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稲城市12月市議会一般質問報告3~台風の停電被害と多摩火工廠DVD~ [市議会]

稲城市議会一般質問報告の3回目は、「台風24号の倒木と停電被害」と「多摩火工廠DVD」についてです。

4.台風24号の被害状況と災害時の情報発信体制の強化にむけて
(1)倒木被害について
①市内の倒木とそれによる被害発生状況について聞きます。
→市街地において32ヶ所で倒木や絵倒れなどにより、一部の道路や歩道での通行障害や電線への接触などの被害が発生しました。
②倒木への対処と今後の課題について聞きます。
→対処としては、道路や歩道をふさいでいる木や枝の除去、また応急的に木や枝を固定するなどをしています。
→課題としては、大木となった街路樹について枯れ枝や倒木、電線に架かる危険木対策など、防災上や交通安全上の課題があると認識しています。
(2)停電被害について
①市内の停電の発生状況について聞きます。
→6087軒の停電が発生しました。内訳は矢野口が1847軒、東長沼153軒、大丸1軒、百村1257軒、坂浜が1195軒、平尾が1633軒、長峰1軒です。
→停電の発生から復旧の状況については以下の表の通りです。
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→過去10年間の発生状況では、平成24年4月24日に落雷による10分間程度の停電が発生しています。
②停電の発生状況や復旧見込み等について、市民への情報発信がどのようにされたのかについて聞きます。
→広報については東京電力の全域で大規模な停電が発生したことから、東京電力への問い合わせが殺到して正確な情報の入手に時間を要しました。
→できる限りの情報を入手し、市メール配信サービス等での情報提供に努めたところですが、今後は必要に応じて広報車等を活用した広報も行っていきます。
<解説>
 暴風圏の範囲も強さも格段に大きい台風24号は日本列島各地に被害を及ぼし、9月30日の夜から未明にかけて稲城市内にも最接近して市内に大きな影響がでました。被害状況について確認するとともに、いざ災害が起きた時に市民の不安を和らげるためにも積極的な情報発信を求める立場から質問しました。
 台風の翌日に、私も地域を回りましたが、多摩川の土手ではサイクリングロードに横たわるように木が倒れていたり、吉方公園では入口の大木が根っこから倒れていました。そして、倒木が電線に接触することで大きな停電被害も起きました。市は今後の課題として、なんらかの危険性があると判断できるような街路樹などについては、事前に対応をしていく必要があるのではないかということです。この点については引き続きの対応を求めました。
DSC_6876.JPG
※台風通過後の多摩川サイクリングロード

 停電については、6千軒を超える停電が発生しました。市内の世帯数は約4万世帯ですので、単純計算でも全世帯の15%、約7軒に1軒の割合で停電が発生したことになります。今回の停電は台風による倒木等の影響で起きたもので、市内全域ではなくて一部の地域に集中して発生をしました。例えば同じ矢野口でも私の住んでいる地域は全く被害はなかったのに、ある特定の地域だけが停電をして、さらに地域によって復旧までに要した時間も大きく違っていました。
 停電に関する情報については、市はホームページやツイッター、メール配信で情報発信したということです。私もメール配信サービスに登録していますが、停電に関しては10月1日午前1時14分に「停電が発生しました」という物と、10月1日午後5時18分に「停電が復旧しました」という2件でした。稲城市公式ツイッターも確認したら、同じく「停電が発生しました」と「停電が復旧しました」の2件の情報発信でした。
 一部の地域では、発生から復旧に13時間とか18時間など相当数の時間がかかっています。しかし、そうした地域の住民の皆さんからは現状がどうなっているのか、ほとんど情報が入ってこなくて困ったという声が出されていました。必要に応じて広報車によるアナウンスをするなど、情報発信に課題があったのではないでしょうか。
 ここまで大規模で長時間にわたる停電は過去10年でも起きていなかったということで、ある意味想定外の事態です。しかし、北海道地震では全道ブラックアウトというまさしく想定外の事態が起きています。住民の方に直接情報を伝えたり、職員が直に状況を確認したりするだけでも、住民の不安の解消にもなると思います。今回の台風とそれに伴う倒木や停電被害について様々な角度で検証もしていただき、これからの課題にしてほしいと求めました。


