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補正予算委員会で補正予算案が否決されました! [市議会]

 9月10日に、補正予算特別委員会が開かれ、私も委員の一人として出席して審議に参加をしました。
 結論から言うと、市が提案をした一般会計補正予算案(年度当初に決めた予算の追加や変更をする予算案)が賛成少数によって否決をされました。これは、大変異例のことであり、おそらく稲城市議会史上では初めての事例となるのではないでしょうか。
賛否の詳細は、次のようになります。

賛成:池田(新政会)、市瀬(公明)、大久保(公明)、中田(起風会)
反対:岩佐(維新)、佐々木(民主)、藤原(市民自治)、村上(生活ネット)、山岸(共産) ※敬称略

 今回の補正予算の総額は約7億1490万円です。その内容は第一中学校改修工事費用の支払いの前倒し分や、各種補助事業の補助金返還分など基本的に市民生活や市政運営にとって必要な事項が主たるものです。
 しかし、その中に含まれていたカリフォルニア州サンテマテオ群フォスターシティ市と姉妹都市提携を結ぶための「海外姉妹都市提携検討市民会議」の設置に関しての費用とそれに伴う海外視察の「特別旅費」の461万円が問題視され、結果的に補正予算案全体が否決をされました。
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 この海外姉妹都市提携については、6月議会の補正予算で問題になった「市長の海外視察」からつながった問題です。過去の経緯については、6月16日記事「スケジュールも決まっていない海外視察!?」と6月22日記事「補正予算第2号(市長の海外視察)に反対しました」をご参照ください。

委員会の審議を通じて、明らかになった問題は3点です。

1.市長の海外視察につづいて、さらなる海外視察が計画されている。
「海外姉妹都市提携検討市民会議(以下、検討会議)」の設置費用は300万円です。検討会議のメンバーは16人で、10月に会議を2回、11月に2回行う予定です。300万円のうち、会議4回分の費用は委員の参加報酬として約50万円です。残り約250万円は、検討会議のメンバー16人のうち6人が10月から11月にかけてフォスターシティ市に海外視察に行くための費用です。さらに市職員3人がつきそいでいくために、その分も特別旅費として120万円が計上されています。
 6月議会で問題になった市長の海外視察は、8月5日~9日に約250万円かけて行われました。8月の視察から2ヶ月しかたっていないのに、さらに370万円もかけて9人も海外視察に行くのは予算の使い方としては多すぎます。市は市長の海外視察について議会答弁で、「市長が直接行くことで熱意を伝えることができた」「市長が行くことは有意義であった」と胸をはっていますが。それならば、この短期間にさらに追加で300万円もお金を使って9人もの人を送り出す必要はまったく無いのではないでしょうか。

2.姉妹都市提携そのものの進め方に問題がある。
 市は検討会議を10月と11月に会議を4回と視察を1回行って、「11月中に結論を出す」としています。なぜ、この短期間に結論を出そうというのでしょうか?その答えは「フォスターシティ市に住んでいる日系の市議会議員が11月で議員を辞めるから」というものです。
 この日系議員とは、私の一般質問に対する市長の答えの中にも出てくる人です。(9月10日付「9月議会一般質問の報告③~市長の海外視察とマイナンバーと飼い主のいない猫~」)この時の市長の答弁でも言われているように、もともとフォスターシティ市の日系議員が姉妹都市提携先を探していて、たまたま2014年まで稲城市に住んでいた「元在サンフランシスコ日本国総領事館の領事(現 愛媛県の市町振興課の課長)」に相談をして、その人が高橋市長に個人的に相談をしたのが事の始まりです。
 そもそもが【日系議員→愛媛県の課長→高橋市長】の個人的なつながりだけで話が進んでいて、以前から市民的な交流があったであるとか、経済的・文化的なやり取りがあったというものでは全くありません。だからなのか、この日系議員が11月に辞めるのでその前に結論を出そうというのです。
 私たちは姉妹都市提携そのものを否定はしません。それが国内であろうと海外であろうと、都市間交流は大事にしたいと考えています。大事したいと考えているからこそ、広く市民が交流し、双方の市民にとって有益となり、市民同士の相互交流が深まるものでなくてはありません。たまたま縁があって声がかかったのはいいかもしれませんが、先方の市議が1人辞めたからといってダメになるような姉妹都市提携なら、けっきょく長続きするものではありません。極めて個人的な都合や理由が優先されて、本来の市民同士の相互交流や姉妹都市提携の目的や必要性がないがしろにされるような進め方はとても認められません。

3.補正予算の役割から逸脱している
 補正予算のもともとの役割はなんでしょうか?地方自治法第二百十八条では「普通地方公共団体の長は、予算の調製後に生じた事由に基づいて、既定の予算に追加その他の変更を加える必要が生じたときは、補正予算を調製し、これを議会に提出することができる。」とされています。当初予算から変更が生じたときには期の途中で、予算を補正して対応をするということです。
 しかしこれは、「何でもあり」ということではありません。一般的に補正予算が必要な場合とは、①不足の天災や災害の発生、②経済情勢の変化、③緊急な施策の必要 ④補助金、負担金等の見込み違い 等々です。基本的には、当初予算をちゃんと立てて、それを遂行していく中で必要な変更を加えていくものです。もともとの予算に入っていなかった項目を追加するには、それ相応の「緊急性のある」理由が求められます。そうしないと、それこそ何でもありの世界になって、3月の予算議会で長々と論議したことがまったく意味をなさなくなってしまいます。
 その観点からみれば、この姉妹都市提携については補正予算で出す理由がまったく見当たりません。先方から声をかけられたなら内部で検討をして、来年の予算にちゃんと組み込んで提案をすればいいのです。それを、「先方の日系議員が11月に辞めるので、それまでに結論を出したい。だから補正予算で対応したい」という、極めて個人的な理由で補正予算を使ってしまったら、規律ある財政運営や予算執行がガタガタとなってしまいます。そもそもからこの内容を補正予算で出している時点で、この議案は無理がある内容ではないでしょうか。

今後はどうなるのか
 今議会での補正予算特別委員会は9月10日の1日のみです。今回否決された議案も含めて、9月30日の本会議最終日で委員会報告されて、最終的な採決がされます。本会議での採決が最終結論ですので、今の議員の構成では本会議で可決されてしまう可能性もあります。
 しかし委員会で否決をされたというのは、とても重い意味合いがあります。賛成をした会派のみなさんも、「本会議ではこちらが数が多いから、そこで可決をすれば最終的に丸く収まる」とはならないのではないでしょうか。
 補正予算案の主たるものは、市民生活にとって重要なものです。必要な予算執行はされるべきです。基本的に市はこの委員会での採決結果を重く受け止めて、この姉妹都市提携の部分だけを削除した修正案を市が提案をして可決を求めるのが道理です。私たちは、これからも「駄目なものは、駄目です」「一部の人の都合ではなく、広く市民の生活と福祉の向上こそが基本」を貫いて、市政と議会運営に取り組んでいきます。

今回は長文の記載となり、申し訳ありませんでした。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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