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稲城市議会12月議会一般質問報告1~介護保険制度~ [市議会]

 12月1日に稲城市議会一般質問を行いました。今回も3回に分けて報告します。第1回目は「介護保険制度」について報告します。

1.必要な人が必要なサービスを利用できる介護保険制度に向けて-高すぎる介護保険料と介護サービスの制限について
(1)高すぎる介護保険料による滞納の実態について
①直近三年間の介護保険料の滞納数と滞納額について聞きます。
→以下の表の通りです。
120101.jpg
→滞納件数や滞納額が減少している理由は、収納率向上のための様々な取り組みと介護保険制度に対する理解が進んできていると考えます。
②直近三年間の介護保険料の滞納を理由とした、資産等の差し押さえ件数と差し押さえ額について聞きます。
→以下の表の通りです。
120102.jpg
→差し押さえについては納付期限までに介護保険料の納付がない場合は、自主的な納付を促すため、督促や催告を行うとともに、納付相談により滞納者の生活実態をよく確認して丁寧に対応しています。
③介護保険料の徴収猶予・減免の基準と内容について聞きます。
→高齢者本人や世帯の主たる生計維持者が死亡や障害又は、失業等により収入が著しく減少した場合に対象となり、減額や免除となります。このほかに新型コロナの影響により一定程度収入が下がった場合は8割の減額または免除を行っています。
→生計困難な場合の減額は2017年度に5人、2018年度に5人、2019年度に5人となっています。新型コロナの影響による減額は12人、免除は18人となっています。
→介護保険料の減免については、該当する高齢者が申請できるように引き続き周知をしていきます。
<解説>
 介護保険料を滞納して差し押さえ処分を受けた高齢者の数が過去最多を更新したことが明らかになりました。高すぎる介護保険料の負担を減らすこと、また更なる介護サービスの制限に反対することを求めて質問しました。
 厚労省の調査によると、介護保険料の滞納による差し押さえ処分を受けた高齢者は2018年度に全国で1万9千人を超えて、過去最高となったとのことです。2018年・平成30年度は第7期介護保険計画の初年度で、全国で保険料の値上げが行われました。稲城市でも基準保険料が前年の4800円から5200円に値上げされました。実態が聞くと、保険料の値上げがされた平成30年度はやはり差し押さえ件数も額も増えている傾向であることが分かります。
 市の窓口では納付相談で生活実態を確認して、丁寧に対応をしているということです。私も無理やりな差し押さえが行われているというようには捉えていません。ただ、重要なのは差し押さえとなる前に解決をする事、特に支払うことができない人へ必要な対応がされているのかということではないでしょうか。
 減額や免除の制度はありますが、実際に減額を受けているのは毎年5人に留まっています。新型コロナの特例対応では30人の減免となっていますが、これは今後も増えていくのではないでしょうか。少ない年金しかない高齢者の方が増えてきているのに、保険料は毎回上がってくる。高齢者の医療負担も増やそうという話まで出されています。ますます厳しい状況が広がっていくのではないでしょうか。
 来年度から始まる第8期介護保険計画の議論も大詰めを迎えていて、運営協議会では保険料についても複数の案が示されています。介護保険料のこれ以上の値上げは行わず、減免制度については対象者を増やすような制度にしていくこと、減免制度を利用しやすいように周知していく事を求めました。

(2)要介護者への総合事業の拡大について
①厚労省の「介護保険法施行規則の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第 176号)」に示されている「第1号事業に関する見直し」の内容について聞きます。
→介護予防・日常生活支援総合事業の対象者の弾力化等です。
→市としては見直しに伴う対応は考えていません。
②稲城市において「総合事業の対象者が要支援者に限定されているために事業が実施しにくい」という実態はあるのか聞きます。
→事業者、利用者ともに総合事業が実施しにくいというご意見はありません。
→今後については制度に基づいて実施していきます。
<解説>
 これは厚労省が不意打ち的に方針を出して、大きな波紋を呼んでいます。本来なら法律を改正して行うべきものを、国会を通さずにパブリックコメントだけ取って省令改正で行おうとしています。
 要支援者の人にだけ限定されて実施している総合事業のサービスについて、自治体の判断で要介護者の人も利用できるようにするというものです。極端に言えば、要介護5の人が要支援者の人と同じようなサービスを受けるような状況が起きてしまいます。これに対して「認知症の人と家族の会」は緊急声明で「要介護者の保険外しに道を拓く」と厳しく批判をしています。
 それでは、これらの見直しを受けて市として何か対応をすることはあるのか。答弁は「市としての対応は考えていない」ということでした。
 厚労省はパブリックコメントの回答の中で次のように述べています。「一定数の市町村が総合事業の対象者について、『対象者が要支援者等に限られてしまっていることで事業が実施しにくい』という調査結果がある」「この調査結果を踏まえて弾力化を行う」ということです。しかし、市に確認すると「(稲城市において)そういう意見は無い」という事です。必要性も無く、理由も無い、ということです。第8期介護保険計画の策定も大詰めを迎えています。誰もが安心してサービスを受けられる介護保険制度を求めていきます。

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