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稲城市9月議会一般質問の報告②~子育て支援について~ [市議会]

一般質問の報告の2回目は「子ども・子育て支援事業計画と子育て支援について」です。

3.子ども・子育て支援事業計画と子育て支援について
(1)平成29年1月27日内閣府「市町村子ども・子育て支援事業計画等に関する中間年の見直しの考え方(作業の手引き)」について
①見直しの要否の基準について聞きます。
→平成28年4月1日時点の支給認定区分ごとの子どもの実績値が、市町村で作成した計画の見込み量よりも10%以上のかい離がある場合には計画の見直しが必要とされています。
→平成28年4月1日時点の状況は1号認定は実績値が1,238人、数の差が349人、かい離率が39%です。2号認定は実績値が1,135人、数の差が53人、かい離率が5%です。3号認定の0歳児は実績値が187人、差の数が-2人、かい離率が-1%です。3号認定の1・2歳児は実績値が771人、数の差が18人、かい離率が2%となっています。
→同じく平成29年4月1日時点の状況は1号認定は実績値が1,220人、数の差が335人、かい離率が38%です。2号認定は実績値が1,152人、数の差が38人、かい離率が3%です。3号認定の0歳児は実績値が244人、差の数が40人、かい離率が20%です。3号認定の1・2歳児は実績値が844人、数の差が71人、かい離率が9%となっています。
②見直しの手順について聞きます。
→見直しが必要と判断した場合は、量の見込みの見直しを行います。
③「推計児童数」の見直し方法について聞きます。
→平成27年および平成28年の計画時の推計値と実績値を比較し、かい離が生じている要員を分析して見直しをする方法のほかに、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定時における人口推計データを活用する方法があります。
→今後、計画の見直しの中で検証した結果で、推計児童数について修正を判断します。
④「支給認定割合」の見直し方法について聞きます。
→平成27年および平成28年の社会や政策の動向、地域の実情等を踏まえ、保育の受け皿整備の進捗による潜在需要の喚起、女性就業率の上昇に留意し、支給認定区分ごとに見直しを行います。
→当市における女性の就業率や共働き世帯数は、計画策定時より増えていると認識しています。
⑤「稲城市子ども・子育て支援事業計画」の中間見直しの進め方について聞きます。
→幼児期の教育・保育料の見込みと確保提供量の見直し案を稲城市子ども・子育て会議で検討し、今年度中のできるだけ早い時期に福祉文教委員会に報告する予定です。

<確保>
 稲城市子ども・子育て支援事業計画の見直しについて前回の第2回定例会で表明されました。どのように見直しをしていくのか、その内容や市の子育て支援策が保護者や保育関係者の願いを反映したものになることを求める立場から質問しました。
 私は平成29年第1回定例会内、3月16日の予算特別委員会福祉文教分会で「子ども・子育て支援事業計画が実態とかい離をしているのではないか」と質問をしました。市はその時は人口推計などが違ってきていることは認めましたが、見直しまでは言いませんでした。しかし実は国の方ではそれ以前から、計画の見直しについて必要性を認めていました。
 見直しを行うか否かの基準として、昨年の4月1日時点での保育が必要であると認定された子どもの数と計画の数に10%以上のかい離というものが示されています。1号認定は幼稚園の利用希望者、2号認定と3号認定が保育園の利用希望者です。2号認定と3号認定は平成28年4月時点では実数と計画にあまり差はなく、今年の4月になって急に差が出はじめたということです。
 しかし、これは本当に4月になって急に増えたものなのでしょうか。日本共産党の岡田まなぶ議員が毎議会で待機児童問題を取り上げて、その都度待機児童数を聞いています。平成28年4月時点での旧基準による待機児童数は129人、7月時点で173人、10月時点では232人、そして平成29年今年の4月時点では254人になっている。つまり昨年の10月以降の時点で、すでに保育利用希望者の実数と計画数のかい離が起きていたはずです。見直しをするのはとても重要なことですが、昨年度の後半時期あたりで検討すべきだったのではないかと指摘をしました。
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 計画の見直し内容でも、推計児童数については「稲城市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の数字を活用するということです。しかし、「まち・ひと・しごと」の将来人口推計では0~14歳の人口は平成27年から32年にかけて減少すると書かれています。前回の第2回定例会の質問でも述べたように、実際は平成27年から29年にかけて0歳から11歳の児童人口は増加をしています。少なくとも、現状の増加傾向にあるという実態は正しく反映をさせるべきであると求めました。

