SSブログ

稲城市臨時市議会の報告~小選挙区の区割り変更について [市議会]

 本日、稲城市議会臨時議会が開かれました。
 議題は3件の市長専決議案と「衆議院小選挙区選出議員の選挙区の区割り変更に再考を求める意見書」(議員提案)の審議を行いました。
 「臨時議会」はその名の通り、年に4回予定されている定例議会とは別に、臨時的な問題について必要な結論を出すための議会です。今回は4月19日に発表された、衆議院選挙における小選挙区の区割り変更に対する意見書を採択するために議会が開会されました。

1.小選挙区の区割り変更について
 4月19日に、総務省区割り審議会が次の衆議院選挙における選挙区の区割り改定案を公表しました。97の選挙区で区割りが変更され、その中には稲城市も含まれています。
【区割り改定案の中身】
①稲城市が小選挙区21区と22区に分割される。
②坂浜、平尾、長峰、若葉台の有権者は21区に編入される。
 これまで稲城市は、小選挙区22区として三鷹・調布・狛江・稲城の4市で1つの選挙区を構成していました。しかし、今回の改定案は、稲城の一部を分割して立川・日野・国立・八王子の一部・多摩の一部と合わせた小選挙区21区に編入しようという内容です。
050101.jpg
050102.jpg
 実際に選挙になった時に、矢野口の人と平尾の人では投票できる候補者がまったく違うということになってしまいます。特に地域が隣接している坂浜と百村では、道路を挟んで候補者が違うという状況が起きてしまいます。

【区割り改定の理由】
①「一票の格差」是正のため
②「一票の格差」を2倍以下にするための数合わせ
 この間、衆議員、参議院とも国政選挙における「一票の格差」が大きな問題になっています。全国の選挙区ごとに人口の差が大きくなっているために、「国会議員として当選できる票数」に大きな差がでてしまっています。
050103.jpg
 最も人口の少ない選挙区と、最も人口の大きい選挙区で、その差が2倍以上になっており、それに対して裁判所からは「最低でも2倍以下」にするように求められています。今回の区割り改定案は、すべての選挙区で、最少と最大の差を2倍以下にすることを主眼に計画されています。
 実際に東京21区は稲城市の一部を分割したことで、差が「1.99倍」といギリギリのラインに治まるようになっています。まさしく、机上の数合わせそのものの中身です。

【小選挙区制の弊害】
①小選挙区制を無理やり維持するための区割り変更
②小選挙区制そのものの見直しが必要
 今回の区割り変更問題は、「今の小選挙区制をそのままにしたうえで、一票の格差を2倍以下にする」ことを無理やり実行したために起きたものです。そもそも小選挙区制は、いわゆる「死票」が大量に発生して、とても国民の民意を反映した選挙制度であるとは言えません。小選挙区制そのものの見直しが求められます。
050104.jpg

2.臨時議会で結論
 臨時議会では全会派の代表者の連名で「区割りに再考を求める意見書」が提出され、代表して新政会の中山議員が意見書の内容を読み上げることで提案理由の説明を行いました。そして、全員一致で賛成をして、稲城市議会として今回の区割り変更に反対をして見直しを求めることを決議しました。既に多摩市議会でも見直しを求める意見書が採択をされており、稲城・多摩の両市長も見直しを求めるコメントを発表していますので、稲城と多摩の議会と市の4者の足並みがそろったことになります。
 日本共産党はそもそも小選挙区制自体の見直しが必要であると考えていますが、その点をふまえても今回の区割り改定の内容は大きな問題がありますので、重要な決議であるとして賛成をしました。区割り変更については、これから国会で審議をされていきます。すでに与野党を超えて問題点を指摘する声があがっています。今後の国会論議を注視しながら、必要な手立てや取り組みを行っていきます。

【意見書の中身】
衆議院小選挙区選出議員の選挙区の区割りに再考を求める意見書

 衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差の是正に向けて、昨年5月に成立した衆議院選挙制度改革関連法では、平成27年の国勢調査で確定した人口及びそれにより算出する平成32年見込み人口を基に、選挙区画の較差を5年間にわたって、2倍未満に抑えるよう区割りを見直すことが定められた。
 このことを受けて、総務省衆議院選挙区画定審議会では区割り改定案が審議され、本年4月19日に人口8万9千人の小さな稲城市を東京21区と東京22区に分割する案が内閣総理大臣に勧告された。
 選挙区の区割りは、市民生活や行政運営に極めて重大な影響を及ぼすものであり、行政単位である市を分割する区割りは、市民意見、行政運営、ひいては行政単位を分断するものであり、また、選挙事務に過重な負担を負わせる。
 よって、国においては、区割りの画定に当たっては市区町村の区域を分割しないことを原則に、単に人口比例配分だけでなく、行政規模の大小、地勢、交通、歴史的経緯などを配慮して区割りが再考されることを強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成29年5月1日
稲城市議会議長 原島茂


衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣 殿
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。