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稲城市3月市議会予算委員会報告 [市議会]

来年度の予算審議も大詰めをむかえ、残すは最終日の討論のみとなってきました。
私は福祉文教分科会の委員として、福祉や教育関係の予算について質疑を行いました。
また、総括質疑として予算全体の事についても何点か質問しました。
様々な内容についてやり取りをしたので、特徴的な項目について抜粋して報告します。
今後の議会日程は3月27日に予算委員会の報告が行われ、28日の最終日に全議案の討論と採決が行われます。

1.市税収入について
①市税収入の前年度予算との比較状況について聞きます。
→個人市民税は均等割(人口数に課税)は約1億54百万円で2百万円増としています。所得割(年間収入に課税)は約66億79百万円で21百万円増としています。
→法人税は均等割(法人数に課税)は約1億9千万円で1千万円増としています。法人税割(年間利益に課税)は約3億98百万円で79百万円の増としています。
②個人市民税と法人税の増額から読み取れる市民の暮らしの状況や、市内での商売の状況に対する認識を聞きます。
→個人市民税の均等割については、納税義務者数が808人増えることになり人口数が増加してきています。所得割については、一人あたりの平均課税額が前年度は15万261円なのが今年度は15万963円としており、暮らしの面からも改善傾向にあると考えています。
→法人税については企業規模を大手企業と中小企業に分けて前年度と比較すると、大手企業は22%伸びているのに対して、中小企業は37%の伸びとなっており市内の中小企業の業績が伸びていると考えています。
<解説>
 市長は2018年度に向けた施政方針で「日本経済は引き続き緩やかな回復基調にあると言え」ると述べました。それでは、実際の市民の生活や暮らし、市内の経済の状況についてどのように認識をしているのかを、市税収入をひとつの判断材料として質問しました。
 確かに個人市民税は前年比0.3%の微増、法人税は17.9%の増となっています。その中身を見ると個人市民税は人口が増えているために増加をしており、一人あたりの平均課税額は微増となっています。今後、国民健康保険や介護保険などの社会保険料の負担が増え、年金の支給額などが削減される見通しの中で、まだ改善を実感できる状況にはなっていないのではないでしょうか。
 また、法人税については企業の数が増えているのと、中小企業の業績が伸びているとのことです。消費税の増税が来年10月にひかえている中で、市民の消費動向に大きな影響を受ける中小企業の商売を支えていくことも求められるのではないかと思います。

2.介護保険財政について
①介護保険財政の基本的な構造について聞きます。
→介護給付費の負担割合は自己負担利用料の分を除いたうちの半分を被保険者の介護保険料で賄い、残りの半分が公費となっています。公費のうち半分が国が、残りの半分ずつを都と市がそれぞれ負担しています。
→この負担割合については、介護保険で必要なサービスを行っていくための適正な負担であると認識しています。
②全国市長会などは国への予算要望で「保険料負担を減らすために、国庫負担を増やすべき」と求めています。稲城市も同じ立場に立つべきと考えるが認識を聞きます。
→まずは介護予防事業等により元気な高齢者を増やして、介護給付費そのものを増やさないことが重要であると考えています。
国の負担については、調整交付金などについて法定分の全額を確実に支給してもらうことなどを東京都市長会では東京都を通して要望しており、今後もそのような立場で行っていきます。
<解説>
 今回の議会では介護保険料の値上げについても議案が出されています。既に福祉文教委員会で私だけが反対して賛成多数で可決されていますが、根本には介護保険財政の構造的な問題があります。介護保険サービスを使えば使うほど、その半分を介護保険料で賄わなくてはならないので、介護保険料の伸びが止まらなくなってしまうのです。この根元の部分を変えていかないと、介護保険制度は遠くない時期に行き詰ってしまうのではないでしょうか。
 今の状況では「介護保険料を青天井で上げていく」か「介護保険サービスを使える人を極端に絞り込む」かの2択となってしまいます。国が「介護の社会化」という理念で制度を導入したのだから、ちゃんと国が責任を持つべきです。全体の費用のうち国の負担が25%しかないのは明らかに少なすぎます。私たち日本共産党は、国の負担割合を直ちに10%引き上げ、将来的には50%に引き上げることを提案しています。
 全国市長会も今年の予算要望として「将来にわたって都市自治体の財政負担や被保険者の保険料負担が過重とならないよう、国費負担割合を引き上げること」を求めています。稲城市も「適正な負担」と言うのではなく、少なくとも市長会と同じ立場に立つべきであると求めました。