(2)施設整備計画について
①児童福祉法で定められている「市町村整備計画」の定義について聞きます。
→児童福祉法第56条の4の2に「市町村は、保育を必要とする乳児・幼児に対し、必要な保育を確保するために必要があると認めるときは、当該市町村における保育所及び陽穂連携型認定こども園の整備に関する計画を作成することができる。」と定められています。
②稲城市の「整備計画」の内容について聞きます。
→稲城市においては、子ども・子育て支援事業計画の中で整備目標を立て確保提供量を記載していることから、市町村整備計画は策定していません。
③今後の保育所整備の計画について聞きます。
→今後の保育所整備の計画については、子ども・子育て支援事業計画の見直し結果を踏まえて内容を具体化していきます。

<解説>
 子ども・子育て支援事業計画は、今年度中に見直しをするとのことです。子どもの数はあきらかに増えていて、さらに女性の就業率や共働き世帯数も増えているということであれば、保育の提供量を増やす必要があります。それでは計画上では保育の必要数を増やしたとして、その裏付けとなる実際の定員をどうするのかということが問われてくるのではないでしょうか。
 一般的には、保育園新設や耐震改修等の施設整備を年度毎に計画的に行うための物として、「市町村整備計画」が作られます。しかし、稲城市は子ども・子育て計画があるから、児童福祉法に定める整備計画は作っていないということです。子ども・子育て計画では保育の提供量は書いてありますが、具体的な施設名や定員数などは書かれていません。本来は子ども・子育て支援計画で数字を決めて、その数字の実行計画として施設整備計画をつくるのが計画的な進め方なのではないでしょうか。
 そもそも、子ども・子育て計画そのものが見直しになっているので、待機児対策が計画的に進んでいないわけです。認可保育園の今後の整備状況について、市議会福祉文教委員会で担当部署から説明されたものと、市広報で市長が発表したものに齟齬があって問題になっています。我々、議員はどちらを信用した方が良いのか。あいまいな情報を出されても困りますし、市民に責任もって説明することもできません。これも根本には、法的に明記をされた正式な「施設整備計画」が作られていないからではないでしょうか。計画的に整備を進めるというのであれば、正式な計画をしっかりと作るべきであると求めました。
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(3)保育士の処遇改善について
①市内の公立保育園での保育士確保状況について聞きます。
→定員に必要な人員は確保しています。
→待機児童緊急対策に向けた保育士の確保については厳しい状況ですが、臨時職員を採用するなどの対策を講じています。
②市内の民間保育園での保育士確保状況について聞きます。
→定員に必要な人員は確保しています。
→待機児童緊急対策に向けた保育士の確保については、現在4人確保できている状況です。
→民間保育園での保育士確保については、私立保育園園長会などを通じて厳しい状況であると聞いています。
③これまでの市の保育士処遇改善の内容について聞きます。
→公立保育園では、正規職員の給与改定のほか、非常勤職員の報酬の増額をおこなっています。市立保育園では、国の定める公定価格の中で処遇改善がされています。また、市としては保育士宿舎借上補助を開始しています。
→保育士宿舎借上補助の継続や拡大については、財政状況などもふまえて判断していきます。
④市独自の施策として民間保育園に対する「賃金上乗せ補助」の実施について認識を聞きます。
→国の定める公定価格の中で処遇改善加算が毎年上昇している状況を勘案し、現在のところ実施の予定はありません。

