 認知症をめぐる施策については、6月の第2回定例会で質問をしました。その時は「認知症にならないための予防」や「認知症の早期の治療」も大事だけど、それ以上に「認知症になっても暮らしていけるまちづくり」というものを広げていく必要があるのではないか。認知症となった当事者の方が情報発信することで認知症の理解が広がるのではないか、と提案もしました。今回の質問はその延長として行いました。
 今回の質問準備にあたっては、「認知症とともに生きる希望宣言」を発表された一般社団法人日本認知症本人ワーキンググループの鈴木様と東京都認知症対策推進会議委員もされている認知症介護研究研修東京センターの永田様にお話しを伺うことができました。お二人に感謝申し上げ、お二人から話されたことなども、今回の質問の中で紹介しました。

②(一財)長寿社会開発センター発行の「本人ミーティング開催ガイドブック」で示されている「本人ミーティング」の実施について認識を聞きます。
→本人ミーティングは認知症の本人が集い、自らの体験や希望、必要としていることを語りあい、自分たちのこれからのよりよい暮らしや地域のあり方を一緒に語り合う場として、厚生労働省が認知症施策の一つとして紹介している取り組みです。市としては、介護保険事業計画第7期に基づいて認知症施策を行っており、現時点では本人ミーティングの実施予定はありません。
<解説>
 この「本人ミーティング」の狙いや役割はどういうものなのか。
 認知症本人ワーキンググループのお二人との話しの中では、「認知症の人たちを困っている人、支援される人、介護される人ということだけで扱っていては、いつまでも本人たちも前向きにならない」「認知症になった人でもたくさんの能力を持っているし、街の担い手として力を発揮してもらうことができる。そういった形で本人たちの力を引き出して、自信を付けてもらうことで気持ちも安定してくる」ということが言われました。
 本人ミーティングは認知症の本人や家族が「自分たちが住みやすくなるために、一緒に街をこうしていきたい」「こうしたらもっと生きがいを持って暮らしていけるので、こういったことにチャレンジしたい」という本人たちの前向きな願いを引き出していくものとして位置付けられています。こういった本人ミーティングは認知症に対する理解を広げ、ご本人たちの自信にもつながる取り組みだと考えます。

③(独)東京都健康長寿医療センター発行の「本人にとってのよりよい暮らしガイド」の普及や配布について認識を聞きます。
→「本人にとってのよりよい暮らしガイド」は、平成29年度に日本認知症本人ワーキンググループが作成に取り組んだもので、認知症になった体験をもとに、診断を受けた後に絶望せずに、自分なりによりよい日々を暮していくためのヒントをまとめたものです。
→このガイドブックの普及や配布については、認知症に関する様々な場や資料と同様に、必要に応じて適宜提供しておりますが、市内での具体的な配布状況や活用状況については把握していません。
<解説>
 認知症本人ワーキンググループが作成した「本人にとってのよりよい暮らしガイド」については、議場で現物も示しながらその内容を紹介しました。
 ガイドブックの表紙には「一足先に認知症になった私たちからあなたへ」と書かれています。「認知症の旧い時代遅れのイメージに縛られずに、新しいイメージを持とう」「何もわからなく、何もできなくなるわけではない、お先真っ暗ではありません」「支えられる一方になるわけではなく、自分の力をいかすと一人でできることがいろいろあります」「絶望してしまうのはもったいない。希望はきっと見つかる」と書かれていて、「やりたいことにチャレンジして、楽しい日々を」「いろいろなことを無理と自分自身で決めつけず、やってみたいことの夢をふくらませましょう」と呼びかけられています。
「都道府県・市町村向け 本人の声を起点とした認知症地域支援体制づくりガイド」では、この本人ガイドを「認知症初期段階の本人と接点をもっている関係者とともに活かそう」と呼びかけています。たとえば医療機関、歯科医院、薬局、地域包括支援センター、相談窓口、介護支援専門員、介護事業者、本人の会や集い・家族の会や集い・認知症カフェの関係者、民生・児童委員、地域での本人・家族の相談役や影響力のある人等にこれを広げて活用方法などを話し合ってほしいと提案されています。
 質問では「この本人ガイドは庁舎内にありますか」「今、市では職員の認知症支援コーディネーターの養成を積極的に進めています。まずは、このガイドをそういった職員の中に広げながら、市立病院や健康センター、地域包括支援センターなどでも活用をしてほしい」と提案もしました。
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※「本人にとってのよりよい暮らしガイド」の表紙。ダウンロードはこちらから(厚生労働省のホームページ)。

