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稲城市12月議会一般質問の報告③~根方谷戸・ランド坂高盛土工事~ [市議会]

一般質問の報告3回目は、工事の進む「根方谷戸・ランド坂高盛土工事」についてです。

4.南山東部土地区画整理事業「根方谷戸・ランド坂高盛土工事」について
(1)高盛土工事の進捗状況について
①現在までの工事の進捗状況について聞きます。
→現在までに、工事にともなう工事用道路の構造、樹木の伐採、湧水の確認、仮設調整池の整備などを行っています。
→今後は地盤改良や排水施設の整備を進めるとともに、高森土工事施工管理第三者委員会の確認のうえ、概ね5年程度かけて施工していく予定です。
②降雨時の工事の対応について聞きます。
→工事期間中の降雨時対策として、仮設の調整池を設置して一時的に雨水を貯留することにより、下流の排水施設や河川への流出量を抑制するなどの対策を図っています。
→雨天時には施工しないことや、排水を確認してから施工開始するなど、盛土内の排水管理に十分留意することとしております。その際の時間当たり降雨量などの具体的な基準については、これから工事施工管理第三者委員会で検討してもらう予定です。
③高盛土工事に伴う、ランド坂の歩道の整備拡張について聞きます。
→これまでにも地域の方々から暫定歩道整備の要望が出されています。現在、電柱の取り外し工事などを進めており、妙覚寺の先からよみうりランド坂下バス停方向に向けた約100メートルの歩道設置を、年内に完了させる予定です。
<解説>
 根方谷戸・ランド坂の高盛土工事が進められています。新たな施設の建設計画も明らかになりましたが、貴重な里山の消滅、危険な工事の実施についての不安視する声も市民からは出されています。危険な工事は実施をするべきではないという立場から質問しました。
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※削られていく根方谷戸

 H19年に出された造成工事検討委員会答申書では「盛土内に耐水させないことが重要であることから、雨天時には施工しないこと…」等となっています。秋口にかけて天候不順が続き、季節外れの雪も降りました。わざわざ答申書で「雨天時は工事をしない」と言われているわけですから、それが遵守されているかどうかが大事です。「雨天時に工事をしない」となっていても、時間当たり降雨量など工事の中止の基準や条件は具体的に決まっていません。こういった物を早急に決めていく事が重要ですし、それが守られているかどうか後から検証できるように記録を作成していく事が重要であると求めました。
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※造成工事検討委員会の答申書
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※答申書の一部

 また、工事車両の増加する前に歩行者の安全確保を早急に行うべきと考えて認識を聞きました。既に工事も始まっていて、工事説明会ではランド坂を使って工事車両が行き来するということが説明されてもいます。この点についても早急な対応を求めました。

(2)高盛土工事施行管理第三者委員会(以下、施行管理第三者委員会)について
①施工管理第三者委員会の目的、役割について聞きます。
→工事施工にあたり「造成工事検討委員会」および「施工検討委員会」の答申が確実に反映されていることや、答申した定数等が満足されているかを確認することを目的とし、施工管理および計測管理の計画や、その結果の確認のほか、その他必要な事項について検討しくことになります。
→施工管理第三者委員会は、工事施工並びに計測管理の結果確認において、適正な施工がされていない場合は、工事の変更や停止を勧告すべき責務を担っていると認識しており、市としてはそのような事態が確認された際には、即刻、組合に対して是正措置を図るように指導していきます。
②施工管理第三者委員会の構成メンバーについて聞きます。
→地質や地盤に係わる専門家として、特定非営利活動人地質情報整備活用機構の地質技術顧問3人を任命しております。また、両検討委員会の委員長をされた山梨大学で地盤防災工学を専門分野としている学識経験者をアドバイザーとして指名しております。
③施工管理第三者委員会の会議開催状況について聞きます。
→第1回目を7月7日に開催し、事業概要と進捗状況の報告や現場の確認などを行いました。第2回目を9月5日に開催し、地盤改良事後調査の手法や動態観測計画の検討などを行いました。第3回目の会議を2月頃に開催する予定です。
→第三者委員会は南山東部土地区画整理事業の事業完了までが設置期間となります。
④施工管理第三者委員会の議論の公開について聞きます。
→第三者委員会は、現在の会議規則で原則非公開となっております。非公開となっている理由は、公正中立な立場から特定の利害関係者および特定の行政機関の利害を代表してはならないとされ、第三者性を確保するため非公開となっています。
→市としては、第三者委員会による検討結果などについては、市民の皆様に対する安心で安全なまちづくり観点から、適宜、報告するとともに情報提供に努めていきます。
⑤施工管理第三者委員会への市の関わりについて聞きます。
→将来管理者として、適正な施工がなされるように指導、管理をするために、委員会にオブザーバーとして参画しています。
→市がオブザーバーとして参加して得た資料等については、職務上取得をした「行政文書」として保管がされ、情報公開条例の対象として適正な請求により開示をしていきます。
→組合に対しても周辺地域の方々へ主体的に情報発信を行うように、積極的に指導をしていきます。
⑥安全な工事を実施するための市の認識について聞きます。
→関係法令・基準に基づくとともに、造成工事検討委員会および施工検討委員会の答申を踏まえ、組合が責任を持って適切かつ確実な施工を行い、施工管理第三者委員会による施工管理や計測管理とともに、その結果を確認しながら、工事を施工することが、安全な工事を実施するために重要であると考えております。
→市としても、安全な工事の実施に向けて、定期的に現場の確認などを行い、必要に応じて組合を指導していきます。
<解説>
 高盛土の工事が基準通りに行われているかどうかを確認するための「施工管理第三者委員会」が設けられています。こういった委員会を設けることそのものが、とても異例なことです。今回の高森土工事は、「工事の内容」「工事の方法」「工事の進め方」の三段階にわたって、第三者委員会が設置されて議論されなければならないほど、特別な工事であるということです。
 ところが、肝心の議論内容が「非公開」であるとして、一切明かされないまま進められようとしていました。しかし、オブザーバーとして市も参加をしていて会議資料はすべて情報公開の対象となる。市としても必要な情報提供をすべきであると考えている。そういった状況があるのならば、規則の見直しも含めた運営の改善について市として必要な指導をすべきであると求めました。
 市としても「積極的に指導したい」という答えがされました。やましい事が無いのであるならば、会議の議論内容を含めて広く情報を公開して、多くの人の目で内容を検証しながら進めていく事が求められるのではないでしょうか。