3.保育園の待機児童対策について
①認可保育園の受入数の歳児別の増減について聞きます。
→以下の通りです。
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→申し込みの多い低年齢児の受入数の拡大について市内の保育園にお願いをしてきました。しかし、待機児童数は昨年度と同程度の数となることが見込まれています。
→待機児童対策は喫緊の課題として認識をしています。また、認可保育園に入れなかった家庭には一時預かり保育や認証保育所の案内など個々の事情に沿った丁寧な対応を行っていきます。
②「定期利用の一時預かり保育」の内容について聞きます。
→中島ゆうし保育園の一室を使い、1~2歳児を10人受け入れます。一年間の定期利用として、その都度の申込は必要ありません。フルタイムで働いている人を対象とする予定です。
→通常の定員拡大は難しく、一時預かりという形での受け入れとなりました。
→働いている保護者の状況に合わせた17時以降の預かりについては、保育園とも協議していきます。
③新規で開設する保育園への整備補助金について聞きます。
→2019年に開設予定の保育園への整備補助として、南山地区への新設分に7290万円、矢野口地区への新設分に2025万円を予定しています。そのうち、国庫補助金として南山地区は4860万円、矢野口地区は1350万円を見込んでいます。
→新たな保育所を整備していく上で、国の補助金などを有効に活用していくことが事業者の負担軽減にもなり、保育所等整備が円滑に進めていくために必要であると考えています。
<解説>
 保育園の待機児童問題は、昨年に引き続き深刻な実態です。以下の表は、日本共産党東京都議団が独自に調べた都内の自治体別の保育園の申込数と不承諾(入れなかった)数の集計です。市部の中で、申し込んだ人のうと4割が不承諾になっているのは、集計できた範囲では2市だけ、そのひとつが稲城市となっていて平均不承諾率も大きく上回っています。
032502.jpg
 この間、報告しているように市は2018年度から4年かけて認可保育園を11園増やす計画ですが、少なくとも今度の4月の保育園の入園に向けては最も要望のある0歳~2歳児は41人しか増えていません。緊急対策として一時預かり保育の新たな制度も導入する予定ですが、一時預かり保育については「正式な入園ではないので、園の行事に参加できない」「預かり時間が17時までと決まっていて、それ以上の延長ができない」「保育料が割高」などの声が寄せられています。質疑のやり取りの中で「保育時間の延長については協議をする」と答弁をしましたが、一時保育でしのいでいくのではなく、保育園の定員そのものを抜本的に増やしていくことが必要です。現在、待機児となっている家庭への丁寧な対応と、新たな保育園新設計画を早期に着実に実行させていくことが求められます。

4.子どもの居場所づくりについて
①「子ども居場所事業補助金」の内容について聞きます。
→平成13年から城山文化センターを拠点に中高生の子どもたちがくつろげる居場所づくりを行っている市民活動団体への補助金となっています。
②子どもたちの居場所づくりのための更なる補助や実態調査などを行うべきと考えるが認識を聞きます。
→中高生の居場所づくりとしては児童館で行っている中高生タイムや、各学校の体育館開放などを行っています。4月からは本郷児童館で中高生のために18時まで開館をすることを予定しています。現在のところは、補助事業としてはこれ以上の拡大は考えていません。
<解説>
 東京都が新年度予算の中で、「こども食堂」への補助事業を開始することを計画しています。市内でも子ども食堂や学習支援の無料塾など、子どもの居場所づくりについての取り組みが始まっています。現在の居場所事業は「中高生の居場所づくり」を目的にしていますが、今求められているのは「小学生からの居場所づくり」ではないでしょうか。ニーズ調査や実際の活動状況調査などについて、これからも求めていきます。

5.その他
①公民館の古くなったイスなどの備品の修繕や買い替えについて聞きます。
→修繕費として360万円を計上しました。
→利用者や公民館運営審議会などの意見を聞いて、必要な修繕や備品の購入を行っていきます。
②小中学校で消耗品の購入などに使う学校管理費の決め方について聞きます。
→最初に児童数や面積数などを基礎にした所定の計算様式を使って数字をだし、それを基に各学校と調整の上で消耗品費や燃料費などを決めていきます。
③燃料費などは一年分を使い切ったらそれ以上使えないというのでは教育環境としても良くないと思うが、柔軟な対応について認識を聞きます。
→天候などによって年度分の燃料費を使い切ってしまうこともありうるので、そういう場合は別の予算から必要な分を回すなどの対応を取っていきます。

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