<解説>
 この間、市内の私立保育園の園長の皆さんと話しをすると、保育士確保の厳しさについて出されます。本当に常勤が集まらず、通常の方法ではなかなか定数を満たせないので、派遣業の会社からの紹介による採用も行っているとのことです。紹介会社を通すと年収の30%分を紹介料として払うことになり、正規職員を1人雇うと紹介会社に100万円の紹介料を支払っているというのです。こういった状況に対して、市としてどのような援助や支援ができるのかが、今問われているのではないでしょうか。
 保育士の宿舎借上げ補助(家賃補助)についても、私立保育園の園長の身南沙から以前より要望として挙げられていました。近隣市の多くは既に全面的に実施をしています。就職フェアや説明会などに行くと、この家賃補助が無いというだけで見劣りがして応募が少なくなる。稲城市以外でも保育園を運営している法人では、稲城市に異動になると家賃補助がなくなってしまい職員が異動を嫌がるので、法人が敢えて家賃分を負担しているなどなどの声が出されていました。こういった切実な要望にはしっかり応えていく事が求められているのではないでしょうか。もともと、これは東京都の補助金で実施をされていて、この間対象も拡大をされています。来年度予算に向けて、宿舎借上げ補助の継続と拡大についてはこれからも求めていきます。

(4)「地域子育て支援拠点事業」について
①「地域子育て支援拠点事業」の事業内容について聞きます。
→0歳から3歳までの保育所等を利用していない子どもとその保護者に対して、親子間の交流の場の提供や子育て全般に関する専門的な支援を行います。私立保育所においては、子育てひろば事業として子育て講座の開催や育児相談、子育てサークルに対する支援などの事業を実施しています。
→私立保育園における子育て講座や育児相談を行うのは、当該保育所の保育士となっています。
②市内の「地域子育て支援拠点事業」の拠点事業所について聞きます。
→2つの子ども家庭支援センターと、7つの私立保育園となっています。
③「地域子育て支援員」の位置づけや役割について聞きます。
→地域における子育て支援の担い手のひとつとして位置付けられており、認証保育所や家庭的保育事業などで保育士の補助的な役割を果たしています。
→「地域子育て支援員」が「地域子育て支援拠点事業」に積極的に携わってもらうために、市内の支援員への情報発信や実施事業への紹介などを行うことについては、重要なことであると認識しています。

<解説>
 子ども・子育て支援計画の中で新たに開始された事業が「地域子育て支援拠点事業」になります。市内の私立保育園でも半分以上の園が拠点事業所に指定をされているのですが、実際に事業に携わるのはその保育園の保育士になるわけです。私立保育園の園長の皆さんとの話しで出されたのは、ただでさえ人手不足な中でこの支援拠点事業でも保育士の手が取られて本当に大変だという声です。園長の皆さんも事業の必要性や重要性は十分認められていますが、対応する現場ではあれもこれもできないというのが実際のところです。
 そのひとつの解決として考えられるのが、「地域子育て支援員」の活用です。現在、市内では24人いるけど、主に保育ママ事業に携わっているとのことです。同時に、子育て支援拠点事業で活躍することも期待されています。拠点事業所である私立保育園の人手不足を解消しながら、拠点事業として期待される子育て支援活動を行ってもらう。そのために、「地域子育て支援員」が「地域子育て支援拠点事業」に積極的に携わってもらえるように、市内の支援員への情報発信や、拠点事業所への紹介や斡旋などをおこなうことを求めました。市としても「重要なことである」と答えましたので、これからの検討を求めました。

