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稲城市議会9月議会一般質問報告1~多様な体験ができる放課後子ども教室に向けて~ [市議会]

 9月7日に稲城市議会第3回定例会(9月議会)で一般質問を行いました。質問のやり取りについて3回にわけて報告します。1回目は「放課後こども教室」について報告します。

多様な体験により子どもたちの成長に結びつく放課後こども教室の実現に向けて
(1)目的・役割について
①放課後子ども教室の目的と、当市における運営体制について聞きます。
→放課後や夏休みに学校施設を活用して安全管理委員等が見守り、子どもたちに安全で安心な居場所を提供することを目的とした事業です。
→1つの教室で3~4人の安全管理員が見守る中で、自主性をもって子ども同士仲良く過ごしています。
→国の「新・放課後子ども総合プラン」については国が取りまとめた技術的助言ですので、放課後子ども教室の円滑な運営を図るうえで参考としています。
②「学童保育」との役割、性質の違いについて聞きます。
→放課後子ども教室は放課後おける子どもたちの安全で安心な居場所づくりのための見守り事業であり、学童クラブは保護者に代わり生活指導や育成をする場であります。
→放課後子ども教室は安全安心な居場所づくりとして定着していることから、学童クラブの受け皿的な役割も担っています。
→国の「新・放課後子ども総合プラン」には、「受け皿」という役割については明記されていません。
<解説>
 放課後こども教室の活動内容について、保護者から様々な声が寄せられています。他市で実施されているような多様な活動の実施も含めた放課後子ども教室の質の向上を求める立場から質問しましました。
 放課後子ども教室の運営については、2018年に「新・放課後子ども総合プラン(以下、新放課後プラン)」が出されました。この新放課後子ども総合プランが、現在の学童クラブや放課後教室の運営の国の基本的な指針となっています。その中では、「全ての児童の安全・安心な居場所の確保」と「一人一人の児童に対してきめ細やかに対応する」ということが求められています。
 そしてこの「新放課後プラン」には、「放課後子ども教室は学童の受け皿である」という
は記載はどこにもありません。稲城市が独自に言っているだけです。新放課後プランでは、学童と放課後子ども教室の関係をなんといっているのか。それは、「学童と放課後教室の一体的実施」と言っています。
「一体的実施」とはどういうことなのか。新放課後プランでは次のように述べられています。「学童クラブと放課後こども教室の従事者が常に連携し、学童クラブの児童も放課後子ども教室の活動プログラムに参加できるようにすることが必要である」ということです。
「学童に入れなかった子どもを放課後教室で受け入れます」ということではなく、「学童が必要な子どもが学童に入ることは当然であって、そのうえで学童の子どもが放課後教室の活動プログラムに参加できるようにしましょう」と述べられています。
 学童に入れなかった子どもが参加する放課後教室ではなく、学童に入れた子どもでも参加できる放課後教室こそが基本的な形として国が求めていて、かつ多くの自治体で実践されている放課後こども教室の姿です。稲城市は基本的なスタンスが逆転をしていると言わざるを得ません。
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※「新・放課後子ども総合プラン」の学童クラブ(左)と放課後子ども教室(右)の関係性。

(2)内容について
①新型コロナ感染症の流行前と流行後での活動内容の変化について聞きます。
→感染対策を行うとともに、過ごし方については子どもたち同士の接触機会を回避するため一人でも遊べる工作や折り紙など楽しく過ごせる機会を意識的に増やしてきました。
→一人で遊ぶことができない子どもがいる場合は声かけや一緒に遊ぶなど、適切な関わりを持つことができるようにしています。
②7月に実施された「保護者向けアンケート」の回答・集計状況について聞きます。
→7月12日から30日までに参加した児童476人にアンケートを配布し、184人から回答がありました。「満足」「どちらかというと満足」が95.6%、「どちらかというと不満」1.9%と高い評価がされました。
→現在、放課後子ども教室に児童が参加していない家庭についてアンケートを行う予定はありません。
→放課後子ども教室のご要望やご意見については各学校の安全管理員や生涯学習課で聞いていきます。
③他市で行われているような文化・芸術・スポーツなどのテーマごとの活動実施について認識を聞きます。
→これまで季節行事を楽しむ活動や体育館等で体を動かして遊ぶこともしてきました。一方で放課後子ども教室の運営主旨である、子どもたちの自主性を尊重して安全安心な居場所を提供していくことが大切であると認識しています。
→「新・放課後子ども総合プラン」は2018年に作られており、新型コロナ感染症対策が求められる現在の状況でこの考えを取り入れるのは慎重な判断が求められると考えています。
<解説>
 放課後子ども教室の活動内容では、新型コロナの影響はやはり大きいと思います。「友達と接触できない」「ちょっとお話をしていたら注意をされた」「一人だけで黙々と遊ぶといっても限界がある」そんな保護者の声も届いています。
 市が取ったアンケートに回答された方はみなさん、満足度は高いということです。それ自体は大変良かったと思います。しかし、私のもとにも保護者の方から様々な声が寄せられています。その中には登録はしたけれど実際には子どもが参加していない方や、以前は子どもが参加していたけれど今は行っていないという方もいます。
 実際に子どもの参加状況は、2020年度の放課後教室の一日平均の参加者数は一校平均4人、2019年度は一校平均14人でした。コロナの状況もあり単純な比較はできないかもしれませんが、しかし以前は通っていたのに通わなくなった子どもがかなりの数にのぼっています。なぜ通わなくなったのか、どうしたらまた通ってもらえるようになるのか、様々な声を聞くのは重要ではないでしょうか。
 活動内容で「自主性が重要」と強調されていますが、私は自主性という言葉の使い方が違っていると思います。実際に保護者からは「自主性というけれど実態は放置に近いような状況」という声も出されています。
例えば、こんなご意見です。
「自主性に任せるとあるが低学年の児童には難しいこともある」
「居場所の提供になっていて、子どもは飽きてしまう」
「場所の提供だけでは子どもは過ごせない」 こういった率直な声が寄せられています。
 新放課後プランの中では「全ての児童を対象にした多様な学習・体験活動のプログラムの充実」というのが言われています。単純にたくさん集まりましょうということではありません。地域の人の力も借りながら「学校での学びを深めたり広げたりする学習や補充学習」「文化や芸術に触れあう活動」「スポーツ活動」等の興味関心やニーズを踏まえた多様なプログラムを充実させることで、いろいろな興味を持った子どもたちが参加できるようにしましょう、と述べられています。これは、このコロナ禍だからこそ求められている面もあると思います。
 先日お話を聞いてきた小平市のある小学校では、コロナ禍ではあったけども感染対策をしっかりとやりながら、様々なテーマに基づいた活動をされていました。「ミニバスケット」「花壇の手入れ」「習字」「生け花」「寺子屋で勉強の予習復習」「読み聞かせ」、どれもコロナ禍の中で活動頻度を減らしながらも地域の人の手も借りながら実施していました。
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※小平第四小学校の放課後子ども教室の活動

「子どもの自主性」だけでは、やはり面白い活動にならないと思います。今こそ、積極的な活動を行うべきではないでしょうか。地域の人たちの手も借りながら子どもたちの興味関心も踏まえた多様な活動にしていけるように努力していくべきではないかと提案もしました。
 質問と答弁がすべてかみ合っていたかどうかは疑問な点もありましたが、これからも他市の事例を広く見学したり学びながら、より良い放課後子ども教室にしていくために積極的に提案をしていきたいと思います。


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