④認知症になった本人の声を認知症対策の施策に反映させる仕組みづくりについて認識を聞きます。
→認知症の人の声を認知症施策に反映させる仕組みづくりについては、今後の研究課題であると認識しています。
<解説>
 もう一つ紹介をしたのが、日本認知症本人ワーキンググループ11月1日に発表した「認知症とともに生きる希望宣言」です。これは5つの宣言で構成されています。
1.自分自身がとらわれている常識の殻を破り、前を向いて生きていきます。
2.自分の力を活かして、大切にしたい暮らしを続け、社会の一員として、楽しみながらチャレンジしていきます。
3.私たち本人同士が、出会い、つながり、生きる力をわき立たせ、元気に暮らしていきます。
4.自分の思いや希望を伝えながら、味方になってくれる人たちを、身近なまちで見つけ、一緒に歩んでいきます。
5.認知症とともに生きている体験や工夫を活かし、暮らしやすいわがまちを、一緒につくっていきます。
 認知症本人ワーキンググループのお二人から話されたのは、「この宣言は、認知症になった本人たちが自分たちが背負ってきた苦しみを次の人たちに残してはいけないという思いで作られた」とのことです。特に5番目の「暮らしやすいわがまちを、一緒につくっていきます」が重要とのことです。全国でもいくつかの自治体で認知症支援のための条例づくりがされていますが、大事なのは「本人を支援したり、認知症を予防したりするための条例ではなく、本人が街の一員として活躍できるための条例にしてほしい」とのことでした。
 市の答弁は、「認知症の本人の声を実際に施策に反映させる仕組みづくりは、今後の研究課題」とのことでした。第7期介護保険計画で、今後3年先の認知症対策は決まっているので、今後3年間は計画外の事はできないのか?そうではなないと思います。第7期介護保険計画でも「若年性認知症施策の実施」「認知症の人とその家族へ支援に関する取組」などの項目が挙げられています。この項目の中で、様々な施策ができるのではないでしょうか。
 今回の認知症本人ワーキングループのお二人との話しの中で、最後に教えてもらったのは「いま国は『認知症の人基本法』の制定を考えている」「しかし国の動きを先取りする形で、本人が参画した形で『認知症の本人の視点にたった条例』制定を目指している自治体がある」「ぜひ、稲城市でも取り組みができるようにがんばってほしい」とのことでした。
 また、「行政以外でも、住民の中から認知症の本人たちによるミーティングや情報発信はできる」とのことでした。私の知り合いや友人にも認知症の方がいらっしゃいます。私自身もそういったご本人たちと対話をして、私も経験を積んでいく中で、一人一人の高齢者が大切にされるまちづくりのために、ぜひまたこのテーマについて問題提起をして、提案もしていきたいと思います。
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※「認知症とともに生きる希望宣言」の表紙。ダウンロードはこちらから。(日本認知症本人ワーキンググループのホームページ)

(2)保険者機能強化推進交付金(市町村分)について
①同交付金の概要について聞きます。
→市町村分の総額190億円を、各市町村の評価指標毎の点数に1号被保険者数をかけて算出した点数を基準にして、各市町村に一定の割合で交付されるものです。
→交付される時期は、平成31年1月に各市町村から交付申請、3月に交付決定、平成30年度内に交付される予定と聞いています。
②同交付金の評価指標の概要について聞きます。
→全61項目が評価指標となっています。
→市の評価冶王経については、現時点では国から市への評価結果は提示されていません。
③インセンティブによる調整交付金ではなく、明確な財源保障を国に求めるべきと考えるが認識を聞きます
→介護保険財政への国の財政支援に関しては、これまでも東京都市長会を通じ「保険者機能強化推進交付金については、引き続き既存の交付金とは別の財源により実施すること」を国へ要望していきているところです。

<解説>
 保険者機能強化推進交付金とは、交付金の総額を決めて地方自治体に点数を付けて点数の高いところから分配するというものです。国民健康保険では保険者努力支援制度として既に導入をされている仕組みが、介護保険制度でも始められようとしています。
 本来全額支給されるべき交付金の一部を流用して、自治体の点数競争をさせて差をつけるというのがこの中身です。点数競争そのものにも問題ありますが、少なくとも自治体に約束した交付金は余計な手を加えないで交付されるべきです。この機能強化推進交付金については、その内容と財源の在り方の2つの点で大きな問題があります。評価が明らかになった時点で、再度一般質問等でも取り上げていきたいと思います。



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