(5)一時預かり事業について
①「一時預かり事業」の事業内容について聞きます。
→認可保育所入所者以外の人が保育を必要とする場合に、各保育所で一時的に保育を実施する事業です。
→市内8園で実施しており、市内在住の満1歳以上の児童が利用対象となっています。預かり時間は平日の8時半から17時までです。
②直近の「一時預かり事業」の定員と利用人数について聞きます。
→定員は各園10人となっています。
→年間の利用延べ人数はひらお保育園298人、松葉保育園1,142人、若葉台バオバブ保育園1,568人、もみの木保育園若葉台1,020人、中島ゆうし保育園1,024人、城山保育園南山601人、本郷ゆうし保育園1,015人、第六保育園238人です。
③子ども・子育て支援事業での「一時預かり事業」の位置づけや役割について聞きます。
→保育所等を利用していない家庭において、日常生活上の突発的な事情や社会参加などの理由で、一時的に家庭での保育が困難となった場合の負担を軽減するための役割を果たしており、保育所等を利用していない家庭に対する地域の子育て支援サービスの重要な位置づけであると認識しています。
→一時預かり事業については、様々な保育ニーズがあるものと認識しています。

<解説>
 一時預かり事業について取り上げたのは、この事業が本来の目的を大きく超えて、待機児となっている家庭が一時預かり事業を待機児解消のために利用している実態があるではないかと考えているからです。一時保育については17時までしか預かれなくて、基本的には延長はありません。しかし、この間聞こえてくるのは仕事しながら一時保育を使うと通常のフルタイムでは働けない、という声です。明らかに一時保育が待機児童解消の受け皿になっています。市は「様々なニーズがある」として、どういう理由で一時保育が利用されているのかは関わらないというスタンスですが、これについては実施をしている事業所からもしっかりと声を聞いて実態を把握することが必要であると指摘しました

(6)都営大丸アパート跡地への保育所新設について
①この間の東京都との交渉状況について聞きます。
→平成29年7月19日付で、東京都福祉保健局長から稲城市長あての「福祉インフラ整備事業に係る都有地等の貸付けについて」で都有地の貸付決定を受けています。
→稲城市から東京都に提出した都有地利用の「要望書」では保育園の規模は220人程度となっています。
→第六保育園については、今後様々な事情を勘案して、現在の場所での存続も含めて検討を進めていきます。
②今後の東京都の交渉計画について聞きます。
→今後は具体的なスケジュールや土地の賃貸料の確認、事業者募集の条件の確認などの調整を行っていきます。
→保育園開設に向けては、これまでも可能な限り前倒しできるように東京都に対し交渉を行っています。
③市民や住民への説明会の実施について認識を聞きます。
→市民や住民への説明会は、今後詳細が固まってきた段階で実施していきます。
→市民や住民の声を聞くことについては、重要であると認識しています。説明会実施の際にはしっかり声を聞いていきます。

<解説>
 大丸都営アパート跡地にできる、新しい保育園の規模は220人ということです。当初は300人規模という案もあり、市民や保育関係者からはありえない規模だという意見が出されていましたが、少なくともそういったものではないということです。
 それに伴う、第4保育園と第6保育園の今後については、まだ決定していないということです。ここをどうするのかが新設園の基本的な計画に関わってきます。私は、第6保育園については送り迎えの利便性や民間園として事業者の事業の継続性も踏まえて、建物の耐震改修後も現在の場所で継続するべきではないかと考え、市の認識を聞きましたが第6保育園の継続についても検討をすると答弁はしました。これはとても重要な表明です、この2つをどうしていくのかについては今後も注視をしていきたいと思います。
 市としても都に対して注文もつけながら、交渉をしてもらっていることは東京都の資料を見るとよくわかります。同時に、今のスケジュールだと3年後の2020年の開設の予定ですが、やはりこれを可能な限り前倒しできるように努力してほしいと求めました。この点については日本共産党としても都議会での後押しも含めて、早期の開設に向けて協力をしていくことを述べました。そして、多くの市民がこの都営跡地の活用について期待をしています。ぜひ、市民の声をいかした計画づくりをしてもらいたいと求めました。

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