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一般質問の報告~医療と介護について~ [市議会]

本日、市議会議員となって初めての一般質問を行いました。
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一般質問の位置づけや内容については6月3日付の記事(初質問の質問通告を提出しました)をご参照いただきたいと思います。

すべてのやり取りを記すと膨大な文量になってしまいますので、数回に分けてご報告をしたいと思います。まずは、医療と介護の問題について報告します。

1.安心して住み続けられる、地域包括ケアシステムの構築について
 いま、地域包括ケア体制の構築が進められています。高齢者の「日常生活圏域」の中で、「住まい」「生活支援」「介護」「医療」「予防」の5つが互いに連携しながら切れ目なく提供されている状況をつくることで、高齢者が年をとっても住み慣れた町で暮らし続けていくことは大変重要なことです。
しかし同時に、国は自己責任論に基づいた「自助」「互助」と言った考えを持ち出し、社会保障分野で国や自治体の責任を引き下げる方向を明確にしています。
 地域包括ケアシステムの推進を名目にした安上りの医療や安上りの介護を許さず、誰もが安心して住み続けられる稲城のまちづくりを求める立場で質問をしました。

(1)在宅医療を支える地域医療体制の整備について
 この間、医療分野と介護分野の提供体制の再編を進められています。特に医療分野では「時々入院、ほぼ在宅」のかけ声のもとに早期の退院を誘導し、24時間体制での往診による在宅医療の強化を求めています。急性期病院からの退院を迫られた患者や家族が、安心して在宅生活を送るための医療体制の整備は急務となっています。
①稲城市における24時間訪問診療を行っている医療機関の整備状況は?
→24時間訪問診療の医療機関は市内に3カ所あり、3カ所のうち2カ所は医師1身で70人~80人の患者を診ています。もう1カ所は今年の4月に開設したばかりで集計中です。
②稲城市は24時間訪問診療の医療機関数は23区や他市と比べても少ないのではないか?これからの整備計画は?
→24時間訪問診療医療機関数は、人口1万人あたり23区が1.36施設、多摩市が1.35施設、稲城市が0.35施設です。
→今後、必要となる高齢者が増えてくることが想定されているから、医療計画をつくって検討していきます。
③外から医師を呼んでくるのではなくて、既に開業されている医師の協力と連携が必要ではないか?
→市内診療所の医師が訪問診療所に関わってもらうことが大切だと認識しています。在宅医療・介護連携推進協議会で医師会長を座長にして、在宅医療の推進に向けて協議を進めています。
<解説>
 24時間訪問診療ができる診療所(クリニック)は、これから必ず必要となってきます。私は2014年まで約70人の患者さんを診ていた24時間訪問診療所で事務長をしていたので、その重要な役割を肌身に感じています。
 同時に、24時間訪問診療ということは早朝や深夜の呼び出しがあり、盆も暮れも医師は待機をしていなくてはなりません。1人の医師で診ることのできる患者数はおのずと一定の限界があります。今でも必要とする患者や家族はたくさんいらっしゃいます。どのように計画的に増やしていくのかは、市の政策としても大事な課題です。
 市の答弁も「少ないので増やします」と直接的に言ったわけではありませんが、実際に施設数は少ない中で「今後のニーズを高まりが予想される」「適切に考えていきたい」と答えて必要性を認めていました。
この姿勢が揺るがないように引き続き整備を求めていくことが必要ではないでしょうか。また、医師会の皆さんとの意見交換などを行っていきたいと思います。

(2)第6期介護保険計画について
 今年度より開始された第6期介護保険計画では、これまで介護予防給付として介護サービスを受けていた方が地域支援事業へと移行するようになっています。稲城市は他市に比べても率先して新たな地域支援事業を開始しており、市民や利用者のみなさんからは「これまで受けることのできたサービスが受けられないのでは」との不安の声が出されています。誰もが安心して介護を受けることのできる介護保険制度の確立が必要であるとの立場から質問をしました。
①4月と5月で介護予防給付から地域支援事業に移行した人の人数と状況は?
→4月に36人、5月に26人移行していますが、全員が現行の「専門的な介護サービス」を受けています。今後も丁寧な説明をしていきます。
②今回の法改正で地域支援事業は、「市町村が単価・利用者負担を設定する」ことができるようになった。現状から変えるべきではないと考えるがどうか?
→現状は変更をしていません。今後は一定の経過期間を過ぎたのちに検討していきます。
<解説>
 4月から開始された第6期介護保険計画では「介護が要支援の利用者の介護保険外し」が大きな問題となっています。本来は実施まで3年間の猶予期間があるのですが、稲城市はそっせんして今年の4月から開始をしました。
 ただ3月の市議会や市民団体の交渉などでも、「利用者に不利益のないようにする」との基本原則は確認をしています。今回の質問でも「丁寧な対応と説明をおこなっていく」と答弁をしています。
 このように基本的な姿勢について答弁を積み重ねることで、必要とされる方はもれなくサービスがうけられるようにすることが重要ではないでしょうか。

(3)介護施設の充実について
 国の方針は「医療から介護へ」、「施設から在宅へ」であるが、同時に社会全体の高齢化により一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯が増え、在宅生活が困難な事例が多くなっています。そのような方々が、住み慣れた地域で暮らし続けていくためには、介護施設の整備も必要であるとの立場から質問しました。
①現在の市内の高齢独居や高齢者のみの世帯の状況は?
→65歳以上の一人暮らし世帯は4,229世帯、高齢者のみの世帯は3,455世帯です。
→地域的には総世帯数に占める割合では平尾地域が34%、大丸・押立・長峰・向陽台が19%~22%となっています。
②市内の特別養護老人ホームの申し込み状況?
→3施設合わせて433人です。ただし、重複申し込みや数年前に申し込んでそのままになっている人の人数も入っています。
→申し込みから入所までの待ち期間は半年から1年以内です。
③市内の特別養護老人ホームは地域的には百村や平尾に固まっていて、大丸や矢野口などに整備が必要ではないか?
→現状では特別養護老人ホームは充足をしているので、新たな計画はありません。
→大丸地域の都営住宅跡地は都有地なので、都に対して介護施設や福祉施設の利用について働きかけをしています。
<解説>
 市の基本姿勢は「介護施設はつくらない」と言い続けて10年以上が経過をしています。実際の待機者数についてもはっきりしておらず、「要介護度4と5で本当に入所が必要な人の申し込みは全部で40人程度」という数字が出されたりする場合もあります。
 まずは、政策判断の基礎となる基本的な数字を押さえることが必要です。ただし、保育園の待機児童者数をなるべく少なく見せるようにするために集計方法がコロコロ変えられているように、特養ホームの待機者数も行政の恣意的な数え方ではなく真に実態を把握した数字とさせていくことが重要です。
 そして施設の充実では、大丸地域の都営アパート跡地の都有地の活用が一番最適です。東京都自身も都有地を保育園や福祉施設にすることについては積極的な立場を取っています。市も「都有地の活用について働きかけをしている」と認めています。この課題については、地域の皆さんの声を集めて継続的に取り組んでいきたいと思います。
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(大丸地域の都営アパート跡地)
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山本 彰三

いいですね。
さらに期待しています。
by 山本 彰三 (2015-06-18 20:58) 

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