5.地域の歴史を伝えるための多面的な資料充実にむけて
(1)多摩市教育委員会においてDVD「青空が見ていた多摩」が作成された経緯について、稲城市教育委員会として把握している範囲で聞きます。
→本DVDは多摩市くらしと文化部平和人権課において、平和啓発事業の一環として「多摩火工廠」を後世に語り継ぐ資料として、中学生をはじめ若い世代に視聴してもらうために作成されたと聞いています。
(2)同DVDにおける稲城市教育委員会の関わりについて聞きます。
→多摩市からDVD作成のための資料提供の依頼を受けて稲城市史下巻、稲城市史研究第五号、第六号、稲城市文化財研究紀要第3号に掲載している多摩火工廠の歴史などの資料を提供しました。
(3)同DVDの資料価値について認識を聞きます。
→本DVDの評価について、それを見た人それぞれの判断に委ねられるものと考えています。市としては、多摩市が作成した資料であることを含め、資料的価値については判断する立場に無いものと考えています。
(4)同DVDを参考にして稲城市でも映像資料を作成すべきと考えるが認識を聞きます。
→多摩火工廠跡の学術的調査に基づき文化財ノートなどを様々な資料を整備し、一定の整理ができたものと認識しています。このことから、現時点では新たに映像資料を作成する予定はありません。
→本DVDの上映会などを行うことは考えておりませんが、多摩市が本DVDを活用して平和事業を行う場合には、多摩市との連携協力のもと市民にその情報を案内していきます。
<解説>
 稲城市の郷土の歴史を伝えていくために、写真や書籍だけではなく映像による資料作成も重要であり、映像資料の充実を求める立場から質問しました。
 今回質問準備のために、多摩市平和人権課に伺っていろいろとお聞きしてきました。多摩市は2000年から市民と実行委員会をつくって、多摩市平和展を開催しています。その平和展の中で、毎回「多摩火工廠とその後の変遷」というテーマで資料展示を行っているそうです。
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※2018年の多摩市平和展のポスター

 パルテノン多摩で保有している当時多摩火工廠で作業に従事していた女学生の日誌などを展示しながら、郷土の歴史として多摩火工廠についてもっと多くの市民にしってほしいという目的で行われているとのことでした。ただ、資料展示だけでは伝え方に限界があると感じていた中で、もっと分かりやすい物で中学生レベルでも分かるような内容にしようということで、多摩火工廠の成り立ちや歴史について解説している映像資料として、DVD「青空が見ていた多摩」が作成をされたとのことです。
 多摩市平和人権課の課長さんからは、「今回のDVDで紹介している写真や記録の多くは稲城市の資料を使わせてもらってとても感謝している」と言っていただけました。映像の中では、市民の山田重雄さんが書かれた稲城市郷土資料「多摩火工廠懐古」がそのまま紹介されるなど、稲城と多摩の両方に密接に関わっていることが示されています。
 私は、このDVDは多摩火工廠の成り立ちや戦後の動きまで記した、とても分かりやすい資料だと感じました。稲城市も協力をして作られた資料であり、明確に「良い資料である」と認めるべきではないでしょか。
 多摩市では、このDVDを市外の学習会などでも貸し出しをすると言ってくれています。稲城市の歴史を伝えていくという意味でも、郷土資料室や図書館などでの上映会や市民への紹介を行うべきではないかと提案もしました。市は「市内でも上映会は考えていない」という答弁でしたが、市を通さないでも多摩市に直接相談をすれば借りることもできます。ぜひ、多くの市民の皆さんに多摩火工廠の歴史について知ってもらうためにも、私自身もこのDVDを大いに活用をしていきたいと思います。

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