(3)読売ジャイアンツ「新ファーム球場」及び「TOKYO GIANTS TOWN(仮称)」の建設について
①当該施設の建設スケジュールについて聞きます。
→東側に位置する約4.2ヘクタールの保留地について、読売巨人軍と組合が土地売買予約契約を平成28年度10月24日に締結しました。今後は、平成30年3月末に土地の売買本契約を締結し、平成33年3月末に保留地の引き渡しを目指しています。その後、読売巨人軍による建設工事が行われ、平成35年3月末に新球場を完成させたいと発表されています。
→土地の引き渡し時期については、保留地の早期の引き渡しにより資金計画などを含めた事業の円滑運営のために購入予定者と契約を結んでおります。
②「平成27年7月29日付南山東部土地区画整理組合と野村不動産で交わされた協議書」で記された堀削可能範囲と、当該施設の建設予定地の位置関係について聞きます。
→同一の箇所となります。
③「協議書」に記された具体的な工事の規制内容について聞きます。
→土地利用に伴う建築に際し、盛土構造へ影響を及ぼさないことがないようにするため、杭を設置する場合には導水管や暗渠排水管、集水桝を避けて設置をすることとされています。また、地下室等を設置するために地盤を掘削する場合には、地表から7.6メートル以内までを掘削可能範囲とすることとしています。
→「協議書」に規定されている工事の規制内容については、当該施設の建設にあたっても適用されるべきものと考えています。なお組合では、新たな協議書の締結に向けて、読売巨人軍等と協議をしています。
④当該施設の建設にあたって必要となる東京都と稲城市の許認可の内容について聞きます。
→一般的に想定される手続きとしては、東京都へは都市計画法に基づく開発行為の許可申請、市へは宅地開発等指導要綱の手続き、地区計画の届け出などが必要になると考えています。
→「協議書」の法的手続きへの反映については、関係機関とも協議して検討していきます。
⑤危険な工事は実施するべきではないと考えるが、認識を聞きます。
→安全性を確保するため、盛土構造へ影響を及ぼすことが無いよう、杭の設置位置や地盤掘削を制限するなど、組合をはじめ東京都と連携を図り適切な指導、監督に努めていきます。
<解説>
 高盛土工事終了後の土地に、読売ジャイアンツの2軍球場を建設するという話しが突然浮上をしました。9月議会の一般質問でも明らかにしたように、土地の利用方法や工事の方法について区画整理組合と野村不動産によって「協議書」が結ばれています。
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※「協議書」内の掘削可能範囲図

 重要なのは、この「協議書」の内容が事前の建設計画にしっかりと反映をされていることであり、それが確認できないなら工事そのものを開始すべきではないということです。盛土工事についても「雨天に工事はしない」となっているのに、それの内容について具体的な基準が定めされていません。様々な規制について文書で作られていても、それが実際の工事に反映されなければ何の意味もありません。決められた規制が守られないままなし崩しで工事を進めるようことはしてはならないと、強く求めました。

※過去記事(11月10日「読売ジャイアンツファーム球場の建設について」9月11日「9月議会一般質問の報告③~南山区画整理根方谷戸・ランド坂高盛土工事~」
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