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稲城市議会3月議会一般質問報告2~生活保護制度について~

一般質問の2回目の報告は、生活保護制度について報告します。

2.安心して気軽に利用できる生活保護制度の実現に向けて
(1)新型コロナ禍での生活保護の利用状況について
①直近の受給者数と前年同月数、それに対する認識は?
→2021年1月の生活保護受給世帯は881世帯、受給者数は1133人です。前年同月数は834世帯、1098人です。
→増加の要因は失業や収入の減少等によるもので、それは新型コロナウイルス感染症の影響によるものも含まれていると考えます。
②今年度の新規申請数と前年同月数は?
→2021年1月末までの累計は134件です。前年同月数は81件です。
→申請世帯の年代別内訳は、20歳代が14件、30歳代が15件、40歳代が18件、50歳代が24件、60歳代が28軒、70歳代が23件、80歳代が10件、90歳代が2件です。
<解説>
 生活保護は、憲法にも保障された国民の権利そのものであります。新型コロナ禍の中で、生活が困窮し厳しい状況におかれる人たちが増えてきています。誰もが気軽に利用できる生活保護制度にしていくことを求める立場から質問しました。
 生活保護の受給状況は1年前と比べると47世帯、35人の増となっています。増えた理由としては失業や収入の減少であり、それはコロナの影響があるとのことです。菅首相が国会で「最後は生活保護があると答弁」をしました。最後の安全網として生活保護があるということです。それでは、生活保護が最後の安全網として機能しているのか。必要な人が漏れなく利用できるようになっているのか。その点が問われてくるのではないでしょうか。

(2)親族等への問い合わせ(扶養照会)について
①生活保護制度における「扶養」の法的位置づけと、申請時の対応は?
→生活保護法4条において「民法に定める扶養義務者による扶養が生活保護に優先して行われる」ものとされる一方、保護の要件ではないと位置付けられています。
→申請時の対応については、要保護者本人の申告やその後の戸籍照会から扶養可能と思われる方を把握した場合は、本人の意向を踏まえた上で面接や書面により扶養照会を行っています。本人が望まない場合に扶養照会を行わないこともあります。
②今年度および前年度の扶養照会の件数と、その結果として経済援助に結び付いた件数について
→2021年1月末で213件です。前年度の合計は172件です。
→扶養照会の結果として経済援助に結び付いた件数としての集計は行っていませんが、生活保護申請を受理した世帯のうち、親族等から経済援助を受けた件数は今年度は6件、前年度は7件です。
③生活保護の申請にあたって扶養照会の実施は義務ではないと考えるが認識を聞きます。
→扶養照会が義務か否かについては、明確に示されておりません。
(3)権利としての生活保護について
①国民の権利として、困ったときは遠慮せずに利用してもらえる生活保護制度にしていくことが求められると考えるが、市長の認識は?
→法律に基づいて適切に運用していきます。
<解説>
 私自身も生活保護の申請のお手伝いで生活福祉課に伺った事は何度もあります。稲城市においては、一部の自治体で行われているような水際作戦と言われる違法で不適切な対応はされていないと考えています。しかし同時に、いくつかの課題も残されていると思っています。
 その中のひとつが、親族等への問い合わせ、いわゆる扶養照会です。この扶養照会を行ったことで、申請者が申請をあきらめようとしたり、親族の人とトラブルになった事例が、私がこれまで関わった中でありました。また、すでに報道などでもされているように、貧困問題に取り組む団体のアンケート調査で生活困窮者が生活保護の申請をためらう一番の理由が扶養照会であったことも明らかになっています。扶養照会というものはそもそもどういうものなのか、本当に必要なのか、ということです。
 その上で、とても重要な答弁がされました。扶養、親族からの援助の可否は生活保護の要件ではないということ。また、本人の意向を踏まえた上で扶養照会を行う、ということ。そして、申請者本人が望まなければ扶養照会は行わないということもある、ということです。これは、本当に重要だと思います。
「扶養照会が義務かどうか」と聞くと、「明確には示されていない」というものでした。その通りのわけで、生活保護法のどこにも「扶養照会をやらなくてはならない」とは書いてありません。本人が望まない扶養照会については当然、行わない。さらに言えば、扶養照会を行うのかどうかについては、その都度申請者の意思を確認するといった対応が求められるのではないでしょうか。
 残念ながら市長は「権利としての生活保護」について言及はしませんでした。生活保護を受けることのできる人、生活保護が無ければ生活がたちゆかなくなってしまう人、そういった方々が気兼ねなく、安心して申請ができる環境をつくっていく事が必要です。
 そのためには法律や制度の改善をさせながら、現場である自治体窓口での改善も必要です。公助としての生活保護制度を必要な人が気兼ねなく、遠慮なく利用できる制度にしていくこと。安心して申請できる運用にしていくことをこれからも求めていきます。
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