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9月議会一般質問の報告②~教科書採択と戦後・被爆70年~ [市議会]

2回目の報告は「教科書採択」についてと「戦後・被爆70年の見解」について

3.中学校の教科用図書の採択について
 8月18日の教育委員会で2016年~2019年まで使用する中学校及び小中特別支援学級の教科用図書の採択が行われました。社会的にも関心が高く、多くの市民が傍聴等にも参加をしました。今後ともより多くの市民が参加をして、開かれた教科書採択を求める立場で質問をしました。
(1)教科書展示について
①6月~7月まで行われた教科書展示の参加人数とアンケート枚数について聞きます。
→参加者は市役所行政情報コーナーが110人、平尾教育センターが24人の計134人でした。アンケートは190件の答えがありました。
→教科書展示は教科書採択への市民の関心を高めるために、広く一般の人々に教科書を公開しているものです。今年度、参加者が多かったのは社会科の教科書について関心や意見を持っている人が多かったためと思われます。
②今回の教科書展示にあたって会場選定の理由や基準について聞きます。
→教科書を常設展示している平尾教科書センター以外に、利便性を考えて市役所1階の行政情報コーナーに設置をしました。展示時間についても、希望をする方には土曜日の開庁時間にも閲覧できるように配慮しました。

③今後の教科書展示に向けての課題について認識を聞きます。
→今後、展示場所や日程等について、市民のご意見を踏まえて改善に努めてまいります。
→教科書展示のアンケートでも出された意見、「図書館で展示してほしい」「市役所は1回のロビーで展示してほしい」「土日も閲覧できるようにしてほしい」についても検討課題としていきます。

(2)教科書の採択について
①採択にあたっての調査研究委員会や審議会の開催状況やその中での審議内容について聞きます。
→調査研究委員会は6月から7月にかけて全体会を1回、科目別の委員会を述べ19回開催しました。主な内容は、科目毎の全ての教科書について教員が内容や特徴をレポートにしました。
→審議会は5月と7月に2回開催して、調査研究委員会の調査結果の報告や全体を通した意見交換を行いました。
②教科書展示で市民から出されたアンケートの傾向や主な内容について聞きます。
→190件のアンケートの内、社会科の教科書に関する意見が最も多くて152件でした。
→歴史分野では育鵬社と自由社の教科書を採択しないように求めるものが76件、公民分野では育鵬社と自由社の教科書を採択しないように求めるものが36件でした。
③審議会の答申や市民のアンケートについて教育委員会での活用状況について聞きます。
→審議会の答申と調査研究委員会の報告、展示会アンケート、学校からの意見書などを事前に教育委員に渡して教科書採択の参考としました。
→審議会の答申や研究委員会の報告については、適切な採択が行えるように採択前に公開をすることはしておりません。採択後には、審議経過の資料は公開しています。
<解説>
 教科書採択については、5月12日付「憲法の理念に基づく教科書採択を」と8月19日付記事「中学校の教科書採択がされました」で詳しく紹介をしてきました。
 最終的な教科書の採択が教育委員会の専権事項であっても、その過程の段階で多くの市民が参加をして意見を述べることが保証をされています。今回の一般質問の中でも一部の議員が教科書採択を取り上げて、展示会アンケートについて「特定の教科書をつるしあげる内容である」とか、傍聴者に対して「特定の意図をもって動員をされて圧力をかけている」と、いかにも問題行動であるかのような発言をしています。まずは、市民の参加する教科書展示をより参加しやすい形にしていくことを求めて、「改善をしていく」という答弁を引き出すことができました。
 採択にあたっての調査研究会や審議会の公開性も重要です。前述の議員は同じ質問の中で、「調査研究委員会には、日教組など特定の政治意識を持った団体を排除すべきである」「公正公平な採択を行うためには、偏った思想を持っていないかどうか調べてから調査研究委員会に加えるべきである」とまで発言しています。さすがに市の方から「教員にも憲法に基づいた思想と良心の自由は保障されるべきである」と答弁されていました。こういった意見が出されるのであれば、調査研究委員会の論議内容をしっかり公開して、それぞれの教師が専門性に基づいてしっかりと教科書研究をしていることを明らかにすることを求めました。

4.戦後・被爆70年にあたっての見解について
 今年はアジア太平洋戦争が終戦をして70年にあたります。また、広島と長崎に原子爆弾が落とされてから70年にもあたります。稲城市にも戦争中に召集をされて200以上の人が戦死されています。また、広島や長崎で被爆をされた人も市内には数十人いらっしゃいます。改めて戦後・被爆70年を振り返り、戦争反対と核兵器廃絶を求める立場から質問をしました。
(1)戦後70年について
①市としての取り組みについて聞きます。
→従来より平和都市宣言関係事業として、パネル展や黙祷、平和の川柳コンクール、平和コンサート、核実験への抗議、平和首長会議への加盟などを実施をしています。
→今年については、特別戦後70年として新たな取り組みはせず、従来の事業を引き続き実施をしていきます。
②戦後70年にあたっての市長としての見解を聞きます。
→戦後70年を迎えるにあたり、まずは先の大戦で犠牲になった人々のご冥福をお祈りし、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないと強く誓うとともに、稲城平和都市宣言にも謳われているように、稲城市民憲章の精神を基本理念として、「平和で友愛に満ちた心のふるさと、稲城」への思いを新たにするものです。
→東アジア、東南アジアの人々とのさらなる和解や友好の取り組みについては、外交は国の専管事項なので市として行動する予定はありません。
→過去の歴史認識についても意見表明をする立場にはありません。

(2)被爆70年と非核都市宣言について
①市内の被爆者の状況について聞きます。
→市内の被爆者は6月1日現在で48人です。健康管理手当を受給している方が40人、介護手当を受給している方が3人です。
②非核都市宣言の策定について認識を聞きます。
→平和都市宣言で「非核三原則の遵守」を宣言しているので、非核都市宣言を行う考えはありません。
→核兵器廃絶は国防の問題であり、核兵器の廃絶を求めるのは地方自治体の権限を超えるものです。
<解説>
 この質問の目的は「市長の考え」を聞くことです。一般的な市の担当部署の取り組み内容や認識を聞くのではなく、市長の政治認識や姿勢について明らかにすることです。
 そしてここで明らかになったのは、「基本的に平和や核兵器廃絶について考えをもっていない(!)」ということです。一般的には「平和は大事」だと言っても、肝心な歴史認識やそれを踏まえた友好づくりについては「自分の問題ではない」と返事をさけました。核兵器廃絶の問題にいたっては、「これは国防の問題である」と言ってやはり返事をさけました。
 私は、核兵器廃絶について「国防の問題」という認識を示した政治家を始めて目にしました。これは大変重要な問題であります。引き続き、機会をとらえながら市長の歴史認識や政治姿勢を問いただしながら、地方自治体が本来行うべき、地方自治体だからこそ行える平和や核兵器廃絶の行動や取り組みについて求めていきたいと思います。
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